いま考えていること 181(2004年07月;8月)
――米大統領選挙世論調査(7月26日現在;8月1日の結果も付記)――

先日この欄で7月21日現在のワシントンポスト紙単独で行った世論調査結果を紹介しましたが、ワシントンポスト−ABC共同世論調査結果が出ましたので全面的に差し替えることにしました。これまでの報告との整合性を執るためです。これまでいま考えていること 167(2004年03月)でワシントンポスト−ABCが共同して3月4日から7日にかけて行った1202人を対象とする世論調査の結果、いま考えていること 174(2004年05月)で5月20日から23日にかけて1005人を対象として行った世論調査結果を、また、いま考えていること 177(2004年06月)で6月17日から20日にかけて1201人について同様に行った結果を紹介しています。

調査大項目は39、さらに小項目に分かれているものもありますが、紹介するのは6月と7月の結果を比較できるものを中心にします。

今月は民主党副大統領候補に先に大統領候補を争ったエドワーズ上院議員が6日指名されケリー・エドワーズコンビの遊説も始まりましたから人気に変化も出ているかも知れません。Japan Mail Mediaに出ていた冷泉彰彦氏の報告によると発表のあった6日、CNN・USAトゥデイ・ギャラップの連合調査では、回答者の64%が「エドワーズという選択」を「素晴らしい」か「良い」としているといいます。

民主党大会後の7月30日から8月1日にかけて1,200人を対象に電話による世論調査の結果が発表されているのを5月20日気付いたので、その世論調査結果に該当項目があるものについて付記しました。

民主党大会後は、ケリー支持が強まっている印象ですが、アメリカの人々も基本的には保守的で急激な変化は望まないようで、今後の推移が注目されます。

ブッシュの大統領としての仕事ぶりは如何ですか
               6月    7月         8月
    是認(%)           47          50      47 
    承認できない(%)        52     47           49
        意見なし(%)       1           3            5
  
◆ブッシュの「経済問題」のやり方(手口)は如何ですか
               6月    7月
    是認(%)           46          47
    承認できない(%)        53     50
        意見なし(%)       1           3

◆ブッシュの「イラク問題」のやり方(手口)は如何ですか
               6月    7月
    是認(%)           44          45
    承認できない(%)        55     53
        意見なし(%)       2           2

◆ブッシュの「テロ撲滅キャンペーン」のやり方(手口)は如何ですか
               6月    7月
    是認(%)           50          57
    承認できない(%)        48     40
        意見なし(%)       2           4
    
◆今年の大統領選に対する関心
               5月    7月         8月 
    大いに(%)          33          34      41  
    多少(%)                45     39           39
        あまりなし(%)     15          15           13
    全くない(%)            7          12            7
        意見なし(%)       *          *            *
◆仮に今日大統領選が実施されたらどちらを選びますか
               5月    6月     7月     8月
    ブッシュ(%)          45          44      48            44
     ケリー(%)              44        48        46            50
        ネダー(%)         6           6       3             2
    棄権(%)                 2           0       0             -
    意見なし(%)             1           1       1             2

◆投票にあたって重視する問題は(多い方から少し挙げます)
                  5月  6月     7月
    経済と雇用(%)         32       26       27
    テロ反対キャンペーン      14     19       20
        イラク戦争              18       19       21
        教育             8        9        7
        健康                      12 
        
             以下略 

◆次の9つの主要問題の処理手腕の7月と8月時点での評価を比較しておきます。
ブッシュがケリーを上回った項目はイラク問題だけでした。
               ブッシュ    ケリー                     7月 8月   7月  8月 1.経済            47 41 48 52 2.イラク情勢 52 46 40 48 3.教育 44 39 45 52 4.テロへのキャンペーン 55 48 37 45 5.健康対策 44 36 47 55 8.税金 49 43 43 49 ◆イラク戦に払ったコスト(戦死者の数も含め)と戦争で得た利益をどう評価しますか                     3月    5月   6月   7月     戦っただけのことはあった(%)   52 48    29    49     利益はない(%) 44     50 71    48 意見なし(%)       3 1 1     3 イラク戦は長い目で見てアメリカの安全に貢献しますか                3月    5月 6月 7月     はい(%)      57 54 51      51     いいえ(%) 40     43 46     45  意見なし(%)      3 3 2 3 2001年ブッシュが大統領になってから、アメリカ人の財政状況はよくなりましたか            6月     7月  8月     はい(%)    17     15      18     いいえ(%) 45   41 47     同じ(%) 37  43  34 ◆アメリカの経済状況はどうですか                   6月     7月      非常によい(%)        4     4     よい(%) 41  42     そんなによくない(%) 38  39      悪い(%) 17 14 7月に新たに行われた項目 ◆アメリカの現状に満足していますか     はい(%)          46     いいえ(%)    53     意見なし(%) 1  ◆ブッシュがアメリカの人々に語ったことは真実だったと思いますか     はい(%)          55     いいえ(%)    42     意見なし(%) 3 ブッシュへの信頼はゆらんではいないようです。現職の強み、アメリカ人の 保守的傾向の表れかも知れません。 来るべき12ヶ月を考えてどう思うかと言う設問が6月,7月にはある。

