成年後見制度−−夫婦・家族も「個」の時代(1)この制度を考える
任意後見は高齢者がまだ普通の判断が可能な段階で、万一呆けたときに法律行為を行ってほしいと委任する契約です。任意後見契約はその内容については公正証書で作成することになっています。この契約にも二通りあり即効型契約と移行型契約です。即効型契約では任意後見契約を結ぶのと同時に任意後見監督人の選任を家庭裁判所に申し立てて 任意後見業務の監督をしてもらうのですが、移行型契約ではまだ完全な意志能力がある普通の状態でも受任者に財産管理などの事務を委任するのです。この段階では任意後見受任者は財産の管理をゆだねられるのですが任意後見監督人はなく、受任者に対する監督がありませんので、最近のトラブルもこの移行型で起こっているのです。(注)最近司法書士後見人の法外な費用徴収が報告されました。本人の能力が衰えたとき本人、配偶者、四親等内の親族または任意後見受任者が家庭裁判所に申し出て任意後見監督人の選任を申し出たとき任意後見契約は発効するのです。本人以外のものが申し立てた場合でも本人の同意が必要な点と任意後見監督人の選任が法定後見との大きな違いです。
申し立て時に必要な書類は『1.申立書1通 2.申立人戸籍謄本1通 3.本人の戸籍謄本、戸籍附票、成年後見登記事項証明書、診断書 各1通 4.成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、成年後見登記事項証明書 各1通 5.本人の財産が明らかになる書面のコピー(預貯金等の通帳、不動産登記事項証明書など)6.その他係りが指示するもの』となっています。 成年後見登記事項証明書(発行手数料として500円登記印紙が要ります)は東京法務局に請求します。 印紙の内登記印紙は法務局関係以外では、中央郵便局や家裁の近くの郵便局などでないと売っていません。
(2)私の体験記その1.成年後見人になるまでの記録 ◆9月23日 京都家庭裁判所用 コード表を見て、家裁からファックスで必要な書類用紙を取り出す。A4用封筒5枚を準備し、1.申立書 2.本人関係 3.後見人候補者関係 4.本人財産目録 5.その他とした。必要な書類を封筒に分類して入れることとした。これらの封筒をB4用封筒に入れて家庭裁判所に提出することにする。 ◆9月24日書類用紙に目を通し、申し立て用紙に見本を参考にして下書き開始 ◆9月25日家庭裁判所に提出する医師診断書を作ってもらうための資料作成。現在の主治医に用紙と共に渡す。初期の医師から病院も主治医も変わっているので、初期段階の診断の推移を資料として記した。
東京法務局に請求する成年後見登記事項証明書(発行手数料として500円登記印紙が要ります)の検討。 武子預金通帳の写しを作成した。
区役所に請求する戸籍謄本などの部数検討。
登記印紙:
収入印紙:
郵便切手: ◆9月26日(金)区役所:戸籍謄本4(法務局・申立人・本人・成人後見候補者用。実は申立人と成人後見候補者が同一人であれば2通は入らず1通で良い)、本人戸籍附票1,成年後見人候補住民票、同身分証明書の交付申請・受取 東京法務局宛「登記されていないことの証明申請書」に500円登記印紙を貼付のうえ返信用封筒同封して発送。本人分及び成人後見人候補者分
◆9月28日(日)提出に必要な書類の整理 ◆10月1日(水)午前来診された神経内科医平松先生に診断書を依頼。午後、診療所から完成の連絡があり受け取る。手数料2000円(税別)。 ◆10月2日(木)東京法務局から「登記されていないことの証明書」届く。土・日が間にあっても1週間で届いたことになる。 ◆10月3日(金)申立書下書き再読。点検。 ◆10月5日(日)申立書清書。(パソコンで清書、プリントアウトしたが文面がそのままハードデスクに保存できるので好都合だった) ◆10月8日(水)申立書家裁に提出。(家事都合上今日になった。郵送もできるが、話し合えるので自分で持参した)着手以来約半月を費やした。申立の説明書の通り印紙・切手類は揃えて行ったのに、家裁ではさらに10円切手5枚を請求された。これは申立の説明書きに欠陥があると思われたので行政監察局に修正をするよう申し入れておいた。 提出が終わってから、これに記入して送って下さいと言われたのが「照会書」。今日は帰ってからこれへの記入に追われた。本人のことなのだが,大きく分けると4分野のことを記すのです。
