title.gifBarbaroi!
back.gifデーモーナクス

犬儒派作品集成

ペレグリーノス

〔紀元後2世紀〕



[略伝]

 後にはプローテウス〔何にでも変身できる海の老人〕と呼ばれた。ローマ植民地パリオン〔プロポンティス(マルマラ)海南岸、ヘレスポントス海峡入り口にある都市〕の富裕な家系の出身。犬儒派哲学者。ルゥキアーノスの「ペレグリノスの最期」の風刺的随筆の主人公。彼についての大部分は、不幸にも、この書によって伝えられたため、親殺し、男色者といった疑わしい申し立てを含む。パレスティナを訪れ、キリスト教徒に転向。パリオンに帰って、財産を放棄して同胞市民に与えた。さらに転向して、エジプトで犬儒派アガトブゥロスの門下生時代を過ごす。ルゥキアーノスによれば、ローマを訪れたが、皇帝(アントニヌス・ピウス〔AD 138-61〕)を誹謗したかどで追放された。アカイアに拠点を置き、オリュムピアで演説し、ギリシア改革を唱え、属州総督Ti. クラウディウス・アッティコス・ヘロデス(c. AD 101-77)を攻撃した。AD 165年のオリュムピア祭のおり、永遠の名声を得るために自分で焼死した。ルゥキアーノスを彼のことを気の狂ったペテン師として描いたが、アウルス・ゲッリウスは、彼のことを「重厚にして確乎不動の人」(NA 12.11.1)と評した。

C. P. Jones, Culture and Society in Lucian (1986), ch. 11;
L. Holford-Strevens, Aulus Gellius (1988), 104 f.;
G. Anderson, Sage, Saint and Sophist (1994), index.

(OCD, A. J. S. S.)


book.gif ルゥキアーノス『ペレグリーノスの最期


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