土地利用計画からのアプローチ
生態学的視点に基づく土地利用評価
シェラプラン
河本一行
生態学的土地利用評価の例/土地採取候補地の適地選定のフロー |
山地の土砂採取候補地の選定にあたっては、 (1)土砂採取・搬出の制約が小さいこと。 (2)環境保全上、 周辺地域に著しい影響を与えないこと。 (3)防災上、 周辺地域に著しい影響を与えないこと。 などを選定条件の基本とし、 広域エリア(大阪湾岸50km圏)から逐次、 土砂採取可能地を絞り、 最終的に土砂採取候補地を選定することを基本とした。 土砂採取候補地の選定は多段階抽出法を適用し、 右図に示すように、 各段階別選定条件に対応する環境データを重ね合わせることにより土砂採取可能地を選定し、 複数の土砂採取候補地を提案した。
自然が何千年何万年にもわたって築きあげてきたすばらしい景観を保全し、 生かしながらいかに人間の技術を融合させていくかということがこれからの環境デザインの最大のテーマだと思う。 環境データを重ね合わせ、 生態学的に評価する方法は、 パソコンで多様なシミュレーションができる現在、 特に広域的な土地利用規制や評価をする上での有効な手法の一つと考える。