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2.T. (1) 2.c. (T) 以下の内容が第2巻に含まれる。 (1)一般的な精査の区分。
2.1. (T) 一般的な精査の区分。(1) では、諸々の個別的な予言のために、あらかじめ図解的に披瀝された事柄よりも重要な内容の方は、我々によって概略的にこれほどまでに接近されたとしよう。今は、この種の予言の可能性の範囲内にある事柄のうち、個々の行事と整合する事柄を、常に説明の自然的な方法にこだわりつつ、 (2) 続いて結びつけよう。 さて、星学による予知は、最大にして主要な2つの部分に区分され、第一のより通有的な部分は、あらゆる種族、国家、都市に関わっていて一般的と称される部分であり、第二の、より特異な部分は、個人に関わるもので出生占星術と呼ばれるものであるから、我々はこの一般的区分の最初の方を取り扱うのが適切であると考える。というのも、当然のことながら、そのような事柄の方が個人的な出来事の場合よりも大きく (3) 且つ強力な原因に支配されているからである。そして個別は必ず一般の下に包摂されるものであるから〔Cf. i.3.〕、個人に関する探究を志す人々も、 (4) それに先立ってもっと全般的な考察を理解しておくことが是非とも必要である。 また、この一般的考察のうちでも、或るものは今度は全地において、或るものは諸都市において把握され、さらにまたより大きくて断続的な環境 例えば諸都市あるいは諸々の港湾あるいは諸々の疫病あるいは地震あるいは洪水やそういったものらの 、片や、より小さくてより季節的な〔環境〕 年毎の諸季節や、冬や暑熱や風の緩あるいは急、 (5) あるいは堪えやすさと堪えがたさとそういったことどもが〔把握される〕。しかし、これらのうち当然全土地における環境や、より広い地域における環境は、前述の〔環境〕と同じ原因に先行する。これらの事柄の考察のためには、特に次の2つ、つまり、獣帯の1/12の〔考察〕とさらに各クリマ [012] に対する星々の同宿と、親密な部分における時機によって生じる徴候が (6) あらかじめ採用されるが、それは片や、蝕にある太陽と月との同軛において、片や惑星の上昇と固定期間にある諸惑星の時間の支配星の通過pavrodoiにおいて、述べられた徴候の自然的ロゴスを、先に披瀝しよう。 2.2. (T) 全体的クリマに特有の住民たちについて。(1) さて、諸々の族民の特徴のうち、あらゆる緯度とあらゆる角度〔=東ないし西の位置に対する角度=経度〕における〔特徴〕の方は、獣帯の中央を通る軌道つまり太陽と、それら〔緯度・経度〕との関係によって (2) 区別されることになる。すなわち、我々の住まいする〔世界〕が、北の1/12の1つであるとき、一方、それより南の並行〔緯度〕のもとにある人々(わたしが言っているのは昼夜平分点〔赤道〕から夏至点〔南回帰線〕までに住んでいる人々のことだが)は、頭頂に太陽を受けて焼かれるので、身体は黒く、髪は縮れて蜜、体型は縮こまっており、性格的にたいてい粗暴なのは、この地方の炎熱の持続のせいである:(3) 彼らこそ、我々が普通にアイティオピア人と呼ぶ連中である。また、彼らがそういうふうであるのを我々は目にするのみならず、彼らを取り巻く大気の状態や、彼らのところにあるその他の生き物類も植物類も、 (4) ひどい炎症を発現させているのを〔我々は目にするのである〕。 他方、それより北の緯度にある人々(わたしが言っているのは大熊座のもとに頭頂をいただくトポスを有する人々のことだが)は、獣帯や太陽熱からはるか遠く離れている、そのため一方では冷やされ、他方では湿がひどく熱くなるのでより豊かに変わり、乾ききることのない熱のおかげで〔彼らは〕色白、頭髪は直毛、身体は巨躯で、自然本性的に冷静だが、この者たちも性格が野蛮なのは、(5) 住まいの寒さの持続のせいである:彼らを取り巻く大気の冬も、植物類の巨大さも、動物類の馴れにくさもこれらと整合的である。この者たちを我々は一般に (6) スキュタイ人と呼んでいる。 他方、夏至点と熊座との中間地帯の人々は、彼らの頭頂に太陽が来ることもなく、南中通過の際に遠く離れることもなく、大気の温和さに与るので、(7) 魂に対する炎熱の大きさをそれほどひどくは受けないからである。ここからして、〔彼らは〕肌の色は程々、自然本性的に穏やかで、住まいは連続していて、(8) 習慣は穏やかである。この者たちのうち、南に〔住んでいる〕者たちは一般により賢く、より器用で、神的な事柄の探求により足りた者たちであるのは、自分たちの頭頂にある獣帯と、自分のまわりの惑星とのトポスに近いせいで、彼ら自身もこれら〔宮や惑星〕に親密に、魂の動きを知的にして (9) 精査的、特に数学と呼ばれる〔学問〕の体系的研究をするものとするからである。さらに、一般的に東部の者たちは、より男性的で、魂において張りがあり、万事においてあけすけである、その所以は、東方をひとは当然、太陽の自然に〔与る(i ,6)と〕解し、その部分を昼間的、男性的、右利き的(獣帯においても、強さや張りに対してより重要性を有する右利き的部分なのを見る)(10) と解するからである。ところが西方の〔住民〕がより女性的で、魂においてより柔和にして、多くの点で寡黙であるのは、やはりこの部分が月の真っ先に沈む部分であり、南西から出現をつくるからである。この故にこそ、夜間的、女性的、上昇とは反対に、左利き的クリマと思われるのである。 2.3. (T) 諸々の地域の、三角宮との、また星々との、同宿性について。(1) 今や、これらすべての部分のそれぞれの<部分>において、諸々の族民、法習に固有の諸条件が自然に帰結するのである。