〈明治以降の西宮のアイデンティティ〉
明治以降の西宮のアイデンティティにかかわるキーワードとしては、 次のうよな(交通)と(園)と(作家達)があげられる。
(交通) -国鉄東海道本線、 阪神、 阪急、 国道2号
(園) -香櫨園、 甲陽園、 苦楽園、 甲東園、 甲子園
(作家達)-谷崎、 佐藤、 井上、 小松、 野間、 野坂、 森田、 村上、 黒岩、 藤本等
〈その他の西宮のアイデンティティ〉
その他の西宮のアイデンティティとしては、 宮水-日本名水百選、 夙川公園河川敷-日本さくら名所百選があげられる。
また、 私は昼に阪神・巨人戦を甲子園で観戦し、 夜に六甲山にドライブして百万ドルの夜景を眺められるまちを西宮の自慢にしている。
まちを紹介する場合は、 自己紹介するのと同じメリハリが必要。
何を大切にしているかをはっきりさせる。
〈阪神間の都市化と沿線地域のイメージの形成過程〉
阪神間地域は、 「理想の住宅地」「良好な生活文化」が地域イメージとして定着しているが、 その形成過程の背景としては、 次表に示すような3つの条件の組合せがあり、 結果として行政界とは異なる地域のまとまりが出来ている。
〈阪急沿線と阪神沿線のイメージアンケート〉
阪急沿線は、 六甲山、 夙川、 宝塚劇場、 阪急百貨店等がクローズアップされる。
阪神沿線は、 甲子園球場、 西宮戎神社、 灘の生一本、 武庫川等がクローズアップされる。
これは古典的なものとモダンなもののバランスのとれた新鮮味のあるテーマであり、 成功しつつある。
但し、 今後の肉付けは、 当然市民が育てていく必要がある。
〈「庶民的」だけではアイデンティティにならない〉
尼崎は「庶民的」というアイデンティティがあるが、 これだけではまちおこしのための「力」にならない。
魅力のあるグレードの高い下町を形成するには尼崎における「近松」の取組みは不可欠である。
土井氏は「阪急は夙川、 阪神は武庫川のイメージを持つ」と。
河内氏は「近松を尼崎のアイデンティティに育てていく」と語られ、 その他にも多くのアイデンティティ育成のキーワードを勉強した。
全体を通しての感想としては、 市民の代表者はまちのどんなところに愛着をもち、 献身的な活動をされるようになったのか。
その自己のルーツを振り返り、 もっと熱く語って頂きたかった。
それがないとコンサルタントの方々や歴史家、 阪急電鉄、 評論家の方々にそのまちらしさを造って頂くという立場に成り下がってしまう。
評論家の河内氏の「庶民的という言葉からは町のアイデンティティは生まれない」という意味を、 市民の代表者の方々はどの様に捉えられたのだろうか。