1.は本人の経歴、結婚してから何時子供を産んだかや病歴、職歴など記入する必要がある。障害者手帳の写し、介護保険の介護度等級認定書の写しも必要で、さらに本人の両親、兄弟姉妹、子供などの氏名、住所、電話等も記します。 財産だけでなく収入・支出他すべてについて裏付ける資料のコピーを付ける必要がある。コピーの作成で疲れた。裁判所では財産と日常の収支のバランスに注目しているのだろうと思う。 ◆これから最低約2ヶ月は家裁の調査が展開され、その上での審判です。決定までの期間は4ヶ月以内ということが多いようですが、6ヶ月以上というケースもあるようです。 審判の手順としては
(1)事務官が書類をチェックする
(2)裁判官が家庭裁判所調査官に事実の調査を命じるか、直接、当事者に事情を聴く
審問を行う。
(3)家事審判規則24条は「精神の状況について医師その他適当な者に鑑定をさせ
なければならない」としているので、原則的には鑑定が行われます。東京家裁の
例では鑑定費用は凡そ10〜15万円です。申立人に請求されます。
(4)裁判官は、提出書類、調査結果、審問の結果などに基づき審判書を作成する。
(5)審判の内容に不服がある場合には、高等裁判所による再審理を求めること
(即時抗告)ができる。
当分は結果待ちということになります。 ◆10月12日(日)、11月に予定されているわたしの入院先と期間、またその間の家内のショートステイ先と期間を家庭裁判所に手紙で申告(申告について指示があるわけではない。入院中に連絡の電話がはいっていたが、調査官がこの手紙を思い出して下さって不都合を生じなかった。私の着想は正解でした)。 ◆10月23日(木) 12日に11月の予定を申告したためか、調査官から入院期間を避けて11月4日に約1時間半面談したいから裁判所の調査官室に『この書類を持参の上出頭するよう』連絡が来た。家内に対する面接も後日この調査官がされる予定と書かれていた。11月4日訪問する旨葉書で返信した。
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------------------------------------------------------◆11月04日(火) 10時に家庭裁判所家事調査官にお会いした。一つは申立人である私から家内の状況(経歴・病状・兄妹・収支状況)を確認の意味で訊くこと、もう一つは成年後見人候補としての私がどういう人物であるかの調査(学歴・経歴・家族・財産・生活特に経済的基盤・収支のバランス・貸借・健康状態・居住状態など)に目的があったようです。また法定後見についての見解も求められました。 既に、先方から要求されなかった本人の今日までの詳細な病状記録、簡易保険事務センター所長からの公文書の写しなども申立と同時に提出し、今日も、私のホームページインデックスページのプリント、昨日撮った病床の家内のデジカメ写真をプリントしたものを持参し、すべてありのままに伝えたこともあってか、本来鑑定医の鑑定がいるけれどもお宅の場合は鑑定医が出向いても新しいことが出てくると思われないので鑑定医の派遣は省略しようと思うとも言っておられました。家内は現在神経内科の先生の1ヶ月ごとの診察と毎週の内科医の診察を受けているのですが、裁判所に申立には神経内科の先生に診断書作成を依頼しました。今日の鑑定医省略の意向には内科医ではなくてこの神経内科医の診断書提出が大きく働いたように思いました。 ただ手続き上子供さんには確認する必要があるが、文書で照会するのは略して電話で確認するということでした。 26日の本人面接が終わればお宅の場合は、出来るだけ早く調査書を作成するとも言っておられました。本日、面談の所要時間は正味1時間。 雑談で日本成年後見法学会のスタートを話題にしたとき、既に介護施設と本人との契約にあたり、本人に契約能力がない場合、成年後見人との契約を行っている施設も増えてきているとのことでした。 ◆11月05日・06日(水) 昨日の家事調査官宛3人の子供に電話連絡される適切な方法・時間について家庭裁判所宛葉書で連絡しておいた。長女・長男の勤務先番号、次男の勤務先電話番号並びに携帯電話番号。 ◆11月13日(木)・13日(金) 私の入院中に家裁の調査官から、裁判所に連絡するようにとの連絡が入っていた。その後調査官も私が予め連絡しておいた入院に伴う不在に気づかれたようで、留守電に連絡があった。「26日に予定していた本人との面接もお宅の場合は診断書やコピーでよく分かったので、その必要が無いと判断しました。本日付で裁判官に報告書を作成し提出しておきます。後日あなた宛に決定書が届きます」とのことで一件落着と言う段階にどうやら達したようです。後は、審判の結果と法務局への登記完了を待つだけになりました。
