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水戸百合が丘ニュータウン六反田池周辺地区計画

エコロジカルプランニングを適用した住宅地開発

大成建設環境デザインGr

蕪木伸一

 まちづくりのコンペで当選後、 建設省の環境共生住宅市街地モデル事業に適用され、 調査から施工まで総合的な環境配慮型事業として進められた。


大地の保全

 自然地形を活かし、 造成による土地改変を最小限にする。 住宅地も自然の地形を極力残しながら、 クルドサックを基本として道路を計画し、 住宅の配置を地形に合わせながら街並みを計画した。


水環境の保全・創出

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水循環計画図:地形の状況に合わせた水循環システム
 開発前後で大地の保水力・自然の水循環機構を維持する。 浸透性の舗装やトレンチで地下水を涵養し、 また雨水を貯留しソーラー利用でせせらぎをつくり生態系を充実させる。 流入水に対しては、 生物付着担体を利用した生物浄化水路を整備し水質を維持する。


生物環境の保全・創出

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生態環境ゾーニング:自然の活性度に応じた土地利用
 階層的空間秩序、 郷土種の利用により生態系を多様化・安定化する。 植生および動物調査に基づき、 自然の階層(5タイプ)にあわせて土地利用を計画し、 自然性の高い場所は人の進入を制限し、 計画地における自然の核とする。 その他の場所は自然性に合わせて利用方法を設定し、 既存植生を活用しながら、 自然遷移を考慮した整備を計画した。


微気候環境計画

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微気候環境評価:外部空間の微気候の快適性を評価
 広域大気シミュレーション、 アメダスデーターの解析、 現地実測により、 計画地の気象特性を把握し、 外部デザインの指針とし、 快適性の評価を加えた。 また、 微気象下における住宅の熱特性を予測し、 快適性や省エネルギーの評価を行い、 微気象特性を最大限に活かした住宅のパッシブ手法による省エネルギー計画を行った。


まとめ

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マスタープラン:水環境、 生態計画、 気象特性を統合化
 自然の土地の起伏を残しながら自然地形に沿って住宅を配し、 潤いのあるシークエンスの豊かな街並みを形成した。 池や沢の周囲では、 自然と住宅地の中間領域でアクティビティを高め、 自然との共生を図り、 豊かなライフスタイルを形成する環境を目指した。

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