この国の状態はうまく行く                 6月   7月     はい(%)          62    67     いいえ(%)    36  30 意見なし(%)      2 3 7月にはリベラル度を聞く設問がある。  ◆あなたから見てどう思いますか                            リベラルすぎる  保守的すぎる ほどよい  意見なし   ケリー(%)  40  8 46 6 ブッシュ(%)      12 38 48 3 ◆さらにブッシュ・ケリーらに対する好感度を求めています。              好感を持つ   好感を持たない  意見なし 7月  8月   7月   8月  7月  8月    [ケリー]     48 51   39 32 12 16 [ブッシュ] 54 47   43 45 3 8 [チェニー] 43 -   41 - 17 - [エドワーズ] 50 49   24 18 26 33 [テレサ ケリー] - 34 - 24 - 42 ◆エドワーズを副大統領候補に選んだのでケリーへの投票意欲が高くなった        おおいに(%)     24        少々(%)     9     かわらばい(%)      66 ◆チェニーを副大統領候補に選んだのでブッシュへの投票意欲が高くなった        おおいに(%)     13        少々(%)    7    かわらばい(%)      77 ◆ブッシュ・ケリー両候補の素質についての結果                     −−ブッシュ−− −−ケリー−−                     7月   8月   7月   8月                    yes no yes no yes no yes no 正直で信用できると思いますか 46 * 41 * 40 * 47 * 人々の問題点をよく理解していますか 42 * 37 * 46 * 51 * 強い指導者ですか 55 * 50 * 36 * 44 * 自分の職務に忠実ですか 64 * 60 * 24 * 31 * 国をさらに安全にしてくれますか   54 * 48 * 38 * 45 * あなたと価値観を共にしていますか 49 * 44 * 43 * 50 * *は調査されなかった。 ◆アメリカ軍最高司令官としてはどちらが適していますか(8月新規の項目)    ブッシュ     44% ケリー      52%     どちらでも良い   1% どちらもだめ    1% 意見なし      2%  

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いま考えていること 182(2004年09月)
――米大統領選挙世論調査(8月30日現在)――

これまでいま考えていること 167(2004年03月)でワシントンポスト−ABCが共同して3月4日から7日にかけて行った1202人を対象とする世論調査の結果を、いま考えていること 174(2004年05月)で5月20日から23日にかけて1005人を対象として行った世論調査結果を、また、いま考えていること 177(2004年06月)で6月17日から20日にかけて1201人について同様に行った結果を、また、いま考えていること 181(2004年07月;08月)で7月30日から8月1日にかけて1,200人を対象に電話による世論調査の結果を紹介しています。

調査大項目は39、さらに小項目に分かれているものもありますが、紹介するのは民主党大会の終わった8月当初と共和党大会の開かれた8月末の結果を比較できるものを中心にします。8月末の調査も電話によるもので1207名を対象にしました。

民主党大会後は、ケリー支持が強まっていた印象ですが、アメリカの人々も基本的には保守的で急激な変化は望まないようで、8月末は共和党への支持が強まった印象です。今後の推移が注目されます。

ブッシュの大統領としての仕事ぶりは如何ですか
               6月    7月         8/1    8/29
    是認(%)           47          50      47       50 
    承認できない(%)        52     47           49       47
        意見なし(%)       1           3            5        3
  
