JUDI関西 「アイデンティティとまちづくり」
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復興に向けて

大阪大学

大塚守康

 基本的論旨は先程申し上げたことと同じですが、 復興に関する具体的展開として付け加えさせていただきます。

   

 先程尼崎の話しをさせていただきましたが、 一般に尼崎と比べて西宮の方が環境資質が高いと大括みに認識されているようですが、 夙川あたりは私には芦屋と一帯のように思えて、 JR付近、 尼崎側については武庫川を挟んで尼崎とさして変らないようにも思えるのです。

確かに川沿いの松の緑等は豊かですが、 JRや阪神の周辺においてはむしろ尼崎の方が街としてのアイデンティティは高いように思えます。

今後復興に向けて、 区画整理や再開発毎の枠内で街づくりやアイデンティティの議論がなされるのではなくて、 まず、 甲山や武庫川、 夙川、 西宮戎さんの森などの基盤的インフラを見据えた広い意味での西宮の構造を設定し、 一方で各論となる場の特性に応じたアイデンティティの強化がなされることを期待します。

特に、 中心核のぼけているあたりや、 戎さんにまつわる界隈形成等は、 おもしろい仕事であるように思えます。

阪神やJRの西宮のあたりはなんとなくあっけらかんとしているので、 防災上の広い空地や道路も確保した上ですが、 ビッグステップのように民地のオープンスペース等を活用した入り組んだ狭い空間も必要だと思うのですが。

大きな地域の構造から街のインフラ、 そして界隈と、 どの段階においてもアイデンティティの感じられる楽しい街になるといいですね。

   

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