参加型デザインの理論
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現状は、 もっとレベルが低いのでは

菊池隆介〔日本軽金属〕

改行マーク住民参加型というのは、 モノであってもまちであっても別に考えてはいけないと思うんです。 モノをつくる時は使う人の立場にたってデザインを追求すべきだし、 まちづくりであれば住む人の立場で考えていくということですね。

改行マーク現在工場で作られている大便器の97%が洋式便器なのだそうですが、 実際に公共施設や駅などで使われているのは、 バリアフリーのものは別にして97%が和式便器になっているそうです。 何故かというと清掃がしやすいからということで、 管理する側の事情で決まってしまうわけです。 あと、 衛生的なイメージもあると思いますが。

改行マークまた、 自分の車の灰皿を汚したくないから、 窓を開けてタバコを捨てる人間。 あるいは駅前にゴミ箱を置いたら、 みんなが家庭のゴミを捨てるようになって、 ゴミ箱を撤去したという話がありますが、 このモラルの低さに一番の問題があるような気がします。 ゴミ箱を置くことは出来るけれども、 そこに住んでいる人たちにゴミを捨てさせないようにするのがプロの仕事だと思うんです。

改行マーク建設省の仕事をさせていただいた時に、 湯布院の町の都市計画部長さんに「成功された理由は何ですか」と聞いたことがあります。 委員を東京などの大都市から呼んだのですが、 その人達に任せておいたらいいものが出来ないと住民が参加しだしたということでした。 話を聞いた部長さん自身も行政の立場ではなく、 住民代表の気持ちでいたということです。 行政の方がその土地に住んでいてその土地がよくなることを本当に希望して関わっているのか、 住民を納得させるために取り敢えず膝を交えているだけなのかが問題です。 後者の態度では、 維持管理していこうという気持ちは、 住民に生まれないのではないのではないかという気がしました。

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