前年の2020(令和2)年は将来、歴史上の転換点ということで記録されることになるでしょう。
2019年の末に、中国・武漢で謎の肺炎が流行という小さなニュースが、その後世界を震撼させるパンデミックとなりました。
新型コロナウイルス(Covid-19)が2020年初頭には中国全土、やがて欧米へ、そして世界中に伝播し、国際間移動の制限、ロックダウンなどがなされました。この年開催が予定されていた東京オリンピック・パラリンピックも「延期」となりました。
それを踏まえての2021年年賀状は、百人一首をモチーフに展開しました。小倉百人一首84番、新古今和歌集・雑1843番、藤原清輔朝臣の作品です。
「永らへばまたこの頃やしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき」
(現代語訳:この先もっと長く生きていれば、辛いと思っている今この時もまた懐かしく思い出されてくるのだろうか。辛く苦しいと思っていた昔の日々も、今となっては恋しく思い出されるのだから。)
この歌がズバリ当てはまるご時世は今を置いて他にはないと言えるでしょう。
実は元々、自分の幼少期に、下の句で「憂し(うし)」で始まる部分を、動物の牛(うし)と思っていた勘違いをネタにしたかった(2021年は丑年です)だけだったのですが、まさかここまでハマるとは驚きであります。
この百人一首一枚が出来てしまえば、あとは枠を同じ色にしただけの雑多な大喜利ネタのはめ込みで完了です。以下、野暮を承知で一つずつ解説します。
定番の家族写真ですが、実はこれもコロナ禍の影響を受けています。
結婚以来毎年結婚記念日あたりに家族写真を撮ってもらっていた写真屋さんが、2020年5月末で廃業となってしまいました。
書き入れ時である春頃の卒業式・入学式がコロナのために軒並み中止となり、撮影キャンセルが相次いだためだそうです。
いつもは6月初旬に撮影してましたが、1ヶ月前倒ししてこれが最後の1枚になりました。
次回以降どこで撮ってもらったらよいのやら(某スタジオア○スはべらぼうに高いそうですし)。
左上はトランプ米大統領(第45代)とバイデン次期米大統領(第46代就任予定者)です。
2020年は米大統領戦イヤーでもあり、事前の下馬評では、今回はバイデン氏が圧勝との報でしたが、ふたを開けてみれば大接戦で最後まで決着が付かず、僅差の州では訴訟にまでもつれ込みました。
最終的にはバイデン氏勝利で2021年初頭に就任予定です。
それにしてもトランプ氏は2017年、2020年と今回2021年の三度も私の年賀状に登場ということで、それだけ印象深かったことを示しています。
ちなみに、「いよっ、大統領!」という掛け声は、明治・大正・昭和にかけて活躍した歌舞伎役者、二代目市川左團次に対するそれが起源だそうです。
(その後、昭和時代には相手をヨイショする際の掛け声の定番となるも、令和の今はもはや死語)
その下の「マイナポイント」とは、総務省が、マイナンバーカード普及のために、マイナカードにキャッシュレス決済を紐付けると最大で5000円相当のポイントが付くとした施策で、
マイナカード普及、キャッシュレス決済普及、消費税率増税後の景気下支えの一石三鳥と息巻いていたものですが、2019年に実施されていた経済産業省のキャッシュレスポイント還元に比べると、規模的にもショボく、
何せキャッシュレスの一翼を担うクレジットカード会社の多くにそっぽを向かれたこともあり、それに比べたらだいぶマイナーに見えますよね、ということでこの一枚につながっております。
ちなみに、私はもちろんマイナカード作成済み、ポイントもゲット済みです。
右側中程、ちょっとわかりにくい画像・細かくて読みにくい字ですが、これは高輪ゲートウェイ駅開業を採り上げたものです。
山手線の駅としては1971年の西日暮里駅以来実に49年ぶりとなる新駅が2020年3月に誕生しました。
この駅名を募集した当時は、場所や歴史的経緯からして「高輪駅」が妥当であろう(現に一般公募でもその名前がトップだった)にもかかわらず、JR東日本は新駅名を半ば強引に「高輪ゲートウェイ」と決めて不評を買ったことを揶揄したものです。
書かれている文字は、以下のとおり鉄道唱歌"の替え歌となっています。
右は高輪ゲートウェイ 元は田町の車両基地その元となる歌詞(2番)は以下のとおりです。
基地は消えても消え残る 名は千載の後までも
右は高輪泉岳寺 四十七士の墓どころ
雪は消えても消え残る 名は千載の後までも
右下の東京オリンピックロゴマークらしきものは、日本外国特派員協会が月刊誌「NUMBER1 SHIMBUN」2020年4月号の表紙の載せたデザインです。
東京オリンピックの大会エンブレムを、新型コロナウイルスに見立てており、「露骨すぎ」「風刺が利いている」などの賛否両論が巻き起こりました。
大会事務局はもちろん激おこで猛抗議。いやはや、それにしても今大会のエンブレムは2015年にもパクり疑惑で吹っ飛んだ旧デザインといい、呪われているとしか思えません。
なお、ロゴ下のコメントは読みにくいですが、「(ワクチンを)うてん〔打てん/雨天〕(でも)決行」と書かれています。
年賀状作成時点では2021年に延期とはなっていますが、ほんまに開催できるのかどうか、生暖かく見守りたいところです。
そして、近年オリジナル書き下ろしが途絶えて久しいマスコットキャラクターの「くりりん」は、いつもの使い回し画像にマスクを付けさせてのアレンジです。
うっかり自宅の固定電話番号を入れるのを忘れてましたが、もうぶっちゃけ無くても全然困らない世の中になりました。
このほか、2020年の主なトピックス(新型コロナウイルス以外)を記録しておきますと、「鬼滅の刃」なる漫画作品が大ヒット、アニメも映画も関連グッズもバカ売れだそうです(という言い方をする私はいっさい見ておりませぬ)、
一方で「100日後に死ぬワニ」はTwitterで注目されるも死亡後の商業展開があざとすぎて100日保たずに死亡、
最近は毎年のように起きますが7月に九州を中心とした豪雨災害発生、長期政権を誇った安倍首相が突如退陣して菅首相に交代、すぐに総選挙かと思いきやタイミングを失してそのまま、
海外に目を向けると、中国の香港などに対する締め付けの強化、英国のEU離脱が4年超の歳月をかけてようやく成立、オーストラリア森林火災、
科学分野では千葉県習志野市に隕石落下、小惑星探査機はやぶさ2がリュウグウのサンプルリターンに成功、などを挙げておきます。