例えば、取り巻くものの諸状況について、一般に熱帯とか寒帯とか温帯として把握される地帯においても部分においても、諸トポス、諸地方といったものらは、位置により、高さとか平坦さにより、あるいは隣接によって特殊化し、さらには例えば馬のようなものらは、その地方の平野により、船乗りたちは海の近さにより、日々は (2) その地方の好天により〔特殊化する〕ように、そのように、部分的な諸クリマと星々や諸々の1/12との自然的親密さから、それらにおける特徴的な自然を(しかしそれも一般的にであって、各々一つずつに内属する〔自然〕まで完璧にというふうにではなく)ひとは見出すだろう。そこで、個別的な考察に、有用であるかぎりにおいて、要点的に従事する必要がある。 (3) まさに4つの三角形が獣帯内に観照されるとき、上述〔i, 18〕のことから我々に示されるのは、白羊宮・獅子宮・人馬宮という〔三角宮〕は北西の宮であり、北風のせいでゼウスの〔星〕によって優先的に宿を支配されるが、(4) 南西風のせいでアレースの〔星〕によって同宿支配される:他方、金牛宮・処女宮・磨羯宮による〔三角宮〕は、南西宮であり、今度は南風のせいで優先的にアプロディーテーの〔星〕によって宿の支配をされるが、東風のせいでクロノスの〔星〕によっても同宿支配される:他方、双児宮・天秤宮・宝瓶宮による〔三角宮〕は、北西宮であり、北風のせいでクロノスによって優先的に宿の支配をされるが、(5) 北風のせいでゼウスによっても同宿支配される:他方、巨蟹宮・天蝎宮・双魚宮による〔三角宮〕は、南西宮にして、今度は西風のせいでアレースの〔星〕によって優先的に宿の支配をされるが、南風のせいでアプロディーテーによっても共同支配される、ということである。 (6) 事情かくの如くであるが、我々の住まいする〔世界〕は4つの1/4〔四分円〕に分割されているので、三角形と同じ数であり、ヘーラクレース海峡からイッソス湾と、東に隣接する山岳の尾根まで、(7) 私たちの海によって緯度方向に分割されている、そしてこれらによってその南と北の部分が分離され、経度ではアラビア湾、エーゲ海、ポントゥス、そしてマエオティス湖によって東と西の部分が分離され、4つの1/4〔四分円〕が生じ、これらは三角形の位置に一致する:1つは、人の住まいする〔世界〕全体の北西に横たわる、ケルト-ガラティア地方で、これこそ (8) 我々が共通にエウローペーと呼ぶ〔地方〕である:これの反対側の南東に位置するのが東アイティオピア〔=インド〕 [013] で、これこそ大アシアの南部と呼ばれる〔地方〕である:さらにまた、人の住まいする〔世界〕全体の北東部にあたるスキュティア地方は、これこそ大アシアの北部そのものとなる:この反対側、南西風に面する〔地方〕は、西アイティオピア地方で、 (9) これこそ共通してリビュエーと我々の呼ぶ地方である。 さらにまた、前述の1/4〔四分円〕のそれぞれについても、人の住まいする〔世界〕全体の中央寄りの星位にあるものらは、取り巻く1/4〔四分円〕そのものにおける反対の位置 (10)(人の住まいする〔世界〕全体に対して前者がとる位置)をとる:つまり、人の住まいする〔世界〕全体の北西風に面するエウローペーに横たわる〔地方〕のうち、その中央寄りの、その1/4〔四分円〕の南東風に面した反対側に位置を有する〔諸地方〕は、反対側の三角形とも (11) 親密である、というのは、その他の部分は一般的傾斜と合致しているが、中央寄りの〔部分〕は、その部分の反対の〔傾斜〕に〔合致し〕、〔しかも〕いっしょに随伴する〔星々〕で、親密さと、親密な三角宮における宿の支配を有する星々のうち、その他の〔星々〕については今度はそれらのみが親密であるが、その中間の〔星々〕に関しては前者も親密であるばかりか、ヘルメースはさらに中間にあり [014] 、それ〔水星〕は両党派に共通であるからである。 (12) まさしくこのような配列から、第1の1/4〔四分円〕のその他の部分(わたしが言うのはエウローペーの属する部分だが)は、人の住まいする〔世界〕全体の北東部は、白羊宮・獅子宮・人馬宮による北東の三角宮と親密であるが、当然ながら、三角宮の主星である西方のゼウスとアレースによって (13) 宿を支配される。すべての族民のうちこれらがとるのはブレッタニア、ガラティア〔ライン河とピレネー山との間=ゴール〕、ゲルマニア、バスタルニア、イタリア、ガッリア〔北部イタリア〕、アプゥリア、シケリア、テュッレーニア〔=トスカーナ〕、ケルティケー〔おそらく西スペイン〕、スパニアである。当然ながら、前述の諸族民に一般的に合致するのは、三角宮の支配と、服従する星々、自由を愛する星々、航海を愛する、このうえなく敵対的、嚮導的、清浄、広量な星々に親密な星々に合致する故である。(14) しかしながら、ゼウスの〔星〕とアレースの〔星〕という西の組み合わせ形体を共有する星のせいで、なおまた、前述の三角形の前方は男性的である〔i, 17〕が、後方は女性的である故に、女たちに対しては自分たちは嫉妬なきもの、性愛事を軽蔑する者となりおおせるが、男性との交合に対してはより意に適い、より本望であって、影響されている人たち自身にとって、なされていることを醜いと考えることもなく、病的な状態ではないからそれゆえ真に男らしくなく柔弱になっていると考えることもなく、魂においては男らしく、気前よく、(15) 信義に篤く、親族を愛し、親切であると〔考えている〕。また、これら当の地方のうち、ブレッタニア、ガラティア、ゲルマニア、バスタルニアは、白羊宮とアレースの〔星〕により親密である、ここから、おおむねこれら〔の地域〕の〔住〕人たちはより粗野、より我が儘、(16) 獣じみている:だが、イタリア、アプゥリア、シケリア、ガッリアは獅子宮と太陽に〔親密となる〕、これらはより嚮導的で親切で、共通的だからである:しかしテュッレーニア、ケルティケー、スパニアは人馬宮とゼウスの〔星〕に〔親密となる〕が、その所以は、それら〔の星〕にとって自由を愛し、単純で、清浄を愛する故である。