環境共生型都市デザインの世界
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都市のライフサイクルCO2コストを考える

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図9 都市集積更新における代謝分析の領域
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図10 中之島西部地区における空間代謝分析
 今まで述べた改善戦略のうち、 都心地区の活動については具体的な分析を行なっています。 都心地区には建築構造物が集積していますので、 環境配慮型に更新していくことによって、 どのくらい効果が出るのかを見てみようというものです。

 図9は、 都心が回りの環境や国土スケールによって支えられていることを示しています。 都心活動に伴う廃棄物と都心外の活動からもたらされる廃棄物とに分けて考える必要があると思ってこのような図にしました。

 具体的には大阪の中之島西部地区を対象として、 ここの建物を建て替えた際、 どのようなことになるかを計算しました(図10)。

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図11 都心空間から発生するライフサイクルCO2
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図12 ストックおよびフローの環境改善施策
 図11は地区の内部に由来するCO2と地区外に由来するCO2とに分けて計算した結果をグラフ化したものです。 地区外に由来するCO2がかなりあり、 都心地区は周辺の交通やエネルギーなどで成立していることが分かります。 また、 建築物の更新に伴うCO2の発生は意外に少ないのです。 もちろん構造物のことも大切ですが、 交通やエネルギーシステムのマネージメントがより重要であることが分かります。

 ですからCO2の視点から改善策を考えると、 エネルギーや交通需要を図12のようにトータルにとらえて運用する環境改善施策が必要だと考えられます。

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