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環境教育広場の試み

身近な環境を実感し考える(大阪府高槻市富田団地)

ランドデザイン

中村伸之

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自然の石を感じよう 撤去したコンクリート平板の再利用  まくら木のトレリス 浸透性の側溝。 エッジはコンクリート  平板の再利用
 

 富田団地(1971年入居開始)の屋外空間をリニューアルする「総合的団地環境整備事業」の完了に当たって、 環境教育の場となるような広場を小学校前に作ることとなった。

 そこで、 子供たちが身の回りのモノを通じて、 環境や物質循環について感じ、 考えるきっかけとなるような広場を提案した(以下は現地の解説板の文章)。


物質の来歴や存在感

 「自然の石 地下の深いところでマグマがゆっくり固まってできた花崗岩です。 自然の石の硬さや手触りを感じましょう。 地面と温度はちがいますか?」。

 「みんなのお花ばたけ 小学校の前に、 いろいろな種類の花を植えました。 名前をおぼえて、 色、 香り、 葉の形、 花の咲く季節を観察してください。 あなたはどの花が好きですか?」。


素材の再利用

 「コンクリートの再利用 ここで使われていたコンクリート平板を再利用して舗装にしました。 少しでも廃棄物をへらすためです(建設工事からでる廃棄物は、 全産業のゴミの4割を占めます)」。

 「まくら木の舗装 鉄道の線路にしかれていた、 まくら木を再利用した舗装です。 じょうぶな木材でつくられています。 このまくら木の上を、 何両もの電車がとおってゆきました」。


雨水の循環

 「雨のゆくえ 雨がながれてきて、 この溝にあつまります。 溝には小さな石がしきつめられ、 たまった雨は、 ゆっくり流れながら地面にしみこんでゆきます」。

 「雨がしみこむ舗装 このアスファルト舗装は、 すきまが多く、 雨がしみこみます。 そのため、 水たまりができにくく、 地面にうるおいをあたえます。 しみこんだ水は植物を育て、 地面の温度をさげます」。

 

 ここはもともと、 コンクリート校舎の北面に面しているため、 暗く憂鬱な感じがした。  これでは登校拒否をしたくなるのではないかと心配になったので、 “子供”という生き物が生き生きと暮らせる「ビオトープ」をつくろうと思った。

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