西崎:
継続する活動に向けて
若干泣き言になってしまいましたが、 そういう難しい問題を抱えて18年間やってこられたわけです。 しかし、 こういう住民参加型のまちづくり協議会は2、 3年やって終わりというものではなく、 エンドレスなものだと思います。 ですから一番のキーポイントは「継続」で、 どうやって続けていくか、 また続けていける体制を持っているのかが問題だと言えます。
18年間続けてこられた背景には、 もちろんやるべき事が次から次へと出てきたからでもありますが、 みなさんの労力は大変なものだったろうと思います。 世話をされる役員さんの社会奉仕の気持ちがなかったら、 まちづくり協議会は成り立たなかったでしょう。 私達専門家もその気持ちに引きずられて来たようなものです。
ただ現場では協議会のみなさんもだんだんと年をとってくるのですが、 新しい役員さんにどう受け継いでもらうかも課題になってくると思うのです。 その辺も含め、 継続ということをどうお考えなのかをお聞かせください。
まず我々の活動が18年間も続けてこられたのは、 ひとえにコンサルタントの後藤さんのおかげだとお礼を述べさせてもらいます。 しかしながら、 そのご苦労に見合うだけの報酬が出せないのが気がかりです。 協議会は住民から賛助金を時折集めているだけで、 ちゃんとしたお金がないんです。 後藤さんにはひもじい思いをさせてしまっているのですが、 まあ糖尿気味だからあまり食べない方がいいかとも思います。
まちづくりを続けるということに関してですが、 まずリーダーがその地域に住んでいて街の人がその人の業績なり人柄を良く知っていることが大事です。 日頃の行いが悪い人がリーダーになると、 すぐつぶれてしまいます。
ここでリーダーに必要とされる条件は古くから住んでいること、 悪いことをしていないこと、 人の言うことをよく聞くことです。 さらに調整能力があることです。 それには人間関係も含まれます。 私は商店街振興組合の理事長を子供の頃から知っていて、 お互い内情もよく知っているから「おい、 頼むわ」の一言で通じ合うことができます。 そういういろいろな関係を持っている人でないと、 リーダーは出来ないと思います。
ただリーダーをやって良かったかというと、 リーダーには経済的な利益は全くありません。 むしろ嫌われる場面も多くあります。 総会の席上で、 例の南北道路に反対している人から「地域の利権をむさぼっている」と言われたこともありました。 即座に「じゃあ会長を替わりましょう」と言いましたが。
それでもまちづくりは止めたらだめです。 油断すると、 すぐに街にヤクザが入ってきますから。 変な業者が出店しそうだったら、 協議会は即座に警察に連絡して調べてもらっています。 協議会がやらなかったら誰も気がつきません。 ですから、 協議会の仕事は今後も続くのではないかと思っています。
私もそろそろ70歳に手が届こうかという年なので、 引退が近づきつつあります。 後任については、 協議会に良いメンバーが揃っているので、 その点は大丈夫だろうと考えています。
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