■■■ Harry Potter and the Prisoner of Azkaban ■■■ J.K. Rowling
三冊目の奴(「ハリーポッターとアズカバンの囚人」)。映画では語られていなかった詳細が結構あったことを知る。それがまた皆上手く使い回され、繋がっていて面白い。本も読んでみて損は無かった。
たとえば"the Marauder's Map"の作者、"Moony, Wormtail, Padfoot and Prongs"というのがそれぞれ元ホグワーツの学生で、"Prongs(独断と偏見で訳させて貰おう、命名:「つのっち(可愛;)」)"というのがHarryの父親Jamesの徒名であったこととか。お父さんもHarryも守護霊が男鹿であったとは。それで映画でも、あの守護霊召還ワザの時に男鹿のシルエットが見えていたのね。なんかその辺、長い説明は邪魔だとしても、一言足してくれれば、映画の中でも訳が分かったんだけどなあ。
あとshabbyなProf. Lupinの、聞くも涙、語るも涙の生い立ちとか。まあ現実的には、とっつかまえて殺したい真犯人が居る目の前で延々身の上語りなぞする訳ないから(笑)、映画はサクッと省いて正解だと思う。芝居だとこの辺り小説並に語ってOKということになっているが(シェークスピアとか)、エンタメ映画でそれをされると流石にクドいしねえ。・・・あの先生はもう出てこないんだろうか。次の仕事を見つけて達者で暮らして欲しいもんだ(男にも生理休暇を;)。いい先生なのになあ。結局本では、映画で省かれていたベルギー出身とかいうような情報が出てくることはなかった。
Prof. Lupinのみならず、今回思ったのだが、Harry Potterの世界って、大人の魔法使い達の社会構造が見えてこない。作者が敢えて意図的に避け続けているのだと思うけれど、いまひとつ皆どうやって食べていっているのか謎だ。おまけに出てくる大人は大方ホグワーツの元学生か関係者で世間が狭く、結婚している登場人物が異様に少ない(おまけに死んでるし;)。次作辺りからその辺の世界観は広がるのだろうか。・・・でも次から柱の端を切り落としたような、ものごっつい直方体してるんだよな、ペーパーバックが(汗)。あれはちょっと持ち歩けないなあ。
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映画の感想
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