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e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
 
通巻101号 2008.10.21発行 通巻107号 2010.03.30発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻108号 2010.06.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻110号 2011.03.30発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻111号  2011.08.03発行
通巻106号 2009.12.31発行 通巻112号 2011.12.31発行
    通巻113号 2012.04.26発行
    通巻114号 2012.10.31発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[114]
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2012/10/31[14-02-114]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 114号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] たいしたネタがなかったのと、漫画本を読むのが忙しくて、このメ
   ルマガの発行が予定より数ヶ月遅れてしまいました。ふとしたこと
   で、ここ10年ほどの話題作を「このマンガがすごい!」などを参考
   に読み始めたところ、次々に面白いのが見つかって、まだ当分は楽
   しめそうです。ここ半年ほど、月に100冊以上買ってますが、ブッ
   クオフの105円本がほとんどなので、お金よりも読む時間のほうが足
   りません。少しは商売の参考にもなるとよいのですが、世間でよく
   売れている漫画は、いかに面白くとも、うちの店ではほとんど売れ
   そうにないという、以前からよくわかっていることを再確認するば
   かりです。
   
   
[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「飢餓陣営38号」編集・佐藤幹夫 飢餓陣営発行所
  ◆「Myaku 12号 吉本隆明追悼号」比嘉加津夫・編集 脈発行所
  ◆「(文藝別冊)追悼 吉本隆明」 河出書房新社
  ◆「中央公論特別編集 吉本隆明の世界」 中央公論新社
  ◆「流砂 第5号 特集【追悼】 吉本隆明」批評社
  ◆「IICHIKO 114」編集:山本哲士 文化科学高等研究院出版局
  ◆「現代詩手帖 2012年5月号:吉本隆明特集」思潮社
  ◆「現代思想 増刊号 総特集*吉本隆明の思想」青土社
  ◆「kototoi 3号」吉本隆明ほか 菊谷文庫
  ◆「情況 2012年8月・別冊“追悼・吉本隆明”」情況出版
  ◆「吉本隆明の言葉と『望みなきとき』のわたしたち」瀬尾育夫 言視舎
  ◆「吉本隆明の帰郷」石関善治郎 思潮社
  ◆「宮沢賢治の世界」吉本隆明 筑摩書房
  ◆「『すべてを引き受ける』という思想」吉本隆明×茂木健一郎 光文社
  ◆「『語る人』吉本隆明の一念」松崎之貞 光文社
  ◆「第二の敗戦期:これからの日本をどうよむか」吉本隆明 春秋社
  ◆「(増補)次の時代のための吉本隆明の読み方」村瀬学 言視舎
  ◆「(歌集)金の雨」横山未来子 短歌研究社
  ◆「歌に私は泣くだろう」永田和宏 新潮社
  ◆「(歌集)夏・二〇一〇」永田和宏 青磁社
  ◆「(歌集)トリサンナイタ」大口玲子 角川書店
  ◆「(歌集)しんきろう」加藤治郎 砂子屋書房
  ◆「(歌集)燕麦」吉川宏志 砂子屋書房
  ◆「(歌集)河骨川」高野公彦 砂子屋書房
  ◆「(歌集)あやはべる」米川千嘉子 短歌研究社
  ◆「(歌集)夏にふれる」野口あや子 短歌研究社
  ◆「KAWADE夢ムック いしいひさいち 40th anniversary」河出書房新社
  ◆「旅のうねうね」グレゴリ青山 TOKIMEKIパブリッシング
  ◆「マダムGの館 黒猫編」グレゴリ青山 小学館
  ◆「言葉のフーガ自由に、精緻に」吉田秀和 四明書院
  ◆「コーマルタン界隈」山田稔 編集工房ノア
  ◆「葉山藝大BOOK 美しい本」 用美社 
  ◆「葉山藝大BOOK 本に恋して」 用美社
  
   あいかわらず売れているのは、〈吉本〉本と短歌関係ばかりです。
   吉本氏の追悼関係でとくによく売れたのは「飢餓陣営」「myaku」
   など、一般流通していないものですが、「現代詩手帖」「情況」
   「流砂」などは、ふつうに流通していても販売店が少ないからか、
   かなりよく売れました。上のリストにはあげていませんが、追悼記
   事の載った雑誌類は数十種あり、たぶんそのおかげで今年ここまで
   の総売上は前年を上回っています。しかし、〈吉本〉本は遺作も追
   悼本も年内にはほぼ出尽くしそうなので、その分来年の売上は落ち
   るでしょう。
   5月までの短歌本売上リストを[#03]に掲載しましたが、上に並ん
   でいるのはそれ以降の新刊です。それから、このリストには載せて
   いませんが、自由価格本も全体に好調で、とくに売れているのが、
   昨年末で廃業の短歌新聞社本です。自由価格本については、ブログ
   にも記事
がありますからお読みください。

   
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「(歌集)窓、その他」内山晶太 六花書林※入荷済
  ◆「(歌集)木立ダリア」花山多佳子 本阿弥書店※入荷済
  ◆「(歌集)さよならバグ・チルドレン」山田航 ふらんす堂※入荷済
  ◆「(歌集)いっしょにお茶を」辰巳泰子 沖積舎※入荷済
  ◆「おもしろブック版 猿飛佐助」杉浦茂 青林工藝舎※入荷済
  ◆「吉本隆明が最後に遺した30万字(上・下)」ロッキング・オン
  ◆「アナキズム・カレンダー2013」アナキズム文献センター※入荷済
 

