竹集成材によるテーブル1 -町家に椅子座の生活を取り入れた場合-

伝統的な建物にも用いられてきた竹は、町家とは素材本来の相性が良いこともありますが、集成材として加工することでフラットで硬質な質感が生まれ、冷たくなりすぎることなく、空間を引き締める効果があります。さらに脚を異素材の金属とすることで水平ラインを強調し、庭とのつながりを損なうことなくバランスを保っています。
繊細なカーブを描く脚は鍛鉄職人の手によるもので、溶接によるひずみも高い精度で修正され、異なる部材同士の接合を実現しています。

 

① 硬質な竹集成材の特性を活かし、天板端部をテーパー状に削ることで、庭への視線の流れを妨げることなく、障子の繊細なラインとも美しくバランスを保っている。
天板と脚はボルト類による接合はおこなわず、両端に設置した脚の上に、裏面に掘り込んだ溝にはめ込むように天板を載せるという、分かりやすい仕組みとなっている。頻繁にテーブルを移動する必要がなければ、何の問題もなく利用できる。
② テーブルの高さは、日本人の生活にあわせて西洋のものよりも3~4cm程度低いサイズとなっている。椅子座の生活でも、靴を脱いで使用する場合は、家具の重心を低く抑えるほうが落ち着いた居心地が得られる。 存在感の強いジョージナカシマの椅子「コノイドチェア」とも相性が良い。
③ 3層に方向を変えて積層された天板の裏面は、補強材を入れていないためすっきりしており、座った時の膝上の窮屈さもない。補強材があるほうが強度的には有利であるが、その分見た目も含めて重くなるというマイナス面も生じる。過剰な負荷をかけず、繊細なテーブルに見合った使い方ができれば、軽量かつシンプルな生活が可能となる。

サイズ W2,000×D750×H690
素 材 天板:竹集成材
(縦積層交差10mm×3層)
つや消しウレタンクリア塗装
制作:㈱アウラ
脚 : 鍛鉄 無塗装に近い仕上げ
制作:Factory-Roots

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