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コンパクトシティ

小規模分散自律生活圏の多重ネットワーク社会

コー・プラン

小林郁雄

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コンパクトシティ
コンパクトタウン
コンパクトタウンとコンパクトシティの関係
 

 1996年にイギリスで刊行された「The Compact City」という本の副題は「A Sustainable Urban Form ?」となっている(神戸市役所の若手が神戸市コンパクトシティ研究会というチームをつくり、 こうべまちづくりセンターが事務局となって日本語に翻訳。 なんと、 私たち支援ネットワークが翻訳権をとって2000年3月に「コンパクトシティ−持続可能な都市形態を求めて」として発行している)。

 諸行無常の響きに、 盛者必衰の理を悟るほうが、 なんともはや、 身近に感じるたちなので、 「持続可能/Sustainable」いう語句に、 なんとなくいかがわしさを感じてしまう。 同じように、 「環境共生/Ecological」という語句に隠されているものにも、 人間の生物としてのありよう以上の精神的優位さが先になっているように感じてしまう。 環境と共生するというだけでは、 あまりにも当たり前すぎるというか、 共生している状態が環境ではないか。 なにはともあれ、 持続可能と環境共生は兄弟分のようなもので、 地方分権と情報公開とおなじように、 あるいは、 自律と連帯のように、 本来的には対となってあるべき状況である。

 ところで、 コンパクトシティであるが、 青森県・盛岡市・弘前市・東北地建など何故か東北地方で先進的に研究が進められており、 静岡県島田市や神戸市でも今後の望ましい都市像として検討されている。 1998年度の神戸市の調査研究に参画して、 「コンパクトシティ」構想という調査報告書をまとめた。 その副題が「持続可能な都市づくり・地域発意のまちづくり」である。

 環境とコミュニティと地域経済でつながっていくコンパクトタウン(私は自律生活圏と呼んでいる)の多重ネットワーク社会をコンパクトシティとしている。 環境共生型の都市環境デザインの世界を支えるベースとなる都市像として、 「コンパクトシティ」は決定的に重要な概念であると思う。 兵庫県の提唱している「人間サイズのまちづくり」というのも、 私達がかねてより主張してきた「まち住区=小規模分散自律生活圏」もほぼ同じ都市像である。

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