三月書房HOME販売速報総目次三月書房販売速報[109]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第11冊[101〜110号]
通巻101号 2008.10.21発行 通巻106号 2009.12.31発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻107号 2010.03.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻108号 2010.06.30発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻110号 2011.03.30発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
三月書房販売速報(仮題)総目次へ

▲三月書房HOMEへ戻る

三月書房販売速報[109]
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
2010/10/26[12-03-109]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 109号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&

[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「15歳の寺子屋『ひとり』」吉本隆明 講談社
  ◆「中原中也研究15」福島泰樹・編 中原中也研究会
  ◆「神奈川大学評論」吉本隆明ほか 神奈川大学
  ◆「吉本隆明 論争のクロニクル」添田馨 響文社
  ◆「吉本隆明資料集99 南島論」松岡祥男編 猫々堂
  ◆「松下昇とキェルケゴール」高本茂 弓立社
  ◆「春日井建全歌集」 砂子屋書房
  ◆「河野裕子−牧水賞の歌人たちVOl.7」青磁社
  ◆「(歌集)鈴を産むひばり」光森裕樹 港の人
  ◆「(歌集)自転車の籠の豚」渡辺松男 ながらみ書房
  ◆「(歌集)山鳩集」小池光 砂子屋書房
  ◆「私の日本語雑記」中井久夫 岩波書店
  ◆「縄文聖地巡礼」中沢新一×坂本龍一 木楽舎
  ◆「古本のことしか頭になかった」山本善行 大散歩通信社
  ◆「CABIN 12」編集・発行 中尾努) 
  ◆「マビヨン通りの店」山田稔 編集工房ノア
 
  
  
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「日本の医者」中井久夫 日本評論社※入荷済み
  ◆「道の手帖 田村隆一」吉本隆明ほか 河出書房新社※入荷済み
  ◆「(歌集)少時」森岡貞香 砂子屋書房※入荷済み
  ◆「(歌集)王者の道」川野里子 角川書店※入荷済み
  ◆「(歌集)X イクス−述懐スル私」岡井隆 短歌新聞社※入荷済み
  ◆「京都うた紀行」永田和宏・河野裕子 京都新聞出版※入荷済み
  

[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その71)   

  ○11月に開業予定の四条烏丸北西角の「LAQUE」という商業ビルに、
   丸善書店が入居しますが、書店部門はなしで、文房具専門店とのこ
   とです。京都では老舗の文適堂の倒産と丸善の河原町店の閉店後、
   輸入物の高級文房具を扱う専門店がほぼ壊滅状態でしたから、文具
   マニアには歓迎されるでしょう。   
   
  ○神田に本店がある手芸本の専門店「アートブックショップ京都店
   というのが、三条通富小路西入ルにオープンしたそうですが、まっ
   たく興味がないのでまだ見に行ってません。国内外の新刊古本7000
   冊を常備しているとのことですから、なかなか本格的な専門書店の
   ようです。
      
  ○2007年春に閉店売却された、京都駅前の近鉄百貨店の跡地に建設中
   の「ヨドバシカメラ京都店」は、やっと11月上旬に開業となります。
   地上8階、地下2階建て、店舗面積38300平米の大型商業ビルですが、
   ここにも、大垣書店が240坪で出店するそうです
   
   
  ○2007年秋に開業した児童書専門書店「メリーゴーランド」の京都店
   はなかなか健闘しているようで、10月からは隣のスペースを新たに
   借りてギャラリーをオープンしたそうです。定休日がうちと同じだっ
   たので一度も入店していませんが、知らぬ間に木曜に変わっている
   ようなので、いずれそのうち見学に行くつもり。
      
  ○8月に閉店した「四条河原町阪急」百貨店の跡には、「京都マルイ
   (仮称)」が決定し、オープンは来年になるようです。丸井は京都に
   はほとんど縁がなく、いまだに大昔の月賦屋というイメージしか持っ
   ていませんが、首都圏の周辺都市では「マルイ」があると、街のス
   テータスがちょっと上がる(「しみったれ家族」)らしいので、
   “郊外化”が急速に進行中の河原町にはお似合いかもしれません。
   いずれにしろ書籍売場はなさそうな感じです。
   
  ○「出版ニュース 2010年10月中旬号」掲載の「2009年度書店売上実績」
   にランクインしていた京都市に本社のある書店グループは下記の4
   店でした。

