学芸出版社

 

2010年/学芸セミナー

都市計画の新たな挑戦

蓑原 敬


趣旨

 今、日本は大きな曲がり角に来ている。
 確かなのは、社会資本の投入が、人口の増加と規模的な成長を追っていた今までとは、全く違ってこなければならないことだ。

 この議論をすすめるには、基本的な問題意識の共有が欠かせない。
 第一は、街や村の居住環境は、街や村自身が場所に応じたルールで守るという地域主権の原則
 第二は、今や切れ目のない都市田園社会となっており、ゆえに都市と農村を一体的に捉える広域単位の総合的な地域計画が欠かせないこと。
 第三は近隣コミュニティ・レベルの人と人、人と環境との関係を新たに結びなおす必要があること、である。
 このような基本認識が共有されるなら都市計画の諸制度(都市計画法、建築基準法集団規定、国土利用計画法等々)は、大きく変わらなければならないことは自明だろう。その改革の方向性を書いたのが『地域主権で始まる本当の都市計画・まちづくり』である。  抜本改革にはなお時間を要するだろうが、制度上の地方分権は来年もさらに進められる。そして、制度は使いにくいまま、自治体の責任だけは明確に重くなっていく。

 今、自治体は何を考え、どう行動すべきか。
 その視座を、仲間とともに準備している『都市計画の新たな挑戦(『都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ』に改題し2011.2.1より発売中)』では提供したいと考えている。
 本セミナーでは編集中の本書の紹介を含め、簡単な問題提起を行ない、関西の研究者、行政マン、コンサルタントやプランナーの方々と忌憚のない意見交換を行なった。

蓑原 敬

    (参考)
    蓑原敬さんへのインタビュー(蓑原敬、佐藤滋、中井検裕、西村幸夫、大方潤一郎、広井良典、中村文彦、若林祥文、木下眞男、小川富由『都市計画の新たな挑戦(仮称)』について)
    佐藤滋さんへのインタビュー(蓑原敬、佐藤滋、中井検裕、西村幸夫、大方潤一郎、広井良典、中村文彦、若林祥文、木下眞男、小川富由『都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ』について)
    ○『都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ』のご注文
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記 録

(2011/03/22)本セミナーの記録をPC/iPad/iPhoneで読める電子書籍「まちづくり新書」001『激論 都市計画を根底から変えられるか』として発売しました。


都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ
仮称・都市計画の挑戦を改題

セミナー後のご意見


日時/場所

  10年9月6日(月曜日)18時00分開場、18時30分から20時30分頃まで
  場所:京都

プログラム

  問題提起(蓑原敬)  (30分〜1時間ぐらい)
  会場を交えての議論  (1時間〜1時間30分ぐらい)
  司会(前田裕資/学芸出版社)


会  費

  1000円
  定員30名/申し込み先着順


地域主権で始まる 本当の都市計画・まちづくり

講師略歴

蓑原 敬(みのはら けい)
蓑原計画事務所主宰。1933年生まれ。1960年建設省入省。住宅局、都市局で政策立案に従事。茨城県の住宅課長、都市計画課長として現場を経験。1985年住宅局住宅建設課長で退官。1989年竃ェ原計画事務所を設立、主宰。2004年、都市計画と住宅政策を結びつけた業績により都市計画学会石川賞を受賞。

(資料)

基本的な認識を共有できるか
2010年6月5日を皮切りに連続で議論する建築学会のシリーズ第一回「建築・社会システムに関するシンポジウム〜市民社会の建築・まちづくり−新たな制度と仕組みの提案−」で僕が喋ったメモです。(蓑原)

都市田園連帯再生法、住まい街づくり連帯再生法の提案

日本における都市計画専門家教育はどうあるべきか?

『都市計画の新たな挑戦』担当編集者による紹介(ブログ)


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