(17) しかし、この1/4〔四分円〕の内にある諸部分──中央には人の住まいする〔世界〕の形をなすものら(トラケー、マケドニア、イッリュリア、ヘッラス、アカイア、クレーテー、さらにはまたキュクラデス群塔、小アシアのパラリア、キュプロスは、全1/4〔四分円〕の南東に横たわる〔諸地域〕は、金牛宮、処女宮、磨羯宮からなる (18) 南東の三角宮の親密性を加味し、さらに宿の支配星はアプロディーテーの〔星〕とクロノスの〔星〕と、さらにはヘルメースの〔星〕であり、ここから、住人たちはその諸地方でともに形を形成しているので、アレースの〔星〕故に彼ら自身も嚮導的、高貴、独立不羈であるが、(19) ゼウスの〔星〕故に自由を愛し、自主自立、民衆制的であるが、音楽を愛し、学問を愛し、競争好き、生活において清浄、アプロディーテーの〔星〕故に交友好き、客遇を愛し、正義を愛し、また学問好き、ロゴスにおいてこのうえなき実践者であるのはヘルメースの〔星〕故、だが特に秘儀の共働成就者であるのは、(20) 西の空に組み合わせ形体をとるアプロディーテーの〔星〕の故である。さらに、個別的には、一方、これらそのもののうちキュクラデス群塔や小アシアのパラリア、キュプロスあたりの住人たちは、金牛宮とアプロディーテーの〔星〕により親密である、ここからして大部分贅沢、清浄、(21) 身体に配慮する者たちである:他方、ヘッラス、アカイア、クレーテーあたりの住人たちは、処女〔宮〕とヘルメースの〔星〕に〔親密である〕、故によりロギコス、学問を愛し、魂の事を身体よりも修練する者たちである:他方、メケドニア、トラケー、イッリュリアあたりの住人たちは、磨羯宮とクロノスの〔星〕に〔親密である〕、故に所有物を愛するが、あまりおとなしくはなく、諸法習を共有することもないほどである。 (22) 第2の1/4〔四分円〕は、大アシアの南部だが、その他は、インディケー、アリアネー、ゲドルゥシア、パルティア、メーディア、ペルシス、バビュローニア、メソポタミア、アッシュリアを取り巻く部分であり、当然、人の住まいする〔世界〕全体の南東に位置を有し、これらが親密なのは、金牛宮、処女宮、磨羯宮という南東の (23) 三角宮である:その一方で、東の形の上に、アプロディーテーの〔星〕、クロノスの〔星〕によって宿の支配をされる。まさにその故に、それらの〔地域の〕住民の自然も、そのように宿の支配をする〔星々〕に整合的に効験されるのをひとは見出すだろう。なぜなら、〔この地域の住民たちは〕アプロディーテーの〔星〕をばイシス、クロノスの〔星〕をばミトラないしヘーリオスと名づけて崇拝もする、多くの〔神々〕も (24) 将来の事を予告するからである:また彼らのもとでは生殖器が神聖視されるが、それは、前述の星々の組み合わせを共有する形体が自然本性的に種子的だからである。さらにまた〔彼らは〕情熱的で、交尾期にあり、性愛事に耽る連中として、合唱舞踏し跳びはね、アプロディーテーの〔星〕のせいで (25) 美飾を愛し、クロノスの〔星〕のせいで贅沢暮らしをする者たちである。だが、彼らが女たちとの交合を公然と行い、隠し立てしないのは、組み合わせ形体が東にある故だが、男たちとの〔交合〕の方は、そのせいで嫌悪する。また彼らの大多数にとって、〔子どもらの〕母親から子づくりすることになり、東からの上昇と、心臓の嚮導性は、太陽の力能に親しい故に、(26) 胸に跪拝することになる。その他の点でも、衣裳や装飾品や総じて身体の関係に耽溺し柔弱になるのは、アプロディーテーの〔星〕のせいであるが、魂や偏愛において広量、高貴、好戦的なのは、上昇星の組み合わせに対してクロノスの〔星〕が親密なせいである。(27) もう一度部分的には、金牛宮とアプロディーテーの〔星〕には、パルティアとメーディアとペルシスがより親密であり、ここからここにおける住人たちは、胸を除いて全身を隠して、花模様の衣裳を使用し、(28) 総じて華美で綺麗である。しかし処女宮とヘルメースの〔星〕と〔親密であるので〕、バビュローニアとメソポタミアとアッシュリアをめぐる〔地域〕は、
だが、磨羯宮とクロノスの〔星〕に〔親密なため〕、インディケーとアリアネーとゲドルゥシアをめぐる〔地域〕は、ここからそれらの地域を配分する住民の 不恰好で不潔で獣じみている。 (33) 第3の1/4〔四分円〕で、大アシアの北部のうち、その他の部分は、ヒュルカニア、アルメニア、マティアネー、バクトリアネー、カスペイリア、セーリケー、サウロマティケー、オークシアネー、スゥグディアネーを取り巻き、人の住まいする全〔世界〕の北東に横たわる〔地域〕は、北東の三角宮である双児宮、天秤宮、宝瓶宮に親密であるが、当然ながら、上昇の形上で、クロノスの〔星〕とゼウスの〔星〕によって (34) 宿の支配をされる。だからこそ、これらの地域を有する〔住人たち〕が崇拝するのはゼウスとヘーリオス〔太陽〕、最も裕福で大金持ち、暮らしぶりは清浄で素直、神事に関しては知恵深く魔術師、性格は義しく、自由、魂は大きく、高貴、また邪悪を憎み、愛情深く、最も親密な者たちの美と敬虔さのために喜んで死ぬ者たち、性愛の使用に対して真面目で清浄、高価な衣裳を喜び、気前がよいが、これらこそおおむねクロノスとゼウスの〔星〕が東で (35) 共有の組み合わせ形体として成就していることである。またこれらの族民のうち、ヒュルカニア、アルメニア、マティアネーあたりの住人たちは、双児宮とヘルメースの〔星〕により同宿性を有する、だからこそ、より移り気で (36) いくぶん弱い:他方、バクトリアネー、カスペイリア、セーリケーあたりの諸族民は、天秤宮とアプロディーテーの〔星〕と同宿性を有する、ここからしてこの地方を占める者たちは、至極裕福、音楽を愛し、より華美な者たちである:しかしサウロマティケー、オークシアネー、ウゥグディアネーあたりの諸族民は、宝瓶宮とクロノスの〔星〕に同宿性を有する、故にこの族民たちもより粗野、邪慳、獣じみている。 (42) 残りの1/4〔四分円〕は、共通してリビュエーと呼ばれるが、このうち、その他ヌゥメディア、カルケードニア、アプリケー、パザニア、ナサモニティス、ガラマンティケー、マウリタニア、ガイトゥリア、メタゴーニティスを取り巻く〔諸族民〕と、ひとの住まいする全〔世界〕の南西に面する位置を有する〔諸族民〕は、巨蟹宮、天蝎宮、双魚宮という南西の三角宮と親密である一方、当然ながら、アレースの〔星〕とアプロディーテーの〔星〕によって、西の図形上に (43) 宿の支配を受ける。だからこそ、彼らのたいていの〔族民〕に降りかかるのは、星々の上述の和合のために、母を同じくする兄弟姉妹の男と女によって王支配されることになり、男は男たちを、女は女たちを支配し、このような継承が維持される。〔彼らは〕すこぶる情熱的で、女たちとの交合に耽り、結婚でさえ掠奪によってなされるほどで、多くの場合、王たちは結婚した女たちと最初に結合し、いくつかの〔族民〕においては、女たちは万人の共有 (44) でもある。しかし〔彼らは〕美飾を愛し、女物の装飾を身にまとうのは、アプロディーテーの〔星〕のせいである、しかしながら魂において男らしく、荒々しく、向こう見ずなのは、アレースの〔星〕のせいである。さらにまた、彼らのうち、ヌゥミディア、カルケードニア、アプリケーあたりの住人たちは、巨蟹宮と月により親密である、だからこそこの者たちは鷹揚で交易に長け、あらゆる (45) 豊栄のうちに暮らし続けている。他方、メタゴーニティス、マウリタニア、ガイトゥリアあたりの住人たちは、天蝎宮とアレースの〔星〕に親密である、ここからしてこの者たちはより獣じみていて、きわめて好戦的、生肉喰い、すこぶる無鉄砲、生きることを軽んじること、互いに引き下がることをしないほどである:他方、パザニア、ナサモーニティス、ガラマンティケーあたりの住人たちは、双魚宮とゼウスの〔星〕に〔親密である〕、だからこそ自由にしておおむね服従することをせず、性格的に単純で、仕事を愛し、清浄な知性人、おおむね独立不羈、ゼウスの〔星〕をアムモーンとして礼拝する者たちである。
2.4. (T) 各宮に属する諸々の地方の解説。(1) さて、星々と諸々の1/12との、個別的な族民とそれらのたいていの固有性とに対する親密さは、この概括的な仕方によって我々によって支えられたとせよ。そこでまた、的確な使用のためにも、諸々の1/12それぞれについて、それについて先に把握された内容と整合的に (5) これらの事柄が宣明されたからには、この部分に次の事柄をも付け加えるのが道理である、すなわち、各恒星も、諸地方と親密さをもち、それの両極を通して描かれる円上に、諸恒星が有する傾角で、(6) 明らかに共感性をもたらす、ということ、および、諸々の母市上に:だが、出生の時が見つけられない場合には、好機にある支配者たちないし王たちの出生日に、天の中央が落ちるところにおいて〔特に共感する〕、ということである。 2.5. (T) 蝕の個別的な予兆のための手順。(1) これらがこのようにあらかじめ考察されたので、整合的な残りは、先ずはあたり全体に把握される諸地方ないし諸都市の、諸々の予兆の諸手順に概括的に取り組むことである:で、考察の仕方は次の如くであろう:つまり、このような出来事で第1の最強の原因は、太陽と月との蝕を惹き起こす結合と、その際の星々の (2) 交替であろう:だが予兆そのものに属するのは、ひとつは、いかなる地方、あるいは、いかなる都市において、部分的蝕あるいはまた惑星の時々に常住する状態が<徴候を現すか>を、そこにおいて予知しなければならない地域性:で、これらはクロノス、ゼウス、アレースに属し、〔これらの星が〕静止する場合、(3) そのときに前兆をつくるからであるが:もうひとつは、いかなる時に前兆や延長の性質を前知しなければならないであろうかという時間性、もうひとつは、出来事がいかなる種類について結果するのかをとるのがふさわしいかという通有性、最後に、そこにおいて効験そのものの性質を我々が前知するであろう特異性である。 2.6. (T) 影響されている諸地方の考察について。(1) そこで、最初の地域的な〔問題〕の決定を、次のように実行しよう。例えば、太陽と月との同軛によって生起する蝕、特によく感知される蝕においては、宮の蝕になったトポスと、その〔宮の〕三角宮に親密な諸々の地方を〔考察しよう〕、同様に、諸都市のうちどれどれが、あるいは、所有におけるホーロスコピアや光をもたらすことから、あるいはそのときの嚮導星の中央から、(2) 蝕の1/12に対する共感を有する。だが、前述の親密性を我々が見出したいかなる諸地域、あるいはいかなる諸都市であろうと、それらすべてに関して、とくに蝕の1/12そのものに対応するロゴスを有する〔諸地域〕、それらのうち地平上にあるかぎりの諸都市において蝕が現れるについて、出来事が起こるとおおむね想定すべきである。 2.7. (T) 諸々の効験の時間について。(1) 第2の時間的主題(ここおいて、諸々の徴候の諸々の時間と、その持続の性質とを判別するのがふさわしい)をば、以下の仕方で考察しよう。すなわち、同じ時間に起こる蝕は、あらゆる宿において、同じ期間の刻限において効験するのではなく、不明瞭さの大きさ、ないし、持続時間をどこでも等しくとることもないので、先ず最初には、ロゴスを有する宿の各々における蝕の刻限と、(2) 極の高度とを、出生時のように定めよう:次いで、各々の〔蝕〕においてどれほどの平分刻限の間、蝕の蔭が持続するかをも〔定めよう〕。