さいたま新都心の「けやきひろば」は、 1994年の国際コンペ以来6年の歳月をかけて完成したものである。
コンペでのコンセプトは、 近くの氷川神社の境内をそのまま切り取ってきたかのような濃い緑の影を落とすケヤキによって広場を覆い、 それらを人工地盤システムや水循環システムなどの最新技術で支えるといった全く新しい空間構造を提案したものである。
けやきひろばは、 広さ約1haの新都心のシンボルとなる広場であり、 埼玉県の県木として親しまれているケヤキを人工地盤上に220本植えた「空の森」である。
春の新緑、 夏の緑陰、 秋の紅葉、 冬の木立、 と四季折々のケヤキの姿を通して、 自然の移ろいを身近に感じることができる。 220本ものケヤキは、 美しさだけでなく、 空気を浄化したり、 ヒートアイランド効果を緩和したり、 緑の効用も期待できる。
この世界に例のない緑豊かな人工地盤上の「けやきひろば」の最大の特色は、 これまで人々と「街」との関わりの主役であった「建築や道路などの構造物」が、 ケヤキという「自然」にその座を譲ったところにある。
「空の森」持ち上げられた大地
さいたま新都心・けやき広場(1)
鳳コンサルタント環境デザイン研究所
佐々木葉二
「空の森」
「空の森」基本概念
持ち上げられた床
アーススラブ・システム図
「空の森」鳥瞰パース
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