◆ブッシュの「経済問題」のやり方(手口)は如何ですか
               6月    7月    8/1   8/29
    是認(%)           46          47     −      45
    承認できない(%)        53     50     −            52
        意見なし(%)       1           3     −             3

◆ブッシュの「イラク問題」のやり方(手口)は如何ですか
               6月    7月        8/1      8/29
    是認(%)           44          45          −            47
    承認できない(%)        55     53          −            51
        意見なし(%)       2           2          −             2

◆ブッシュの「テロ撲滅キャンペーン」のやり方(手口)は如何ですか
               6月    7月        8/1      8/29
    是認(%)           50          57           −           60
    承認できない(%)        48     40           −           37
        意見なし(%)       2           4           −            3
    
◆今年の大統領選に対する関心
               5月    7月        8/1      8/29
    大いに(%)          33          34      41         43
    多少(%)                45     39           39           38 
        あまりなし(%)     15          15           13           13
    全くない(%)            7          12            7            7
        意見なし(%)       *          *            *            *
◆仮に今日大統領選が実施されたらどちらを選びますか
               5月 6月 7月 8/1     8/29
   ブッシュ(%)     45    44  48     44          48
    ケリー(%)        44   48  46     50          47
        ネダー(%)         6     6   3      2           2  
    棄権(%)                2     0   0      1           -
    意見なし(%)            1     1   1      2           2

◆投票にあたって重視する問題は(多い方から少し挙げます)
               5月  6月     7月    8/1  8/29
    経済と雇用(%)      32       26       27      25      31
    テロ反対キャンペーン   14     19       20      20      19    
        イラク戦争        18       19       21      23      19
        教育          8        9        7       7       6
        健康問題                 12     11      12
        
             以下略 

◆次の9つの主要問題の処理手腕の7月と8月時点での評価を比較しておきます。
ブッシュがケリーを上回った項目はイラク問題だけでした。
               ブッシュ          ケリー                     7月 8/1  8/29   7月  8/1  8/29 1.経済            47 41 48    46 52   47 2.イラク情勢 52 46 52    40 48   44 3.教育 44 39 47    45 52   47 4.テロへのキャンペーン 55 48 56    37 45   38 5.健康対策 44 36 43    47 55   50 8.税金 49 43 48    43 49   46          ◆イラク戦に払ったコスト(戦死者の数も含め)と戦争で得た利益をどう評価しますか                  3月 5月 6月 7月 8/29  戦っただけのことはあった(%)   52 48  47  49 48  利益はない(%) 44  50 52  48 50 意見なし(%)       3 1 2 3 2 イラク戦は長い目で見てアメリカの安全に貢献しますか            3月  5月 6月 7月 8/29     はい(%)    57 54 51   51 54     いいえ(%) 40   43 46   45  42 意見なし(%)  3 3 2 3 4 2001年ブッシュが大統領になってから、アメリカ人の財政状況はよくなりましたか            6月     7月  8/1 5/29     はい(%)    17     15      18 14     いいえ(%) 45   41 47 46     同じ(%) 37  43  34 39 ◆アメリカの経済状況はどうですか                   6月     7月  8/29     非常によい(%)        4     4       3     よい(%) 41  42 41     そんなによくない(%) 38  39  37     悪い(%) 17 14 18 ◆アメリカの現状に満足していますか 7月    8/29     はい(%)          46      44     いいえ(%)    53 54     意見なし(%) 1  1 ◆イラク戦争についてブッシュがアメリカの人々に語ったことは真実だったと 思いますか                   7月     8/29      はい(%)          55       57      いいえ(%)    42 40     意見なし(%) 3 3 ブッシュへの信頼はゆらんではいないようです。現職の強み、アメリカ人の 保守的傾向の表れかも知れません。

9月11日以前と比べてアメリカはより安全になったと考えますか                 1/18   8/29     大いに安全になった(%)      28     24     多少安全になった(%)   39  36 安全でなくなった(%)      24 31 興味のある結果ですね。