なぜなら、これらの事が調べられ、平分時のどれだけの刻限かを我々が見出したら、それが日蝕の場合には、効験がどれだけの年数持続するか、月蝕の場合にはどれだけの月数持続するか、を我々は推測し、基本点に対する蝕のトポスの関係からは、(3) カタルケーと概要も観察される──というのは、〔蝕の〕トポスが東の地平に落ちると、蝕の時間から最初の4ヶ月における出来事のカタルケーと、全持続時間の最初の1/3部分とを象徴する:だが、天の中央に対しては、二番目の4ヶ月と中央の3部分とを〔象徴する〕:だが、〔蝕のトポスが〕西の地平に〔落ちると〕、第3の4ヶ月と (4) 最終の1/3部分を〔象徴する〕からである──だが、個別的な減退と激化は、原因を植えつけるトポス、ないし、組み合わせ形体を共有するトポスにおいて出来する場合は、その最中の同軛からと、また、予兆をつくる星々が上昇あるいは沈みあるいは静止あるいは衝をなす場合は、原因を有する諸々の1/12と同形の〔星〕となる、〔その所以は〕上昇ないし静止しているときは、出来事の激化をつくるが、沈むときや、光線のもとにあるか、日暮れに先導する〔星〕となる場合は、諸々の効験の弛緩をつくるからにほかならない。 2.8.(T) 影響されている〔人々〕の種類について。(1) 第3の主題は通有性のそれで、いかなる種類のものらについて出来事が結果するのかをそこにおいて区別しなければならないのであるが、これも、諸々の宮の特質と形態によって把握され、ここに含まれるのは蝕のトポス、惑動する星々・諸々の恒星(蝕の〔起こる〕1/12と、蝕の前に基本点にある恒星) (2) の宿の支配を握っている〔星々〕である。だが、これらの宿の支配権が把握されるのは、惑動する星々については、以下の通りである。すなわち、詳述されたトポス(つまり、蝕の〔トポス〕と、これに後続する基本点の〔トポス〕との)両方〔のトポス〕に対して最多のロゴスを、最も近くに現れる合ないし流出、および、共通の組み合わせ形体のロゴスを有する〔〕、さらにまた諸々の宿、三角宮、昂揚〔宮〕、あるいはまた諸々の区界の、支配において、かのもののみが (3) 宿の支配権を握るだろう。だがもし、蝕と基本点との主星が同じではなく、2つのなら、前述のように、各々のトポスに対する最多の同宿性をも併せ把握すべきである。だがもし、各々〔のトポス〕においてより多くの張り合う〔星々〕が見出されたなら、基本点により近い、あるいは、より有用な、あるいは、党派により属する〔星〕を、(4) 宿の支配に選抜しよう。他方、恒星に関しては、9つの仕方の中の第1の配置において我々に現れた形態と、蝕の刻限に現れる状況、あるいは、蝕のトポスに後続する〔角度〕で基本点とともに上昇する〔星〕、あるいはともに天の中央に達する〔〕、過ぎ去った基本点上の明るい〔星々〕のうち、蝕のトポスそのものと等しく関連する第1の〔星〕を、併せて把握 [015] しよう。 (5) 出来事の原因として受け入れられる星々が以上のように観察されるときには、蝕と星々の支配権を握る〔星々〕とが遇在する諸宮の組み合わせ形体をも、いっしょに考察しよう、それらの特質と、影響されているものらの種類の性質とが (6) 一般に把握されるように。なぜなら、諸々の宮の中央を通る軌道あたり諸宮と恒星の星々から成る人像宮〔Cf. i. 12.〕は、人間どもの種に関して効験をつくるが、その他の陸棲動物〔宮〕のうち、四足動物〔宮〕は、ロゴスなき生き物の等しい事に関係するが、爬虫類〔宮〕は蛇類や (7) そういったものらに関係し、さらにまた獣〔宮〕は慣れることのない生き物や、人間どもの種を害するものらに関係し、馴獣〔宮〕は、各々の形態に似つかわしく、有用、扱いやすく、例えば、馬とか牛とか羊やそういったものらのように (8) 豊栄の協力者である:さらには、陸棲動物〔宮〕のうち、熊座近辺の〔宮〕は大地の突然の動き〔地震〕により関わるが、天の中央付近の〔宮〕は大気からの予期せぬ流れ〔雨〕に関係する。さらにまた、有翼の形態をもつものら、例えば処女宮、人馬宮、鷲座およびそういったものら、において支配的なトポスは、有翼類、特に人間どもの食糧に関するものらに関して出来事をつくるが、泳ぐものらの中では、(9) 水棲動物や魚類に関係する:また、これらのもののうち海棲の〔宮〕、例えば巨蟹宮、磨羯宮、海豚座では、海棲動物や、さらにまた船出に関係するが、河〔宮〕、例えば宝瓶宮や双魚宮においては、河の事や泉のことに関係するが、アルゴー号座においては両方の種類に関係する。 (13) 前提となる種類のいかほどの部分に関して、状況が影響するかは、蝕の考察の大きさと、蝕の起こったトポスに原因を植えつける星々の形態である:すなわち、西の〔星々〕は日蝕に対して、東の〔星々〕は月蝕に対して、一般に影響はわずかであるが、中間にあると影響は半分、東にある〔星々〕が日蝕に組み合わせられるか、西にある〔星々〕が月蝕と組み合わせ形体を共有すると、〔その影響は〕多大である [016] 。 2.9. (T) 効験そのものの性質について。(1) 第4の主題は、効験の性質そのものについて、すなわち、善きものらの能作者か、あるいはその反対のものらの〔能作者〕かどちらなのか、また、形相の固有性に応じてそれぞれのものにとっていかなる〔能作者〕なのか、ということである。で、これは、諸々の支配的トポスの宿の支配をする星々の能作的自然と、相互に対する、また、そこに遇在する諸トポスに対する混合から (2) 把握される。なぜなら、太陽と月は配置者であり、いわば自余のものらの嚮導者であり、彼ら自身、活動における全体の〔原因〕、星々の宿の主人たることの〔原因〕、さらには宿の主人たるものらの強さと弱さとの原因であるから。しかし、君臨権を握った〔星々〕の包括的観想は、諸々の効験の性質を (3) 示す。 では、惑星の一つずつの能動的特質から始めよう、〔その際〕共通して前提されるのはあのこと、つまり、概要的想起のために一般に5つの惑星の何事かを我々言う場合、似た自然の気質と能作性を考えるべきである、それ〔惑星〕自身が固有の体制においてであれ、恒星の一つとか、〔宮〕の混和において宮のトポスの〔ひとつ〕が (4) 観想されること、さらには、惑星相互の混合のみならず、同じ自然に共有されている〔星々〕か、あるいは、恒星か、あるいは、恒星に対するそれらの証明された同宿性を考察しなければならない、ということである。 (5) もちろん〔Cf. i, 5.〕、クロノスの星が単独で宿の支配権を執ると、一般的には寒による破滅の原因となるが、個別的には、人間どもに出来事が生起するときは、長患い、衰弱、譫妄性熱病、湿による撹乱、リューマチ、四日熱の徴候の快癒、困窮、投獄、服喪、恐怖、特に年齢の進んだ者たちの (6) 死を植えつける:言葉なき動物たちのうち一般に有用なものらについては、減少、財産の身体的・病因による滅びを〔植えつけ〕、これによって人間たちのうち有用な者として構成される者たちも駄目になる:だが、大気の状態については、恐ろしい寒さ、凍結と霧と疫病をもたらす悪風と密雲、暗闇、さらには善くはなくて破滅をもたらす降雪(ここから爬虫類で人間的自然に悪行するものらも (7) 結合する)の多さを〔植えつける〕:河川あるいはまた海については、共通的には、嵐、艦隊の海難、航海の難儀さ、魚類の欠如と腐敗、私的には、海における引き潮や戻り水、河では河の水の氾濫と悪行を (8) 〔植えこむ〕:大地の果実に対しては、欠乏、寡少、あるいは青虫、あるいはイナゴ、あるいは洪水による、あるいは雨水とか雹とかそういったものらの攻撃による、特に必需品となるものらの喪失、その挙げ句、このような人間の滅びるよりも先に、飢饉による破滅。 (9) だが、ゼウスの〔星〕が単独で君臨すると、一般的には増大の能作者となるが、一方、個別的には、人間〔男〕どもに生じる効験に関しては、名声、繁栄、豊穣、平和な状況、重要事の増大、身体的魂的な良好を効験し、さらにはかの王支配する者たち自身からの贈与の増大、偉大さ、一般的な (10) 広量さと幸福の原因となる。他方、言葉なき動物に関しては、一方、人間の役に立つ〔動物〕の中には、豊富さと数の多さを植えつけるが、反対の〔動物〕の中には、腐敗と破滅を、だが大気の状態には好天、健康的、風強く、湿っていて、地表のものらの生長をもたらし、船団の航行日和、河川の程よい上昇、果実の豊穣、これらに類似したかぎりの事柄を成就する。 (11)だが、アレースの〔星〕が単独で宿の支配権を執ると、一般的には、乾燥による破滅の原因となるが、個別的には、出来事が人間どもに生じる場合は、戦争、同族同士の内乱、捕囚、人足奴隷化、群衆の内攻、嚮導者たちの忿怒を植えつける、だがこれら故の突然死、さらには熱病、三日熱の徴候、血の流出、特に盛りにある者たちの急な横死、同様にまた暴力と暴行、無法の放火と殺人、追い剥ぎ、 (12) 掠奪を〔植えつける〕。大気の状況については暑熱、温かく疫病的で消耗させる風、稲妻の旋風の発出と干魃を植えつける:海に関しては、無秩序な風、稲妻、そういったものらによる艦船の突然の海難を、河については、水源の渇水や干あがり、河の水の (13) 腐敗を〔植えこむ〕:人間の使用にとって重要なものらに関しては、言葉なき動物や、大地から生えるものらの寡少、暑熱の燃えあがりないし飛び飛蝗ないし風の吹き荒れによる、あるいは貯蔵所の火災によって生じる果実の壊滅を〔植えつける〕。 (14) だが、アプロディーテーの〔星〕が単独で結果することの主星となると、一般的には、ゼウスの〔星〕に類似した事柄を、何らかの性愛を以て効験させる:だが個別的には、人間どもに関しては名声、栄誉、用心深さ、あらゆる和合にともなう豊穣、つまり、善き結婚、子沢山、満足、また所有物の増加、清浄で過ごしやすく、尊敬されるに至る (15) 暮らしを、さらには、嚮導者との同宿性、支配者たちの性愛をも〔植えつける〕:他方、大気の風に関しては、気立ての良さ、湿気と養分の新鮮ですがすがしい状況、多産な水の豊富さ、艦船のよき船旅、僥倖、河川のたっぷりの上昇、さらに役立つ動物や大地の果実では、特に豊富さと豊穣と享受を植えつける。 (16) だが、ヘルメースの〔星〕が宿の支配権を執ると、一般的には、その他の〔星々〕の各々に傾いているかのように、それらの諸自然に親密となる。個別的には、何にもまして刺激的であり、人間的効験においては鋭く、強盗、泥棒、経験的手順や着手?の前提的な工夫に対しても実践的なこときわまりなく、さらには悪行する〔星々〕との組み合わせの共有性において難儀な船旅の能作者、諸々の病気、乾燥、毎日熱の徴候、咳、 (17) 粘液の上昇、疲弊の原因、だがまた神官のロゴスに関すること、神々の崇拝、王室の収入、そして時折、他の惑星との彼の混合と親密に、習慣や法律の変更に関係する出来事の原因 (18) となる。取り巻くものに対しては、太陽に近いことと回転の速さのために非常に乾燥していて速いので、特に不規則で激しく変化する風を引き起こしがちであり、予想されるように、雷、ハリケーン、地球の割れ目、地震、そして稲妻。時々これらの手段によって彼は有用な動植物の破壊を引き起こす。 (19) そこで、個別的には、親らの自然を偶有する各々〔の星〕がこのような事を成就するのであるが、各〔星〕が各様に組み合わせを共有する形体と、諸宮の交替〔Cf. i, 8.〕と、太陽に対する諸相とによって、推測的に、且つ、活動の際に共通している諸自然から混ぜ合わされる混合をとって、その効験に関する (20) 多彩な固有性を成就するのである。だが、各々の混合において固有の効験に言及し、あらゆる仕方での組み合わせ形体をすべて列挙することは際限なく不可能であるので、当然、このような形相は、個別的な区別のために、数学者〔=占星術師〕の事業と創意に委ねられている。
(21) だが、予兆の支配権を握る星々が、出来事が徴表する当の諸地方あるいは諸都市に対していったいいかに同宿性を保有するのかは観察しなければならない。なぜなら、星々が善行する星々であり、影響されるものらに同宿性を有し、反対の党派によって圧倒されることなく、さらには固有の自然による益をより多く成就することは、反対に位置する〔星々〕によって同宿性を有するとか圧倒されると
