JUDI関西 「海上都市のアイデンティティ」 浜田法男
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4 積水ハウスが目指した
『海の手六甲』とは
積水ハウス株式会社 山本茂
神戸市の基本構想
民活事業としてのコンペ要項に次のようなことが書かれていた。
位置づけ
21世紀に向けた神戸の新たな発展の基礎づくり
国際都市神戸の独自性を創出して行く拠点形成
目標
国際化、 高度情報化、 高齢化社会に対応した魅力ある第2の海上都市を創出する街づくりの方針
21世紀の新たなる海上文化都市をめざし、 商業・業務機能、 住機能、 文化・レクリエーション機能を備えた魅力ある多機能都市づくりを行う
『海の手六甲』街づくりの基本的テーマ
山の手六甲
自然、 利便環境、 歴史、 文化ファションなど様々な蓄積の上に成り立つ洗練された住環境を備えた地域
海の手六甲
山の手の住環境を踏まえ、 更に新しい価値を付加する
ポートアイランドや既成の周辺土地、 住宅価格に引きずられないもの(アクセス部の貧困さ)や親水性の貧困さ(港湾施設に取り囲まれている)から、 新しい魅力づくりのまちづくりが必要であり、 環境創造型(価値創造型)の街づくりをめざした。
サブテーマ 『住みたい街』=『行きたい街』
『閑静さとにぎやかさ』、 通常相反するものを整合させた『両備性の魅力ある街』づくりをめざした。
街づくりの手法
ゾーニング
超高層、 高層、 低層、 戸建など多様な建築物の同居、 中高層と戸建の自由なラインの境界
建築デザイン
スカイライン(六甲山を海の手六甲の誇りとして位置づける)
3層構成、 分節スリット、 勾配屋根、 街角建築、 設計相互交流(デザインの相乗り)
環境デザイン
街角広場では官民同一仕上げ、 2重街路樹、 緑陰駐車場を実現
街の中での住み替えの効くプラン
多様な個性、 生きがい、 ライフスタイルに対応した住宅供給、 ライフステージに応じて住み替え可能な住宅供給を目指す。
特化住棟、 国際化仕様、 音楽室付き、 ペット対応、 やさしさ仕様など様々な住戸を計画した。
情報発信、 交流の出来る商業施設
アパレルマート整備によるファション情報の発信を期待。
水辺店舗ではFromRokkoをテーマに新ブランド情報の発信をめざす。
外資系企業やホテルからの情報発信を期待。
建築のミュージアムギャラリーとしての街
関西の建築家による作品の実現。
話題性のある建築技術の導入。
街角広場、 モニュメント、 彫刻の導入。
多様な回遊動線
シティモール、 緑道、 せせらぎ、 リバーモール、 シティ・ヒル、 マリンパークなどの設定
コミュニティ活性化の仕掛け
文化アメニティ コミュニティセンター「RICL」、アスレチック、 カルチャー施設
管理情報
CATV、 生活情報システム
衛生放送、 防災管理、 スーパーロビー
コミュニティネットワーク
ウェルカムパーティー、 RICジャンボリー、 盆踊り、 Xマスパーティー
住民、 学校、 島内企業の社会参加
囲み型住棟配置
中庭ではセキュリティゾーンを設けないけものみち計画
生活利便施設
(民)病院、 商業施設、 特養
(官)学校、 美術館、 テニスコート、地域福祉センター
景観規制
地区計画、 建築協定、 戸建地区での共有地システム
バックボーン(基本理念) 人が主役の街づくり
環境重視型の街づくり理念設定 街の主役は人であり、 街づくりの基本は住まいである、 住む人の誇りが街の発展につながる。
住宅屋の街づくり
従来の都市計画手法とは一味違うものをめざす。
住宅中心の街づくり
業務商業施設に制約、 制限を課す。
サイン、 建物の色、 ミラーガラスの反射、 地区施設(街角広場、 シティモール、 エレベーター)
住宅、 住民のための商業施設(利便性情報提供)
住宅屋らしい心づかいが感じられる街
環境づくり、 景観づくりにはじまり、 コミュニティづくり、 日常利便、 管理サービスに至るまで街の熟成を見守る
住む人の原風景になるような街づくり
街角広場、 せせらぎ、 彫刻など子供の心に残るようなふるさとの姿をイメージした
住民の心意気を喚起するコミュニティ活性化の仕掛け
つくり手の志が感じられる街づくりを目標とした。
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