*■■■ 下妻物語−ヤンキーちゃんとロリータちゃん ■■■ 嶽本野ばら 小学館文庫
笑った。嶽本野ばらにして耽美さ皆無のコメディ。大槻ケンヂに「丘の家のミッキー」を書かせたかのような味わい(ブラック;)。じきに古くなる小説だとは思う。でも消耗品としてのインパクトは永久保存品には出せない。
遺物のようなヤンキーが低脳にボケて、孤高のロリータが常識的に突っ込む。ヤンキーに疎い私はその描写の真偽のほどはよく分からないが、取り敢えず作者本人はヤンキーなんか大嫌いで思い切りバカにしていた筈である。それをここまでちまちまとよく調べ上げたものだ。自家中毒起こさなかったか。もとい、こんなにもどっぷりヤンキーカルチャーに付き合ってしまったら、うかつに愛が芽生えたんでないの、なんて。
最后は「放っときながら・認め合おうよ・異端」みたいなテーマが見え隠れする(いや、そんなことよりこの本は笑える部分の方がミソなんだけど)。最近ようやく一部では“放っとける”様にはなったけど、放っときっぱなしで交差することは永遠にない訳で。こういうのって散々語り尽くされているけど、まだ出てくるか。それが出来ないお国柄なのに。いや出来ないお国柄だからこそ、か。
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映画 下妻物語・・・深田恭子主演。乙葉主演でも似合っただろうな。監督は「サッポロ黒ラベル」スローモーションの卓球篇を撮った人らしい。
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BABY, THE STARS SHINE BRIGHT・・・作中出てくるロリータなお洋服の店。めくるめくドーリィな世界。モノによってはズン胴を誤魔化せるデザインである処が主人公の敬愛するロココ調と大きく違う(笑)。確かにアツキオオニシ系(膝丈のPINK HOUSE in 80'sって感じ)。MILKやJane Marpleより古典的。ヴィヴィアンよりかなりロリ。
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