第9話

エローディオス(erodios)について


 この鳥は慎み深さ(swfrosuvnh)とともに生きるあまり、交合に及ばんとするとき、40日間苦しむほどである。その40日間を苦しんだはてに、初めて雌との交合に及ぶ。

 このエローディオスについて等しいこと。されば、この鳥が罪を犯すや、〔自分が〕犯した罪ゆえに、さらに40日間苦しむ。

 このエローディオスについて別のこと。この鳥は自分の巣を高い樹に設ける、何かによって影さされることなく、清浄な大気を有するところに。彼の巣の下に、他の鳥たちも巣をつくるのは、彼によって守られるためである、それは預言者ダビデが謂うとおりである。「エローディオスの住み処は彼らを嚮導する」〔詩篇104[103]:17〕。

 解釈。さればあなたも、賢明な人間よ、この鳥を模倣せよ、慎みと畏敬のうちに進め、クリストスの誡めを行じよ、そうして罪から遠く逃れよ。神的な使徒が謂っているからである。「淫行を避けよ、いかなる罪も、これを人間が行う場合、身体の外であるが、淫行する者は、自分の身体に対して罪を犯すのだ」〔第1コリント、6:18〕。たとえ敵の協働によって罪を犯しても、悔い改めよ、そうしてこの鳥のようにあなたの罪を嘆け、改心と涙は、もうひとつの洗礼盤となり、わたしたちの魂からわたしたちの罪を浄化してくれる、そうして神の祖、淫行と殺人を犯したあのダビデを想起せよ、そうして改心の涙を通して赦しを得よ。大いなる赦免を有するのは涙である。エゼキアを死の塔から、罪人を時代の躓きから引き上げる、そうしてあなたが悔い改め、改心し、泣き叫び、あなたにとっての赦しを、おお、人間よ、あなたの罪を神からすぐに得るならば。そうしてこの鳥のように、高い樹にあなたの巣を、つまり、悪からの逃げ場を設けよ、そうして善きことどもを実行せよ、あなたにとって巣が高い場所、明らかに、われらの主にして神にして救い主なるわれらのイエースゥス・クリストスにおいてのみできるために、栄光と力は永遠の永遠に至るまでそのかたのもの、アメーン。

 美しくも、自然究理家はエローディオスについても謂った。
 神のお助けを得て、臨在する自然究理家の終わり。





 典拠となっている詩篇104[103]:17の「ハスィーダー」がコウノトリであることは、先に述べたとおりである(point.gif第1部 第47話の註を見よ。また、第3部 第19話、および、第4部 第4話の註をも参照せよ)。
 サギにしろコウノトリにしろ、営巣場所として「大きな巣を支えうる、最も高くて最も見晴らしのよい場所を選んでいる」〔『聖書動物事典』p.407〕ことは違わない。