JUDI関西 「ランドスケープにおけるらしさ」 by 上野泰
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まちの基盤としての空間秩序

写真66 今のは町の背景になるものに関してですが、 今度は町そのものが立地している地形的基盤の例です。

これはエーゲ海のシロス島にある町です。

こういうように非常に特異な丘の形態がそのまま町になっています。

こういった基盤構造が町のある特性を造り出しているということであろうかと思います。

写真77 これはアムステルダムですが、 先程の例のような地形に起伏がない平坦地であっても、 水という自然のエレメントとの関わりを創り出していくことによって町の特性が生み出されています。

そういった基盤の起伏であるとか水といった、 色々な基盤条件と上ものとの関係が、 そこに独自の上もののあり方、 建築形態を生み出しているのです。

写真88 これはサントリーニ島の一番北側のイアという町です。

ここは急斜面にこういった町が形成されております。

ここに見られるような上ものの形態は、 地形との密接な関りあいの中で生み出されてきたものです。

写真99 これはバンコクのチャオプラヤ川の向かい側のトンブリというところです。

クロンと呼ばれる水路に面して家が建っておりますが、 これも特異な基盤条件との関係で創り出された町であると言えるでしょう。

写真1010 今のは町全体のあり方と基盤条件との関係ですが、 次にオープンスペースと基盤条件つまり地形との関係を見てみます。

これはエディンバラです。

こうゆう形でオープンスペースを介して、 町の立地の地形秩序、 空間秩序を都市の中に残していく、 継承していく、 ということが一つの手法として考えられると思います。

写真1111 これは私どもがやりました港北ニュータウンの緑道の建設中の写真なのですが、 地形秩序と言いましても、 現在の都市開発の条件の中では、 土地利用効率を上げていく為に、 全体的に既存の地形を残していくということはほとんど不可能といって良いでしょう。

画面の右側に見えているのが既存の樹林です。

それに対して左に見えているのが造成面で、 既存の樹林を帯状に残し、 もとの谷の一方をつぶしながら一方の谷の斜面に腹付をしていくことによって、 谷戸という地形の秩序を残しております。

システマチックに地形を残していくことによって、 町が地形の要素の連続性を開発後も保っていけるようにしたいということと、 切り土と盛り土の境をはっきりと残していきたいというようなことで、 このような計画がなされました。

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