図にありますのが、 垂水駅前の神戸市施行再開発の計画段階の話です。
垂水の再開発に取りかかる前の市施行の再開発としては、 長田神社の駅前の参道筋の再開発や、 六甲の北側のフォレスタというビルの再開発があります。 その2つは、 駅前広場とか道路を広げるなど、 市の方が最初からこういう計画でやっていくと決め、 住民の理解を得ながら進めていったものです。 それに対して垂水の場合の大きな特色は、 ここの地区に取りかかる時にはまだ駅前広場の計画決定がなかったということです。
そういう方針がないところでの再開発ということで、 昭和50年ぐらいですが、 地元のまちづくり協議会として「垂水駅周辺の再開発を考える会」を作っていただいて、 垂水駅を中心に20haの区域をどうするか、 どういう課題があるか、 という議論から始めさせていただきました。
図の中央がJR垂水駅です。 この北側に山陽電鉄が走っており、 その垂水駅が並んであります。 西側に天神川、 東側が福田川で、 その谷沿いに戦後高度成長期に団地がたくさんできておりますが、 そこからバスで垂水の駅まで来るということです。 垂水の駅まで来るとき、 天神川沿いの商大線を通り、 東西の細い道を通って、 駅前の高架下にあるバス停までくるのですが、 東側からは駅前に入る道がなく、 山側にバス停がないので、 駅から離れたところで回転して戻ってゆきます。 お客さんはみんな駅まで歩いてゆく、 という状況で、 どうしてもこの駅前広場の整備が欠かせない、 ぜひとも必要だということでございます。
併せて、 駅の北側には商店がたくさんあるのですが、 北の方のニュータウンに大きな駐車場を整備した大ショッピングセンターがたくさんできてしまい、 落ち込んでおりましたので、 商店街を活性化したい、 というのも大きな理由です。
その中で、 先ほどの垂水駅の駅前再開発を考える会で駅前広場の取り方をどうするかを議論いただき、 最終的には図の4案にしぼられました。 駅の北側に一つまとめてとって、 その駅前広場に東西南北から寄りつくように道路を広げていくというA案。 それからB案は同じように駅前広場を細長くとるという案。 それからC案は東西にバスルートがあるという垂水の特殊性を尊重して、 広場も東西に分ける案。 それから南に海神社という神社がありますが、 この神社をもう少し南の埋め立て地のほうにもってゆき、 ここに駅前広場をとるというD案。 この4案併記で神戸市の方に提案がなされました。
これに基づいて神戸市の方でいろいろと検討した結果、 最終的にはC案を採用することになりました。 駅の北側は東西に分け二つの地区で市施行の再開発、 それから真ん中は商業ポテンシャルがあるということで組合施行の再開発を誘導していこうというふうになり、 事業が始まりました。
垂水の再開発事業について
図1a 垂水の再開発A案
図1b 垂水の再開発B案
図1c 垂水の再開発C案
図1d 垂水の再開発D案
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