いま考えていること 133(2003年05月;9月;10月;2004年1月)
|
この危険な同盟により、世界は非常に物騒な場所となった。つまり、米英から拡散するテロ(被害)に関する偏執狂的行動が国際政治の支配的なテーマになったのだ。(米英の)思考形式の異常さは、テロ行為を生む原因の分析を許さず、テロ事件に反応するだけだ。 我々はこの忌まわしい同盟に抵抗し、挑戦するため、健全な考えと、両国の正しい思考力を持つ人々を必要としている。 |
基本的にはこの主張に同感です。来るべきアメリカ大統領選挙に期待を持ちます。
(2004年1月13日追記)オニール前米財務長官がイラク戦争に絡み、「ブッシュ政権は同時多発テロ発生以前の01年春、政権発足直後から、フセイン(イラク元大統領)を取り除く必要があるという信念があった」と米CBSテレビに語りました。これは同時多発テロの前からイラク戦争を始める意図があったと示唆したものです。日本時間12日午前自らが出席した会議のメモや資料も示して、ブッシュ政権がポストフセイン後の統治計画や石油権益についても当時調査を始めていたことを暴露、批判しました。 オニール前長官は機密書類を 持ち出した疑いが かけられていることについて、「財務省の法務責任者の許可を得て 入手していて、 機密指定のものがあるとは 思わなかった」と 発言しています。
。 ウォールストリート・ジャーナル紙の元記者が近く出版するブッシュ政権の内幕を描いた本「忠誠の代償」にもオニール氏は協力していて膨大な在任中の資料を提供したといわれ、「国家安全保障会議で、なぜイラクを侵略すべきなのか、だれも疑問を呈さないのに驚いた」「大統領は、イラク戦争を実行する方法を探し出せ、と言っていた」などと証言しているといいます。
(2004年1月14日追記)「忠誠の代償」が発売されました。その内容は恐るべきことが暴露されています。毎日新聞14日夕刊中島・竹川両記者の記事によると、政権発足10日後に開かれた最初の国家安全保障会議(NSC)(01年1月30日)の主題は中東政策で、イスラエル・パレスチナ問題でブッシュ大統領は政策をイスラエルよりに戻すと宣言。引き続き話題はイラクに移り、大統領は▼01年の湾岸戦争当時の軍事連合の再構築▼イラク南部・北部への米軍投入▼イラク反体制派への軍事支援▼新たな対イラク経済制裁▼情報収集力の改善を担当長官に指示し、2日後のNSCでは「フセイン政権後のイラク危機のための政治・軍事計画」などの文書が討議資料とされました。経済政策ではチェイニー副大統領やカール・ロープ大統領上級顧問が01年大統領選挙での支持者への“借り”を返す必要を説いて譲らず、中間選挙後の追加減税案にたいするオニール氏の懸念を押し切ったといいます。この反減税姿勢がオニール財務長官を更迭に導いたのです。
(2004年1月24日追記)asahi.comによると「米調査団団長としてイラクで大量破壊兵器(WMD)の捜索に当たってきたデビッド・ケイ氏は23日に辞任し、ロイター通信に対し、「イラク戦争が始まった段階で、イラクに生物・化学兵器の備蓄があったとは思えない」と語った。イラクの核兵器開発は初期段階とみられており、ケイ氏の発言は、開戦時にイラクが核、生物、化学の3分野にわたるWMDのいずれをも保有していなかったことを強く示唆するものだ。 調査団のトップがWMDの存在を否定したことで、ブッシュ政権が戦争開始の最大の理由に掲げたWMD問題の信頼性をめぐる議論が大統領選の争点として再燃することは必至とみられる。」
いま考えていること 135(2003年06月)
|
いま考えていること 136(2003年06月)
|
連載漫画「まんまる団地」(オダ シゲ)もセンスのよいものです。昨日のは雷にあわてて帰ろうとする子供が傘を貸してあげようと言う人に自分のおなかも便意のためかゴロゴロいっているので“それどころじゃないんです”と走りすぎる情景が描かれていました。
いま考えていること 137(2003年06月;7月;9月;11月;2004年01月)
|
1.事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態という認識を誰がどうしてするのだろう? 日本の情報収集能力から見るとおそらくアメリカからの情報がベースになるだろう。それで大丈夫なのだろうか。イラク開戦時と同じような曖昧な情報に基づいて行動を開始しても大丈夫なのだろうか?
2.アメリカは危険に対しては先制攻撃を公言しています。敵国の武力攻撃を排除するためといってアメリカが先制攻撃を開始し、それが円滑かつ効果的であるためにわが国が行動すると我が国自体も誤った攻撃を自動的に開始する結果を招くのではないのか(自動参戦機構)? 攻撃開始と同時に国民は本土戦に巻き込まれ、先の沖縄での戦争のような悲惨な結果を受けなくてはならなくなります。俎上にのぼってきたイラクへの自衛隊派遣についても非戦闘地域に活動を限定すると言いますが、非戦闘地帯認定はアメリカから提供される情報に大きく依存するでしょう。こういうわけでイラク開戦で提供された米英両国の情報に実際にインチキがあると、今後も米側から提供される情報は信頼できず、イラク派遣自衛隊員を始め将来武力攻撃を前にした日本国民全体の運命を直接左右しかねない危惧があります。米英両国で盛り上がってきた大量破壊兵器情報への批判的取り組みの帰趨は決して私たちと無関係なものではありません。注目したいですね。(注もご覧ください)
いま考えていること 138(2003年06月)
|
現在デフレの克服がいわれますが、デフレによる資産の減少は考えてみればかっての土地バブル、株バブルの後遺症が残っていてその修復にデフレが大きくのしかかっているからでは無いでしょうか。皆さんもあの当時はそれなりにバブルに浮かれ甘い汁も吸った経験はありませんか? だとすれば私も含めて現在はそのお返しを受けているだけです。バブルに踊らなかった人にとって、今のデフレはそんなにダメージのあるものでしょうか。人間というのは勝手なものだと思います。6月支給分から年金も減額されましたが、物価がどんどん上がっていったインフレ時代に比べればまだしも生活の脅威ではありません。「いま考えていること 3(1998年3月:10月)― インフレは死んだ―」で取り上げたR.ブートル著 高橋乗宣監訳の「デフレの恐怖」は現在も入手可能ですが、この本には歴史を見るとインフレの時代の方が希だったと書いてあったと記憶します。利息についても2〜4%が適正だと述べてありましたが、現在の日本ではインフレターゲットはおろかこの程度の利息になっても国債の価格の暴落が起こりますから、政府はよいとしても国債を多量に保有する金融機関は軒並みに再び危機に陥ります。これからしばらくは緩いインフレの時代が世界的に続くことを覚悟しなければなりません。それはともかく、郵便局の定額貯金の5年間利回りが年0.06%という現在ですが、私の持つわずかの株式でも時価に対して現在の配当でも年0.92%あります。工夫次第ではある程度カバーも出来るのです。戦後の恐ろしいインフレの思い出を持つ私にはインフレよりもデフレを歓迎します。