さまざまなシンデレラ (3)----- オペラやバレエのシンデレラ


Copyright 中谷千絵
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こちらへもどうぞ
「シンデレラ」を読む(1)----かぼちゃの馬車
「シンデレラ」を読む(2)----「過ぎし昔の物語」


シンデレラから連想するもの、まずはかぼちゃ、かな。
実にいろいろな「シンデレラ」物語があります。そのもとになっているものは、 グリムの「灰かぶり」やペローの「サンドリヨン」には違いないのですが、そ れらの物語をもとに実に多彩なシンデレラ物語がいまも創作されいます。それ らの物語のなかではシャルル・ペローの創作によるところが大きい「かぼちゃ」 や「靴」といったシンデレラのシンボルが現代的に生きかえっています。シン デレラ物語は童話としてだけでなく、大人が十分に楽しめるさまざまな作品が 数多くあります。

 オペラ「シンデレラ」
バレエ「シンデレラ」
ペローの原作に比較的忠実なもの 現代的なシンデレラ----- シルヴィ・ギエムのシンデレラ
書籍の「シンデレラ」

オペラ「シンデレラ」

歌劇「シンデレラ」ロッシーニ
ミラノ・スカラ座1981年8,9月公演のビデオ
全二幕
演出 ジャン=ピエール・ポネル
ポリグラム株式会社

オペラについてはあまり知識がないのですが、この作品はとても楽しい。
「シンデレラ」はよく知られた話ですから、オペラ初心者も抵抗なく鑑賞
できるので、ちょっとお勧め。

シャルル・ペローの「シンデレラ」とはちょっと違うのですが、不思議に違和
感がないですね。舞台はけっこうドタバタ的でもあるのですが、コミカルでと
ても楽しいシンデレラです。ペローの原作ではまま母とその連れ子の二人の娘
がシンデレラにいじわるをしたり、いじめたりといった場面があるのですが、
このオペラでは義理の父とその連れ子のふたりの娘という設定になっている。
王子さまが結婚相手を探すことになるのですが、本当の愛を知るために、王子
さまは従者になり、従者を王子さまに仕立てて、娘たちの気持を探るのです。
シンデレラの家はもうすでに貧乏で、父はふたりの娘のどちらかを王子さまと
結婚させて、傾きかかった家を立て直そうとやっきになるのですが。



バレエ「シンデレラ」

バレエ「シンデレラ」にはいくつかの台本があります。1893年のプティバ版が
初演台本と言われています。さまざまなものがありますが、比較的ペローの原
作に近いストーリーのものと、きわめて現代的な味つけになっているものがあ
るようです。

バレエ Cinderella の台本
Cinderella
My Ballet Collection

松山バレエ団の「シンデレラ」
もちろんシンデレラは森下洋子さん。
私が見たビデオでは、まま母と二人の娘を男性が演じていて、お行儀の悪さ、
気ままさがオーバーアクションで、シンデレラとの対比がけっこうおもしろい。
このふたりの娘がへたに踊るところは妙におもしろいものです。
ドレスの衣装がなかなかすごい。
ストーリーはペローの原作に近い。
ただコール・ドの部分がそれほど広くない舞台にやけにたくさんのダンサーが
登場してしまうので、その部分がすこしごちゃごちゃした感じの舞台でした。
その部分はストーリーにはそれほど影響ないですから、バレエのおもしろさを
楽しんだらよいとは思いますが。


シルヴィ・ギエムの「シンデレラ」
パリ・オペラ座バレエ
これは、「ペローの童話による全3幕のバレエ」ではあるのですが、
一般的な「シンデレラ」のお話を期待していると、かなり斬新な味つけという
印象ですから、ちょっとびっくりするかも。
演劇性のより強い舞台なのですが、ストーリーよりはもう最初から最後までシ
ルヴィ・ギエム!という感じですね。ロサンジェルスに住んでいるシンデレラ
一家。スターをめざしてハリウッドへという、これはシンデレラそのものでは
なく、いわゆるシンデレラストーリー仕立て。クラシックバレエから少し飛び
出して、コンテンポラリーダンス的な部分も楽しめる。



書籍の「シンデレラ」





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