◆11月20日(木) 本人(被法定後見人)及び私(法定後見人)宛に同文の家庭裁判所からの審判書の謄本2通が19日付で家事審判官から送られてきた。同時に先に納付した郵便切手の内、使われなかった分として2,250円分が返送されてきた。法務局への登記はこの時点では家庭裁判所が登記嘱託をしてくれるので、私はなにもしなくてよい。1ヶ月以内に本人の財産目録を作成し裁判所に提出せねばならず、これが必要な仕事になる。インターネットで調べると次の文章に出会った。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 告知後,二週間後に審判が確定します。 ▼ 嘱 託 家庭裁判所から法務局に審判の内容が通知(嘱託)されます。 ▼ 登 記 登記ファイル(コンピュータシステム;ディスクに)に審判の 内容のうち所定の事項が記録されます。 登記が完了すると,後見人等の限られた方からの請求により,その内容を証明する 「登記事項証明書」が発行されます(平成12年4月1日以降の審判の内容は, 従来のように戸籍に記載されることはありません)。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こういうわけで、審判書の謄本が届いた日から更に2週間が滞りなく経過しなければ、 この判決が「確定した」とはみなされないのです。 許可された日から2週間すると、家庭裁判所に『確定証明書』を申請できるので審判書の謄本と共にこの確定証明書も申請交付してもらって、始めて保険金を受け取ったり、銀行に成年後見人が付いていることを知らせるなどの手続きが出来ます。1枚あたり150円の手数料は収入印紙で納付します ◆11月26日(水) 本人の財産、収入・支出目録を家裁宛に送付。すべての項目にそれを裏付ける証票のコピーが必要で、その作成に神経と時間を費やした。
◆12月12日(金) インターネットで取り出した申請書を使って,東京法務局民事行政部後見登録課に「登記事項証明書」の送付を郵便で依頼。
(3)私の体験記その2.成年後見人は大変です。
◆2004年12月10日(金) 京都家庭裁判所から書記官名で後見事務照会書が届きました。1月25日までに主として財産関係の報告を提出する様にとのことです。不動産や株式・投資信託・その他報告を裏付ける証票を取りそろえなくてはなりません。預金は最新の通帳の内容・預金証書のコピーを付けなくてはなりません。報告した者には後日是正するべき点の指摘があり、次回までに対応措置をとって報告する必要があります。本人の保護が後見人の仕事だと改めて認識させられます。収入・支出の証票は3ヶ月程度のものを要求されます。私は証票は10〜12月の3ヶ月分にしますが、日常の出納簿とその1ヶ月ごとのまとめはこの一年分を提出する予定で整理を進めています。家裁には要求されている以上に資料を提出する方が申請者を信頼して頂けることを後見手続きの中で痛感したからです。日常家内名義の収入・支出は直ちにもらさず正確に記録し証票は保存することが大事です。この仕事がなかなか大変です。後見人になるための手続きも大変ですが、なってからの仕事もそれに劣らず大変です。 ◆2005年01月19日(水) 野村證券から12月30日付の家内の残高報告書がやっと届いたので、証票がすべて揃いました。付けた資料は19点にのぼります。書類はすべて来年に備えてコピーをとった上で、京都家庭裁判所へ郵送しました。肩の荷が降りた感じです。日頃出納を正確に記録し、領収書類を保存することが大切です。提出書類はすべてA4判の用紙に整理する必要があります。 ◆2005年02月4日(金)家庭裁判所から先に提出した報告に対する講評が届きました。要変更点は簡易保険保険金は利回りと安全性も考えて、野村證券の豪ドルMMFに入れていたのですが、これが投機性という点で問題だとされました。家裁はこれを銀行か郵便局にと考えているのでしょうが、ペイオフも実施される今日この頃必ずしも安全ともいえますまい。次の報告は2006年2月頃とあり、次回また指摘されるかとも思うのですが、私の経験から手堅く、配当の良い三洋化成とホギメディカルの株を家内の名義で購入し、証券保管振替機構に野村證券を介して寄託しました。 ◆2006年01月20日(金) 昨年よりもほぼ1ヶ月遅れで家庭裁判所から報告を求めてきました。これには改正すべき点も指摘してあり、@元金が保証されていない株式の購入はいけないA出納では家内の分を明確に分離せよ、の2点でした。早速株式は売却し中央三井信託の定期預金に分類される「スパート」を購入しました。家内の分の出納の分離は在宅介護では例えば光熱費の分離勘定などは実際上不可能なので、しばらく考えたいと思っています。毎年報告を求められるのかと思っていましたら、次回は「平成20年」と記してありました。 |