プレミアムの下限値について


ここでは、無配当の株式オプションを基本に、オプション・プレミアムの下限値(floor)について解説する。下限値は本質的価値または本源的価値(intrinsic value)である。

オプションのプレミアムは時間的価値(time value)と本質的価値に分けて考えることができる。本質的価値は権利行使によって確実に得られる利益部分である。満期日においては、プレミアムには本質的価値しかない。時間的価値がゼロだからである。

 

Traderで示している直線の損益図はハード・フロアのみである。曲線はブラックショールズ式によるプレミアムの曲線である。プットの場合、ソフトはハードの下に位置するため、ブラックショールズ式による理論価格はハード・フロアを割り込む。

アメリカン形式のプットにおいて、下限値はハード・フロアのみである。

 

Spaceを使えば、ソフト・フロアを簡単に計算できる。最小値というのが、プレミアムのソフト・フロアである。このソフトウェアでは割引ファクターに(1 + r)tは使用せず、ertという連続複利計算法を用いている。この図で示した例の場合、10.4187がコールの本質的価値で、

16.4061 - 10.4187 = 5.9874

がコールの時間的価値である。

このようにソフトウェアを使って理論価格を計算し、割安か割高かを判断すれば、リスクを最小にリターンを追及することができる。

 

 

Copyright 1999 by Ken Muranaka