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自然を都市に引き込み中心街を蘇生

ベルリン・ポツダム広場広域街区

鳳コンサルタント環境デザイン研究所

佐々木葉二

 ベルリンの壁崩壊と共に始まったポツダム広場再開発計画(約6.7ha)は、 ヨーロッパ最大規模の再開発計画として注目をあびている。 東西の壁が築かれて以降、 地雷の埋まる荒涼たる「果て」の地であった当地は、 現在ベルリンの「中心」街として近代的なオフィス、 娯楽センター(ダイムラーベンツ・プロジェクト、 ソニーセンター、 文化施設、 アパート、 ショッピングアーケードなど)が完成。 この計画の環境共生のデザインの特色は次の3点である。

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 第1は、 都市中心部の広場が島のように水面に浮かび、 その水面が南の水路とつながり、 緑は北側の「ティアガルテン(都市公園)」と一体になって、 周辺の自然を都市中心部に引き込む手法がとられていること。

 第2にこの水は、 各ビル群屋上部への雨水を集水して「遊水」として再利用したリサイクル水であること。

 第3の特色は、 街区の水面に花ではなく野生の水性植物(ヨシ系)を群落として繁茂させているところである。 リサイクル水は、 この水性植物の砂泥質の土壌を貫通して生物浄化され池に放流される仕掛けとなっている。 このように敷地の水分条件に対して適応範囲の広い植物特性を生かした自然回復の考え方は、 従来のロマンティックな花壇植栽にはない新しい都市の個性を映す自然観のあり方を予感させる。

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