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ギリシア占星術文書目録4350_219

7惑星の自然本性を働かせる植物について





[底本]
TLG 4350 219
De plantis quae secundum planetarum naturam operantur (e cod. Neapol. II C 33, fol. 387v + Mediolanensi H 2 inf., fol 250)
Astrol., Nat. Hist.

Date of manuscript = A.D. 15 & 16
D. Bassi and E. Martini, Codices Italici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 4. Brussels: Lamertin, 1903]: 134-136.



4.
(134)
 太陽の植物はポリュゴノン〔雄性:ミチヤナギ(Dsc.IV-4。雌性:スギナモ(Dsc.IV-5〕である。この呼称を採ったのは、太陽が万物にとっての始祖にして種子となることからである。これを一部の者たちがカメレオンと呼称したのは、天と地に (135) その実を穂先としてつけるからである。というのは、この液汁は服用されると、子づくりと性愛により用意のできた者たちとなす。根は括りつけられると、あらゆる眼痛を去らせ、他方、譫妄性熱病患者たち、嗜眠病患者たち、視力低下した者たち、また括りつけられると、そこひの初期を<経験しているの者たちを>驚くほど癒やす。

 金星の植物はペリステレオーン〔クマツヅラ属の植物。Dsc.IV-60,61〕である。これの根は括りつけられると、喉まわりの症状 — 瘰癧、耳下腺炎、鼠径部を癒やすが、これの液汁は、蜂蜜や洗剤用ニトロンといっしょに出血を抑える。液汁は蜂蜜といっしょに服用されると、弱視???を軽くする。<この>植物は性愛にも適する。液汁の<方は>交合する者たちにも提供される。家の中に根が置かれると、あらゆるつまらぬダイモーン的なものらを追い払う。

 水星の植物は「五本指」、或る者たち〔の言う〕「5つ葉」〔Dsc.IV-42〕である。関節に起こる打撲や炎症を癒やすが、脾臓に湿布されると、腹の疝痛を止め、<また>洗浄されると歯の痛みを〔止める〕。根が括りつけられると、口によい言葉を作り、言説における雄弁家となす。結石患者たちをも排尿困難者たちをも益する。

 火星の植物はセイヨウオオバコ〔Dsc.II-153〕と言われる。恥部の症状を癒やし、汚い潰瘍を[癒やす]。血性下痢や出血や炎症や致命傷を安定させる。

 木星の植物は(ajlcaravnioV)〔?〕である。これの根が癒やすのは (136) クロコスと蜂蜜といっしょに服用されると、瘰癧、痛風、肝臓炎。<しかし>括りつけられると交合せんとする者たちにも[括りつけられると]効き、女たちを性愛を喜ぶ者にする。

 土星の植物はアスポデロス〔Dsc.II-199〕<ないし>ヘーラクレイア〔?〕である。これの液汁は蘇合香といっしょに膝や足の症状を癒やすが、根の液汁の方は、煮られると、腎臓の痛みに益し、ダイモーンに憑かれた者たちの恐怖を癒やす。<だが>括りつけられると、歯痛の子どもたちにも適する。

 月の植物はキュノスバトス〔「犬の木苺」Dsc.I-123〕である。<だが>液汁が清浄にするのは胴や腹や脇腹の皮膚であり、また鋭い眼にも適し、視力低下を癒やし、悪化した胃にも適し、さらにまた疝痛や炎症を起こしたヘドラをも癒やす。

2019.01.10. 訳了


point.gif「7惑星の植物について」
point.gif「諸惑星の植物について」
point.gif「7惑星の植物について」

[ヘドラ]
 外科用語としては初めは頭蓋骨にまで達した凶器によって占められた場所のことを言ったのであろう。それから転じて、凶器によりはっきりと傷痕となって残された頭蓋骨の損傷の形状を言うようになった。(ヒポクラテス「頭部の損傷について」訳註)  

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