M氏:
京都の地域を思い浮かべながら聞いていましたが、落下傘的にコミュニティ・マネージャーが降りてきて、信頼を得られるのでしょうか。
室田:
落下傘とは限りません。
ベルリンの場合ですとベルリンの会社が受けることも多いと聞いています。全国的にも、もともとその地域で活躍していた団体がコミュニティ・マネージャーの仕事を受けるケースも多いと聞いています。
また落下傘の場合、最初、困るんじゃないかというのは、ご指摘のとおりです。
なんなんだろうと思われてしまうわけですね。
ですからコミュニティ・ビューローがとても大切だと言われています。
それも良く見えるところ、地区の真ん中に事務所をつくる。可視化させる。常にあいていて、スタッフがいる。それが外から見えて、誰でも来てください、なんとなく入りやすい、常に呼びかけているという情況をつくることに大きな意味があるとされています。
そして、具体の活動としては、たとえば戸別訪問です。例えば、訪問先で生活相談等を行い、それぞれの人が関心があること聞き出して、巻き込んでいいくのが大事です。
もし、こういう活動を十分積み重ねずに、地区住民の公開フォーラムを開催しても参加者が少ないですし、代表委員会を立ちあげても、投票率が低くなってしまいます。地元の人たちに知られていない、関心がもたれていないのですから当然です。
一方、地域との信頼関係がある地元の組織の場合は、そのような問題はないのですが、だから良いとは言い切れない面もあります。
たとえば、ある地区では教会系の福祉系の団体が引き受けて頑張っていたわけですが、地区内にある狭くて急な階段をどうやって改善したら良いか、その手立てが分からず、なかなか改善できませんでした。
地権者が分からない、地権者が整備に納得してくれない。
困ってしまって、苦労して、都市計画系のプロに来てもらったと聞きました。
ですから、地元から信頼されている団体があっても、課題と合っていないときは苦労をすることになります。
落下傘的に降りてきて、信頼されるのか
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