   ・049位 大垣書店   63.3億円  6.1%増
   ・069位 ふたば書房  35.7億円  3.3%増
   ・193位 思文閣出版(神陵文庫京都)  8.7億円  1.8%減
   ・276位 恵文社     6.4億円  0.9%減

   何度見直しても常連の「丸山書店」が見あたりません。ちなみに
   2002年度が12億円、2007年度が7.4億円でした。ちかごろ店舗数は変
   わっていないはずなので、いくら減ったとしてもこのリストの下限
   の3億円超はあると思うのですが、調査漏れでしょうか。「思文閣出
   版」は出版社、古書店、画廊等のほか、医学書専門の神陵文庫の京
   都営業所も経営しているようですが、この8.7億円は総売上なのか、
   神陵文庫の分だけなのかは不明です。大垣書店はここ数年ガンガン
   店舗を増やして、売上げは2002年度と比べてほぼ倍増です。
      
  ○筑摩書房の「全国書店ランキング」から京都市の分のみ 
   ※順位は全国順位。( )内は前期順位。2009/06〜2010/05  
    27(24) ジュンク堂京都店  
    38(31) ジュンク堂BAL店     
    44(38) 京大生協ブックセンター
    51(54) アバンティBC     
    82(65) 三省堂京都店    
   117(110) ブックファースト京都店
   118(123) 立命大存心館ブック店
   127(105) 大垣烏丸三条店      
   206(1517)ブックキヨスク京都店     
   218(205) ふたば書房京都タワー

   以上が10位までで、以下は同志社大生協書籍部、紀伊国屋書店MOVIX
   京都、くまざわ書店京都ポルタ、ジュンク堂外商部、大垣書店二条
   駅店、大垣書店四条店、ブックファースト四条大宮店…。
   順位が下った店が多いようですが、必ずしも売上げ冊数が落ちてい
   るわけではないようです。ブックキヨスク京都というのは初耳です
   が、JR東海の新幹線京都駅改札内にある書店のようです。いつごろ
   開店したのか、あるいは拡張したのかは知りませんが、少なくとも
   筑摩の本を多く売るようなタイプの書店になったのはここ数年のこ
   とでしょう。検索したところでは数年前にはすでにあったようです。
   
   このリストによると大学生協を除けば、京都駅周辺の書店が10位ま
   でに5店と半分を占めています。来年はイオンモールKYOTOの大垣書
   店もリストに載ることが確実ですから、新刊書店に関する限りは、
   京都駅周辺地帯が京都で一番の集積地帯であることは間違いありま
   せん。しかし、1980年代の河原町御池〜四条のように、新刊書店と
   古書店と専門書店が混在していたような面白さや利便性がまったく
   なく、似たような品揃えのチェーン書店が、売り場面積の大小と交
   通の便のみで競争しているようにしか思えません。
   (参考:1993年秋「河原町三条〜四条の書店地図」)     

  ○10月16日の京都新聞夕刊に、“京都の古書店数114店、全国で衰退も
   店舗数維持”という記事が載っていました。京都府の古書組合加盟
   店数は2001年に比べて1店増とほぼ横這いなのに対して、全国の加盟
   店は同期間に約14%減とのこと。店数は都道府県中4位ながら、人口
   比だと東京と並んでトップクラスだそうで、これは“高い専門性、
   個性光る”からだという、けっこうな記事でした。むかしは、新刊
   書店も出版社も人口比だと同様に多かったはずなのですが、現在も
   そうなのかどうかはわかりません。出版社はともかく、新刊書店は
   ちょっと順位が落ちているかも。
   
   ところでまだこれは詳細不明ですが、京都古書組合が二条高倉上ル
   に移転して、11月オープンだそうです。現在は東洞院三条下ルです
   が、建物は老朽化がひどくいため、一般客向けの古書展は開催不能
   と聞いています。今度の場所は、うちの店から真西に400メートルと
   かなり近くなるので、ここが東京の古書会館のように、一般客向け
   の即売会を定期開催してくれるようなら、とてもうれしいのですが。
   

