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こうした風景が「霧のように融解してとらえどころのない、 見えない都市」になるのかもしれません。
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ここでは風景の意味を読みとれない状況になっています。 私にゆとりがあって風景として見ようと思っても難しい状況です。
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さて私は98年の海外セミナーで入江泰吉さんの写真集『うつろいの大和』(朝日新聞奈良支局編、 かもがわ出版)に載っている、 40年ほど前の奈良の写真と現在の写真を比較したものをお見せしたことがあります。 そうすると古都法などで守られているはずの奈良でさえも激変していることが分かりました。 我々が関係する都市の建設、 河川の改修やモータリゼーションなどが、 風景の喪失に関係していると言わざる得ない状況になってしまっています。
私が生まれたのは横浜の郊外ですが、 子供の頃は身近にいくらでも昔の奈良のような風景はありました。 しかし、 現在の様子は大変な変貌ぶりです。 日本の都市はどこも、 程度の差こそあれ風景として立ち現れにくい状況になっていると言えます。