これは石垣の例ですけれども、まちを歩いているだけで南国のイメージが伝わってきます。町としてそういうふうに取り組んでいる一番の例は千葉県の柏市というまちです。『失敗に学ぶ中心市街地活性化』にも柏市の事を書かせて頂いています。
柏は関西ではあまり知名度はないと思うんですけれども、ほとんど町のソフトの活動をろくにしていなかった柏が、この10年ソフト活動だけで非常に元気になっています。その柏の取り組みをみると、10〜15年、本当にやる気のある人が真剣にやれば、別の世界、別のイメージが出来てくるんだなあという可能性を感じさせてくれます。実際に出来ているんです。もし興味があれば本を読んで下さい。
その柏で一言だけ言いますと、横浜は、横浜という名前を聞いただけでイメージが良くて、横浜に行きたいとか、住みたいとかという問いに70〜80%が「はい」と答えています。同じ内容のアンケートを柏でやると「はい」は10〜20%。私はもともと関東ですからある程度柏の事も知っているのですが、やはりイメージは低くかったのです。
そこで柏はこの10年間ずっと柏のイメージを良くする取り組みをやってきたわけです。そういう努力をするかしないかは、最初はちょっとずつの差ですけれども、10年後はかなりの差になるんじゃないかな、ということが今日最後に言いたい事です。目標をしっかりと持って、一歩一歩そこに近づくという姿勢が大切ではないかと思います。
そういった取り組みをするリーダーはリーダーシップを持って一生懸命やらなくちゃいけないし、色んな方を巻き込まないといけないのですけれども、やはりこれからやるべきまちづくりの一つの大きなキーワードは「イメージづくり」だと思います。
竹富島は石垣島から船で10分くらいなのですが、島そのものがもう「自然」というイメージそのもので、ここにいると時間が止まるんですよね。石垣というのは結構都会で、石垣港の利用者は年間190万人にもなると言われています。飲屋街も300軒くらいあるし都会なんですけれども、たった10分かけて竹富島に行くと時間が止まってしまう。 私の場合は石垣=自然のイメージが出来てしまっているわけです。 イメージというのは我々も良いところに行くと良いイメージになったり良い感情を持ったりするというのがあると思うし、その逆もあると思うので、イメージを創っていくというのは大事だと思います。
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今言ったような事が、私ここ何年かまちづくりをやらせてもらって気づいた点でございます。以上ざっとではございますが、ここまでと致します。ありがとうございました。