(22) より多く益されるないのと同様である。だが、〔星々〕有害な混和に属し、予兆の支配を握り、影響されるものらとの同宿性を有し、あるいは、反対党派によって圧倒される場合は、害されることはより少ない。だが、諸地方の同宿性を有することもなく、自分たちに親密でない〔星々〕によって圧倒されることもない場合は、混和に起因する破壊原因をより激越なものとして見舞う。
2.10. (T) 蝕、諸々の彗星、その他のものらの色について。(1) 観察すべきは星位、蝕の際の色、あるいは光そのものの〔色〕、あるいはそれらに関して生じる構成要素の(例えば、王笏の、あるいは他のものらの、あるいはそういったものらの)〔色〕である。例えば、黒色ないし鉛色に見えたら、クロノスの自然〔Cf. i, 4.〕について述べられる事の象徴となるが、白色なら、ゼウスの〔自然について述べられる事の〕、黄赤なら、アレースの〔自然について述べられる事の〕、黄色なら、アプロディーテーの〔自然について述べられる事の〕、多彩色なら、ヘルメースの〔自然について述べられる事の象徴となる〕。 (2) もし、光源体の全体、あるいは、それらのまわりの全トポス色の生まれつきの固有性が見えたら、効験するはずのものは地方の大部分に関わるだろう:だが、どんな部分からであれ、そこに関わるのは、固有性の接近が生じる部分のみである。 (3) さらにまた、蝕の時期における、あるいはまた一般的星位に対する彗星(いわゆる火球、あるいは喇叭、あるいは甕やそういったものら)のいつでも構成される出現をも観察しなければならない、自然本性的には、アレースの〔自然〕やヘルメースの〔自然〕について<述べられた>固有性(戦争や炎熱、あるいは動的気候、そういった事に後続して起こる事)の効験的現れとして〔Cf. i, 10.〕、他方、それら〔彗星〕の組織が現れる宮の諸部分を通しては。 (4) 体制そのもののいわば組み合わせを通しては、効験の形相と種類(病はここに帰着する)、時間の広がりを通しては、諸々の出来事の持続を、太陽との関係を通しては、開始を、夜明けには、たいてい、より速やかに現れ、夕暮れにはよりゆっくり〔現れるからには〕。 2.11. (T) 1年の新月について。(1) だが、諸地方と諸都市の一般的な事柄に関する状況の手順が示されたからには、残るは、より微細な事柄(わたしが言うのは季節をめぐって年毎に効験する事柄のことであるが)についても言及することであろう、この考察に加えて、年毎の所謂新月についても前もって定義するのがふさわしい。そこで、この初めはそれぞれの転回における太陽の回帰に属するのがふさわしいということは、それ自体において、また力能からも、 (2) その名称からも明らかである。しかしひとはいかなる初めを想定し得るか、円の内では、そのことだけを端的に思いつくことさえできないが、獣帯の中央を通る〔円〕内では、当然、唯一の初めとして、昼夜平分点と至点、すなわち、2分点と2至点とによって定義される徴を採るだろう。しかしながら、ここにおいて、4つのうちどれを優先するものとして採用するかで行き詰まるだろう:もちろん、単純な円の自然に従えば、1つの初めとして優先するものはそ〔の4つの中に〕何もない: (3) これらの事柄について書いている人々はある一つを、4つのうちのいずれかを初めとして取り分けて規定し、何らか親らのロゴスと自然的同感性に従って述べているのである。というのも、それらの諸部分の各々は、一年の初めつまり新年とみなすのが当然の一種の特徴を有しているからである:春分点は、その時最初に昼間が夜間より長くなり始め、湿った季節に属するが、この自然が、先に我々が謂ったように〔I,10〕、最多の〔自然〕が出生の初めに (4) 存する故に:夏至は、この時に最長の昼間を効験し、アイギュプトス人たちのもとでは、ナイル河の増水、犬狼星の昇る頃を徴表する故に:秋分点は、既にあらゆる果実の収穫が生起してしまい、その時には他の初めから将来の〔作物の〕播種が開始する故に:冬至点は、この時昼間の長さが減少から (5) 増大をとる故に。しかしわたしには、年の考察に際し、4つの初めを使うのがより親密にしてより自然だと思われる、 白羊宮に関わる初めにおける〔〕からは春がどうであるかを考察しよう、巨蟹宮に関わる〔〕からは夏至点を、〔天蝎宮の〕鋏に関わる〔〕からは (6) 秋分を、磨羯宮に関わる〔〕からは冬至を。なぜなら、一般に諸々の季節の性質や気候は太陽がつくり、諸学にまったく無経験な者たちでさえ、これによって将来のことの予知をもつからである〔Cf. i, 2.〕。 さらにまた、諸宮の特質をも、風やより全般的な自然の徴候を (7) 受け入れるべきである。だが、多かれ少なかれ時期における変化は、一般的には、前述の徴に関する同軛と、それらに対する惑星の組み合わせ形体の共有が示す〔i, 4. and 18〕が、部分的には、各々の1/12における同道や満月、星々の軌道が示すが、これこそ新月の考察と人が呼称するところの〔方法〕である。 2.12. (T) 天候に対する諸々の宮の部分部分の自然本性について。
(1) だが、この目的のためにあらかじめ披瀝しなければならない事柄、つまり、獣帯の部分における、年間の気候に対する、なおまた星々各個の自然的固有性のうち、惑星と、等しい混和の恒星との、大気や風に対する親密さ、さらにまた、すべての1/12の、風と季節に対する〔親密さ〕とは、先の箇所においてそれぞれ明らかにした。残るところは、諸々の宮の自然本性の詳細についても述べることであろう。
1/12である金牛宮は、一般的には両方の混和の徴候を示してやや暑いが、個別的には、それの先頭期、特にプレイアデスあたりの部分は地震を惹き起こしやすく風がち霧がちだが、中間部は湿っぽく寒いが、ヒュアデス付近の後続部は、火性的で落雷や稲妻の活動期だが、〔黄道の〕北側は好天だが、
