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back.gifアイギナのピリスコス

犬儒派作品集成

モニモス断片集

〔前4世紀〕


[略伝](出典:Wikipedia「Monimos」

monimus.jpgシュラクゥサイのモニモス(MovnimoV)(前4世紀)
 ディオゲネース・ライエルティオスによれば、モニモスはコリントスの両替商の奴隷であったが、シノーペーのディオゲネースを奴隷として買ったクセニアデースからディオゲネースの話を聞いたという。ディオゲネースの学徒となるため、モニモスは狂気をよそおって銀貨を撒き散らし、ついに彼の主人は彼を追い出したという。モニモスはテーバイのクラテースと知己となったという〔DL vi. 82〕。

 彼は「すべてはむなしい(tu:fon)」と言ったことで有名だった〔DL vi. 83; Marcus Auelius, Meditations, ii. 15.と対比せよ〕。Sextus Empiricusの言うところでは、モニモスはAnaxarchusと似ていた、というのは、「存在物を風景画に譬え、それらは夢や狂気のうちに経験される印象に似ていると考えていた」からである〔Sextus Empiricus, Against Logicians, 7. 88.〕。彼は言っていた、教育があるよりは目が見えぬ方がよい、なぜなら、後者が転落するのは穴だが、前者は、処刑坑に墜ちるから〔Stobaeus, Florilegium, iv. 31. 89〕。また、富は運命の反吐だとも言った〔Stobaeus, Florilegium, iv. 31. 89〕

 彼は『衝動について』と『哲学の勧め』という2冊の書を著し、真面目さをまじえた戯れの詩をも幾編か書いた〔DL vi. 83.〕(おそらくは犬儒派の文体であるspoudogevloiaに関係する)。

画像出典:PHILOSOPHEN GALERIE Antike

book.gif ディオゲネース・ライエルティオス『ギリシア哲学者列伝』第6巻3章「モニモス伝」




断片集

[底本]
TLG 2968
MONIMUS Phil.
(4 B.C.: Syracusanus)
1 1
2968 001
Fragmenta, ed. F.W.A. Mullach, Fragmenta philosophorum Graecorum,
vol. 2. Paris: Didot, 1867 (repr. Aalen: Scientia, 1968): 345.
frr. 1-2.
5
(Q: 29: Phil.)





2968 001 1
富は運命の反吐(e)/metoj)だと彼は云った。
2968 001 2
犬儒派哲学者モニモスは謂った、盲人は無教育な者よりもまさっている。
なぜなら、前者が〔はまる〕のは穴(bo/qroj)だが、後者がはまるのは処刑坑(ba/raqron)だから。

2005.12.02. 訳了。

forward.gifテーバイのクラテース
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