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“風車”のある風景

グランドプラン

津田勇夫

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瀬戸町農業公園(奥が風車) 風車 風車足もとの温室
 

 佐田岬半島は、 愛媛県から九州へ向けて細長く突きだしている。 山と海が迫り、 複雑に入組んだリアス式海岸の、 風光明媚な場所である。

 地形上、 年間を通じて、 常に強めの風が吹く地域でもある。

 半島のほぼ頂部を縦断する国道197号「メロディーライン」沿いに道の駅「瀬戸町農業公園」がある。 半島のちょうど中ほどである。

 

 ここには、 定常的に吹く風を利用した、 風力発電施設がある。 地元では“風車”と呼ばれている(オランダの風車のイメージとは異なるのであるが)。

 この風車は、 実験プラントとして、 風車のたもとに設置された温室に電力を供給している。

 同じ町内で複数の風車を設置し、 さらに本格的な風力発電を行う計画があるそうである。

 

 発電装置として必要な機能とスケールから決ってきたフォルムであろう、 無骨な印象の風車が、 半島の山頂に屹立するランドマークになっている。

 今はあまり見慣れない風景であるが、 より本格的な環境共生の時代になっていけば、 これが当り前のような風景になっていくのであろうか。

 

 余談になるが、 この風車の隣町には、 原子力発電所がある。 風力発電と原子力発電が隣り合っているのは、 不思議な感じである。

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