大地への取組み
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デザインの作法

中村

改行マーク最後に私のスライドを見ていただきたいと思います。

画像nal001 改行マーク写真1は、 能勢町の方の棚田の風景です。 今の都市づくりは自動車の論理で地形がつくられているわけですが、 この当時は、 水の論理で地形がつくられていました。 このような棚田地形の中に、 農道を通そうというような話があり、 道が田舎を壊していくという事態も起こっています。

画像nas002 改行マーク写真2は、 沖縄の「ビオスの丘」というランのテーマパークです。 先ほどは、 農業のための水でしたが、 ここの場合は、 沖縄独特の水に対する悩みを解消していくために、 開発で出てくる水を浄化し、 さらに再利用するということを、 試行錯誤したものです。

改行マーク左の池から右の池に向けて水を濾過しています。 濾過している土手のところには、 珊瑚からできた石が使われております

画像nas003  写真3が、 そのテーマパークです。

画像nas004 改行マーク写真4は駐車場ですが、 トイレから出た汚水を処理した水をためて、 地下浸透させ、 なおかつ浄化しているものです。

画像nas005 改行マーク写真5は、 側溝をラフに作っているというところです。 舗装も、 縁石なんかない方が大地になじんでいくということです。

画像nar004 改行マーク写真6は、 ダムを設けましてため池の水深を5mほどにしまして、 船で回りながらランを見るという仕掛けです。

画像nas007 改行マーク写真7は水面を使ったイベント「花のカーニバル」です。

画像nal004 改行マーク写真8は、 舗装から、 護岸にいたるラフな仕上げです。

画像nas009 改行マーク写真9は植物が生長した様子です。

画像nas010 改行マーク写真10も、 大地に吸い込まれていくような形の道をつくっております。 こういう形で、 デザインとしてはラフなんですが、 地形を活かしたところで、 いかにも生き生きとした生命感が出てきていると思います。

画像nas011 改行マーク写真11は、 地形を活かすために垂直移動するエレベータをつくったというものです。

画像nar006 改行マーク写真12は、 井上卓之先生の美山町の庭です。 これもさきほどの福田先生のお話にあった、 ムラからノラにつながっていく雰囲気をよく出した庭ではないかと思います。 右手の方に斜めに切り込むエッジがありますが、 ちょっと地形の盛り上がりをつくって、 道を隠しているというか、 わずかな境界を示して、 その向こうの風景になだらかに連続していっています。 ですから、 大地の味わいというものを活かしていけば、 巧まずして日本庭園のような形になっていくのではないかというふうに思っております。

画像nal006 改行マーク写真13は、 同じ庭を反対側から見たものです。 借景という言葉がありましたが、 まわりの風景が池に映り込むという意味での借景もあります。

画像nar007 改行マーク写真14は、 先ほど成瀬先生からご紹介のありました三好ヶ丘中央地区の現況林が残してある部分です。 これは、 むき出しの土と木ですが、 これから何か新しいことが始まることを予感させるような風景だと思います。

画像nal007 改行マーク写真15は、 現況林が堂々とした森として残っている風景です。 のっぺらぼうな宅地造成地とは大きく違っているということが分かっていただけるかと思います。

 

改行マークこのようなスライドをお見せしたのは、 成瀬先生のお話しが、 実際デザインとしてどういうふうに生きてくるのかということを、 私なりに示してみたかったからです。

改行マークつまり、 大地の雰囲気を活かすためには、 デザインの方もそれなりの手法を取らなければならず、 見方によっては、 非近代的なデザインになっていくということもありうると思います。 しかし、 実はそれが21世紀的なのではないかと考えております。

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