[#04] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など

  ○理論社が民事再生を申請したのは、予想外だったのでかなり返品不
   能品が発生してしまいました。その大部分は「よりみちパン!セ」
   で、あとは長新太、西原理恵子等の絵本が少々というところなので、
   金額的にはさほどたいしたことはありません。「よりみちパン!セ」
   は白川静、小熊英二などがとくによく売れ、その他もわりと売れてい
   ましたから、既刊の8割程度のタイトルを揃えています。これが、返
   品期限があったり、倒産しそうな噂があったりしていたら、おそらく
   3割程度しか残していなかったところです。草思社は会社再生に成功
   されたようで、順調に新刊も出ていますが、返品不能になってしまっ
   た本はまだ半分ほど残っています。草思社後、何となく似た感じの出
   版社の本は、かなり絞り込みましたが、理論社は似たような感じでな
   かったので油断していました。理論社は今でこそ児童書専門のような
   雰囲気ですが、1960年代は社会科学書なども多く、とくに「高群逸枝
   全集」は今では信じられないくらいたくさん売れたものです。理論社
   がこんなことになったので、おそらく全国の書店では単純な類推で、
   児童書の絞り込みにかかっているかもしれませんが、少子化で児童書
   棚の縮小は景気と関わりなく進行していたので、いまさらという店も
   多いかもしれません。

  ○倒産とか破綻とかではありませんが、かねての予定通り「彷書月刊」
   が終刊になりました。毎号特集記事も連載物も面白く、その面での
   編集的な行き詰まりはまったくなさそうでしたが、古書店の販売広
   告がほとんど集まらなくなっていたようなので、営業的には完全に
   行き詰まりだったのでしょう。もしも、インターネットがなかった
   なら、「古書通信」と並ぶ古書情報誌としてますます繁盛していた
   に違いありません。彷徨舎は地方小出版流通センター扱いでしたが、
   こことの契約は近く解除になり、「彷書月刊」のバックナンバーを
   含む出版物は直販になると聞いています。彷徨舎の旧社名は弘隆社
   でしたが、ここの出版物である「大石誠之助全集」「奥宮健之全集」
   などは最近新本特価ルートで流通するようになりましたから、彷徨
   舎のもいずれはそうなるかもしれません。
   
   
[#05]  雑、雑、雑、……

  ○Amazonは自社扱い品の送料無料に続いて、マーケットプレイスの書
   籍送料を340円から250円に値下げしました。90円と言えばわずかの
   ようですが、なにしろ1円とか10円とかの本が大量に出品されている
   ので、コミックなどのまとめ買いの場合は、かなりの値下がりとな
   ります。出品者は成約料としてAmazonから260円もらっていたのが
   190円に下がりました。1円で出品していた場合は、この成約料と送
   料実費の差額のみが利益なのですが、それが70円も下がるとかなり
   の打撃でしょう。しかし、いまのところ1円出品は目立って減って
   はいない上に、2冊目からは送料50円引きとか100円引き、中には
   250円引きという気前のよい出品者もありますから、大口事業者の送
   料はかなり安くなっているのでしょう。メール便で50円前後でしょ
   うか?
   Amazonが相次いで送料値下げ策をとっているのは、おそらく楽天や
   CCCの書籍通販サイトをねらい打ちにしているのではと思われます
   が、ほんとうのところはわかりません。
   個人的には、ちかごろブックオフオンラインの使い勝手が以前より
   かなりよくなったように感じています。ここは1500円以上で送料無
   料なので、100円〜200円程度のコミックなどをまとめ買いすると、
   Amazonマーケットプレイスよりもかなり割安です。
   うちの店のネット通販もここ数年は下降気味で、売れるのはAmazon
   では買いにくい本だけに集約されつつあります。うちの店がヤマト
   に支払う送料は、以前に比べるとかなり安くなりましたが、それで
   も無料にするのは無理ですから、Amazonと競争する気はありません。
   

---◎受贈御礼◎勝手に宣伝-----------------------------------------

  出版人に聞く1 「今泉棚」とリブロの時代
    今泉正光(聞き手・小田光雄)    定価1600円 論創社
                 
------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------
この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜107号)」はHPにて公開中です。
     
   ※新規購読及び配信停止は
メールでお申し込みください
     
     (c)SISIDO,Tatuo     三月書房
------------------------------------------------------------------
 

▲三月書房HOMEへ戻る

三月書房(新本屋です)     お問い合わせはメールで
〒604-0916 京都市中京区寺町通二条上ル西側 (京都銀行の北3軒目)
◇TEL 075-231-1924     ◇FAX 075-231-0125
営業時間 ◇平日・11:00am〜07:00pm(火曜・定休)
 ◇日祝休日・12:00pm〜06:00pm