JUDI関西 「阪神間らしさを語る」 by 後藤祐介
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3 西宮復興まちづくり
支援ネットワークメンバーが語る


写真5

西宮地区位置図

■甲子園口地区

写真6写真7

奥保建築事務所 亀谷 肇

〈木造住宅の約5割が倒壊〉
 13,200戸中木造住宅を中心に、 約47%が倒壊した。

   

〈“文教住宅都市西宮”の東の玄関〉
 甲子園口は、 “文教住宅都市西宮”の雰囲気を持つ住宅地であり、 大阪方面からの玄関口に位置することを再認識する必要がある。

旧甲子園ホテル(現武庫川女子大施設)は文化的建築遺産として大切にしたい。

   

〈夙川に負けない「水」と「緑」と「人」のネットワーク〉
 甲子園口のまちづくりは、 水と緑と人を大切にし、 夙川地区に負けない阪神間地域らしい文教住宅地としての整備を目指すべきである。

   

■浜脇地区

あとりえ玄 速水絋八郎

〈レンガ造酒蔵の被害が甚大〉
 今回の大震災では、 住宅等の家屋の倒壊率は約2割弱で少なかったが、 灘五合の一つ西宮酒造地区の象徴だったレンガ造の酒蔵等は甚大な被害をうけた。

   

〈ヨットハーバー、 酒蔵、 文化人等〉
 浜脇地区の特性は、 ヨットハーバー(堀江謙一)、 砂浜、 黒松、 酒蔵(宮水)、 戎さん、 文化人、 耕地整理、 国道43号による地域分断等があげられる。

   

〈ロマンチック酒造業の復活〉
 浜脇地区のまちづくりは、 民間の活力を生かし、 酒造業施設の観光化、 酒造業通りの遊歩道化、 宮水公園の整備、 旧西宮ヨットハーバーの再活性化と国際化、 御前浜のガーデンテラス化等「ロマンチック酒造業の復活」をテーマに取組みたい。

   

■津門・今津地区

石東・都市環境研究室 石東直子

〈木賃住宅等の被害が甚大〉
 地区内の約13,500戸のうち約2割が全半壊で、 木造賃貸住宅、 長屋等は約4割が倒壊した。

   

〈住と職が併存する住商工の複合地域〉
 津門・今津地区は、 住と職が併存する住商工の複合地域であり、 賑わいと下町的人情に満ちたまちで、 阪神間の住宅地らしさのイメージを持つ甲子園地区とはやや異なる雰囲気を持っている。

   

〈下町らしさと防災性の兼ね合いの工夫〉
 “下町的人情に満ちたまち”を目指しつつ、 防災に強いまちを実現するため、 復興施策として都市型住宅のための街区再編型整備や人と車の折り合いをつける交通セルの提案、 生け垣作戦の展開等を進めつつ、 地元住民の復興まちづくりへの立ち上がりを啓発していく必要がある。

   

■西宮復興まちづくり:まとめ

写真8

奈良女子大学大学院生 藤居由香

〈11グループで地区別復興計画を作成〉
 西宮復興まちづくりの支援ネットワークの11グループのうち3グループの代表者に地区別の被災状況、 地区特性、 復興への視点等を語ってもらった。

   

 私もメンバーの一人であるが、 同じ西宮市内でも地区によって被害状況は勿論のこと、 地区特性、 復興の視点が異なる。

私達は11グループに別れ、 本日お配りしたような地区別復興まちづくり計画を作成したが、 これは各地区の市民に見てもらい、 復興に役立ててほしいと考えている。

   

 石東さんが最後に話されたように、 専門家同志でまちのアイデンティティを語るのもよいが、 私達は地元住民の復興まちづくりへの立ち上がりを啓発していくことが重要だと思っている。

   

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