Biography of Dionysios
 Acmeは前25年ころ。
 アウグストス帝の時代にローマに住んだギリシア人。彼はすぐれた判断力と豊かな知識を持った文芸批評家であると同時に、歴史家でもあった。
 母語であるギリシア語で多くの著作をものにし、文芸批評の分野では、「言葉の配置について」「古の弁論家たちについて」「デモステネスの弁論について」「ディナルコスについて」「トゥキュディデスについて」等々が伝存し、一時、アッティカ散文の復興期をローマにもたらした。特に「言葉の配置について」は、サッポーの詩「アプロディテに寄せる歌」、および、シモニデスの「ダナエ」をわれわれに伝えてくれた。
 ディオニュシオスはまた「ローマ前史」20巻をも著し(このうち10巻と断簡が伝存)、後のポリュビオスの労作に途をつけたばかりか、ローマ時代にすでに忘れかけていた遺制的伝統を知るうえで貴重な資料を遺した。
 この著作はまた、以来、飽くことなく人々の口の端にのぼることとなる名句「文は人なり(eikonas einei tes hekastou psyches tous logous.)」をとどめている(第1巻、第3章)。





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