[#03] 短歌本の売上げ(TOP10) 2011/06〜2012/05

  01 36冊 「(歌集)蝉声」河野裕子 青磁社
  02 20冊 「(歌集)蝶」渡辺松男 ながらみ書房
  02 20冊 「たとへば君」河野裕子・永田和宏 文藝春秋
  04 13冊 「(歌集)食卓の音楽[新装版]」杉崎恒夫 六花書林
  05 12冊 「(歌集)汀暮抄」大辻隆弘 砂子屋書房
  05 12冊 「(歌集)ミドリツキノワ」やすたけまり 短歌研究社
  05 12冊 「(歌集)たんぽるぽる」雪舟えま 短歌研究社[※1]
  08 11冊 「もうすぐ夏至だ」永田和宏 白水社[※2]
  09 10冊 「シリーズ牧水賞の歌人たち*河野裕子」青磁社[※3]
  09 10冊 「(歌集)胡瓜草」花山多佳子 砂子屋書房[※4]
    
  [※1]通算13冊 [※2]通算16冊 [※3]通算50冊 [※4]通算13冊
  
   この号の発行が遅れたため、ちょっと古くなってしまいましたが、
   5月までの1年間の売上冊数です。故・河野裕子本を除くと、いま
   いちよくありませんでしたが、今年の夏以降は有力な歌集のラッシュ
   なので、来年のリストはもう少しにぎやかになるでしょう。
   
   
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その76)   

  ○「出版ニュース 2012年10月中旬号」掲載の「2011年度書店売上実績」
   にランクインしていた京都市に本社のある書店グループは下記の3
   店でした。

   ・042位 大垣書店   79.8億円 12.1%増
   ・059位 ふたば書房  36.7億円  0.8%減
   ・225位 恵文社     5.9億円  3.9%減
      
   大垣はあいかわらず増ですが、ふたばはめずらしく減になってます。
   しかし、大垣もふたばも店数の変動が激しくて、売上高だけでは儲
   かっているのかどうかはぜんぜんわかりません。恵文社は2年連続
   の減。ふたばも恵文社も売上減にもかかわらず、全国順位が少しアッ
   プしていることをみれば、他店はもっとひどいのでしょう。
   
  ○百万遍の「レブン書房」が6月30日で店を閉められましたが、配達
   等の外商販売は今ままで通り継続しておられるようです。現在の場
   所で外商だけをされるのか、どこか裏通りにでも移転されるのか、
   そのあたりのことは未確認です。
   この件について「京都大学学生新聞」にやや詳しい記事が載ってい
   ました。「最大の要因は、売り上げの減少だ。京都大学近辺の他の
   書店との競争が激しくなったうえに、ウェブサービスが普及したこ
   と(中略)。20年ほど前には全くなかったという万引きがここ数年で
   激しく増加し、売り上げの減少と合わせて経営を圧迫していた」と
   のことです。ウエブサービスや万引きはともかくとして、近辺の他
   の書店との競争というのがよくわかりません。近辺には京大生協書
   籍部以外には、目立った新刊書店はほとんど無いように思うのです
   が。
   
  ○「ふたば書房京都タワー店」が7月31日で閉店しました。うわさに
   よれば、ビルの耐震工事のための立ち退きとのことです。工事完了
   後も戻る予定は無いようなはなしです。
   この店についてはブログ「三月記(仮題)」の2007年01月10日に記事
   がありますから、そちらもお読み下さい。

  ○公式発表はまだのようですが、「ジュンク堂書店京都BAL店」が来
   春に閉店するとのうわさです。いまのところ1月末に閉店という説
   と、4月頃閉店という説を聞いています。この店は2006年開業です
   が路面店でないためか、いまだに認知度が低いようで、売場面積の
   割にはいまいち繁盛していないような感じでした。しかし、閉店す
   るのは売上不振のためではなくて、ビルが建て替えになるからだそ
   うです。京都BALビルは1960年代後半の建築ですから、ぼちぼち建て
   替えても不思議はありませんが、耐震工事で済ますのではとのうわ
   さもあります。いずれにしろ、深夜しか工事ができない場所なので、
   再オープンは数年後になるでしょう。そして、新らしくなればテナ
   ント料も上がるでしょうから、おそらくジュンク堂が千坪超で戻る
   のは難しいのではないでしょうか。
   ここが閉店になると、河原町通の御池〜四条間の新刊書店はほぼ絶
   滅で、残るは河原町四条角の「ブックファースト」のみとなります。
   古書店数店は変わらずに健在ですが、以前は20店近くあった新刊書
   店が消えてしまった町では、気の毒なくらい場違いな雰囲気です。
        
        
[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など

   ちかごろ出版関係の倒産等をほとんど聞きませんが、出版業界の景
   気が回復している兆しはまったくないのでやや意外です。考えられ
   る理由としては、危なかったところはすでに倒れたか、あるいはリ
   ストラ等の努力によってなんとか持ちこたえているのか、というあ
   たりですが、「中小企業金融円滑化法」の影響も少しはあるのでは
   ないでしょうか。これは、中小企業を銀行の貸し剥がしや貸し渋り
   から保護するための臨時の時限立法ですが、すでに2度延長されて
   いて、来年3月末に期限切れになれば再延長はしないようです。
   現在、約四十万社が利用していて、期限切れになれば倒産が激増す
   るのではと懸念されているようですが、この約四十万社の中には、
   出版関係も少くないでしょうから、ぼちぼち年末あたりからに、何
   らかの動きがあるかもしれません。
  
---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎-----------------------------------------
   
  ☆「貸本屋、古本屋、高野書店 (出版人に聞く)
      高野肇(聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社

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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜113号)」はHPにて公開中です。
     
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