ブッシュはあなたが予期したとおりの大統領でしたか                    8/29     予期したよりも良かった(%)      27     予期したよりも悪かった(%)   25 ほぼ予期通り(%)         47 意見なし(%) 1 ◆結論としてブッシュは国民の結束を固めましたか それとも分裂させましたか                 8/29     結束させた(%)      47     分裂させた(%)   48 意見なし(%) 5 ブッシュ・ケリー両候補の素質についての結果                     −−ブッシュ−− −−ケリー−−                     7月  8/29   7月  8/29                    yes no yes no yes no yes no 正直で信用できると思いますか 46 * 47 * 40 * 41 * 人々の問題点をよく理解していますか 42 * 42 * 46 * 48 * 強い指導者ですか 55 * 54 * 36 * 39 * 自分の職務に忠実ですか 64 * 60 * 24 * 31 * 違った意見に耳を傾けますか * * 41 * * * 50 * 国をさらに安全にしてくれますか   54 * 53 * 38 * 40 * 将来への見通しを持っていますか * * 45 * * * 48 * あなたと価値観を共にしていますか 49 * 47 * 43 * 46 * *は調査されなかった。 ◆アメリカ軍最高司令官としてはどちらが適していますか(8月新規の項目) 8/1 8/29    ブッシュ     44% 53 ケリー      52%  43    どちらでも良い   1% * どちらもだめ    1% 2 意見なし      2%   1 ◆世界の現状から見て今、大統領が交替するることの危険性(8/29新規の項目)     極めて危険           36     危険度に特に変わりはない    61     全く危険はない          2  意見なし             1 

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いま考えていること 183(2004年09月)
――郵政への感想――

郵政を郵便・保険・貯金・窓口ネットワークの4分野に切り離しそれぞれ独立した企業に解体する議論も大詰めを迎えています。自民党内ではこの問題について激しい意見の対立が続いています。

政治に素人の私の立場でいいますと、昭和初期の金融恐慌を経験した父は、子どもの時から私に「貯金するなら郵便局。郵便局なら倒産はない。」と言っていたものです。確かに今日まで郵便局は預けた金は間違いなく戻ってきた堅い金融機関でした。もう一つ思い出すのは中学時代半田市の中島飛行機に勤労動員で出向き「彩雲」という当時最新鋭の偵察機の部品を造っていました。給料は月額30円(徴用工のおじさんたちで80円)でしたが、すべて郵便貯金として保管され、卒業時に通帳を交付されました。間もなく終戦になり、恐ろしいインフレの前にほとんど無価値になりました。冷静に考えて、郵便局は庶民のためにあったのではなく、国が零細な国民からさえ戦争の資金を調達するための収集機関だったと思っています。庶民の金融機関というのではありませんでした。郵便も「一銭五厘」の郵送料で確実に庶民に戦地への召集令状を配達してくる機関でした。(召集令状も“一銭五厘”の蔑称があったものです)
その後今日まで年金と並んで国の財政投融資資金の調達機関として機能し、いわば税金に継ぐ第二の資金を国のために集めてきたと思います。財政投融資によって道路をはじめ公共事業が進められ、その過程で族議員をはじめ官僚の巨大な利権が動きました。結果は膨大な不良資産化が進み、その内容はまだまだ不透明ですが、莫大な焦げ付きがあることは確実です。それでも父が言っていたように国が預金者に元利保証しているので、究極的には税金で補填されることになるでしょう。よく考えれば預金保護も結局は自らが負担しなければならない税によるものです。

戦中から戦後今日に至るまで、資本主義下の日本の実態は国家社会主義でしたが、ビッグバン開始以来今日まで、日本の国際化と共に、また国家財政の破綻に伴って、この国家社会主義は維持できなくなって来たのです。この見方からすると郵政民営化は最終段階での大きな必然的な解体作業だと思います。郵政の4つの枝はそれぞれ完全に民営化され、それぞれの責任で運営されて当然だと思います。預金の4分の1を占める貯金部門が制度的に他の金融機関よりも優遇される存在であることは国際的な金融取引の上からも認められることではないでしょう。4つの枝それぞれが責任ある業務を果たさなくては存在意義はなく自壊するでしょう。郵便事業も今日既に多くの民間企業が実質的に関わっていますが、信用を失うようなことがあれば淘汰の波にさらわれていくでしょう。需要者の側からは自分でサービスを選別し、選別を誤ればリスクも取ることを覚悟しなければならない時代に入っているのです。最早国にも地方にも財政的にこのリスクから庶民を保護する力はなく、万事についてほんとうに自分で考える市民が増えていく中で、新しい独創的なアイデアや活力が市民の中からもっと生まれるようになる時代なのでしょう。

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