(4) 南側は敏速で無秩序である。
2.13. (T) 諸々の天候の個々の考察について。
(1) これらの事柄がかく前もって披瀝されたからには、諸々の徴候の扱い方は、以下の手順を内包する。すなわち、ひとつは1/4〔四分円〕をより完全に思考する〔仕方〕で、これによって、我々が謂ったように〔ii, 10. 後半〕、至の兆しや昼夜平分の兆しよりも先に、同道〔=新月〕や満月に探求された諸々のクリマの各々における同道〔=新月〕あるいは満月の度数において、諸基本点が出生に関してどういう情態であるかを
(2) 観察しなければならないだろう、次に、先の箇所で諸々の食について我々によって例示された仕方に従って〔ii, 4-8. 特に 5.〕、同道〔=新月〕や満月の、また、これに後続する基本点のトポスの宿の主星を区別〔しなければならないだろう〕、そしてこういうふうにして、1/4〔四分円〕の固有性からは一般的観想を、宿を支配する星々の自然からは引き締めないし弛緩の強弱を、どんな性質か、いかなる気候の動因かを観想すべきである。
(5) 第3に〔考察すべき〕は、弛緩と引き締めのさらに詳細な徴候を観察することである。だが、これが観想されるのも、太陽と月の、同道あるいは満月のみならず、半月の際の個別的な共通の組み合わせ形体によって観想される、 (6)なぜなら、これらの自然に対して整合的に、かつ、右からアスペクトをとる星々の自然的同宿性と、取り巻くものと諸々の風とに対する諸々の宮の自然的同宿性に和合的に、これらの変化の特質が把握されるからである。
(7) だが、まさしくこれらの個別的な諸性質の日々の配置が効験されるのは、特に恒星のうちより明るくより積極的な月相が、太陽に対して
(8)
2.14. (T) 大気の兆しについて。(1) 個別的な諸々の兆しの予知のためには、太陽と月と星々に関して生起する諸々の観測もまた有用であろう。 そこで、観測すべきは、昼間の諸天候に対しては上昇する太陽を、夜間の〔天候〕に対しては沈む〔太陽〕を、長期にわたる〔気候〕に対しては、月との諸々の組み合わせ形体における〔太陽〕を〔観察すべきである〕、それぞれの形態が一般に翌日までの天候の (2) 前兆だからである:例えば、〔太陽が〕上昇するときないし沈むときに清純、翳ることなく、安定して、曇りなければ、それは穏やかな気候の証拠であるが、多彩な輪郭を有するか、赤味がかった〔光線〕ないし紅い光線を、外側ないしそれ自身へと放射して中空になるか、あるいは一部分にいわゆる「太陽のそばの雲」を有するか、あるいは雲の黄色がかった組み合わせを長い光線のようにも有するかしていると、前述の徴が生じる方角から、 (3) 激しい長駆する風やそういったものらの徴である。だが、昇るときないし沈むときに、黒いか青ざめ、曇り空を伴うか、それ自体のまわりの一部に輪をもつか、両方の部分から太陽のそばの雲や光線(青ざめたのや黒いの)をもっていると、嵐や雨の証拠である。 (4) 月では、同道〔=新月〕、満月、半月、3日間の〔接近〕ないし3日後の接近によって観察しなければならない。例えば、細くて清純に見え、その廻りに何もなければ、快晴の天候の (5) 証拠である。だが細くて紅く、無明の輪をもって、総じてやや傾いて見えると、特に傾斜している方向への風の徴である。だが、黒ないし黄緑や厚みが観照されると、嵐や降雨の明証である。 (6) それ〔月〕のまわりにできる暈をも観測しなければならない。例えば、それが1つで綺麗で、次第に霞んでいるなら、好天の気候を象徴するが、もし2つ、あるいはまた3つなら、嵐を明らかにし、灰色がかって砕けているようなら、強風を伴う嵐を、だが霞がかかって厚いと、降雪を伴った〔嵐〕を、だが黄緑がかるか、あるいは黒くて砕けていると、両方を伴った〔嵐〕を、 (7) しかも数が多くなればなるほど、それだけますます激しい〔嵐〕を〔明らかにする〕。また、惑星と、恒星のうち明るい〔恒星〕との周りの暈が成立すると、自分たちの色と、有害な影響で無効にする〔星々〕の自然とに親密な事柄を象徴する。 (8) 相当に近い諸々の恒星にについても、その色、大きさを観測しなければならない。なぜなら、通常の現れに比してより明るく且つより大きく見えると、どの部分にあろうと、 (9) 親らのトポスからの風を徴表するからである。それにもかかわらず、「飼い葉桶座」特殊な星雲やそれに類したものも、晴天のときは星雲がぼんやりしているが、いわば見えないか、あるいは分厚く観照されるときは、降雨の証拠であるが、清浄で震えているときは、持続的な強風の〔証拠である〕。 (10) 上層大気において時折後で生じる事柄のうち、彗星の星雲は、一般に干魃や風を、組織がより多くの部分、長くなればなるほど、より大きな〔風〕を予兆する。 しかし、星々の駆け抜け〔流星〕や狙い撃ちは、もし1つの方角からなら、その〔方角〕からの風を明らかにするが、もし反対側からなら、風の混乱を、だがもし4方向からなら、雷や稲妻やそういったものらまで、 (11) あらゆる種類の嵐を〔明らかにする〕。同様に雲も、羊毛に類似していると、嵐の前兆となる。また時折構成される虹は、好天後なら嵐を、嵐の後なら好天の前触れとなる。そうしてまとめて云うと、大気中の固有色による諸現象は、前もって明らかにされた事柄のように、親密な出来事による〔現象〕に似た〔現象〕を明らかにする。で大気中に独自の色で現れる目に見える現象は、先の箇所の〔事柄〕によって予め明らかにされた事柄のように〔ii, 9.〕、親らの出来事による効験に等しい事を明らかにする。 (12) 一般論(全般的に観想されるものらと個別的に〔観想されるものら〕と)の考察の方は、まさにこれほどまでに我々によって記述されたとしよう。誕生占星術的種類における予知の行事の方をば、引き続き適切な整合性をもって接近することとしよう。 2020.12.07. 訳了 |