左の写真はバルセロナ市内、右の写真はパリのポンピドーセンター前のカフェ光景です。
しかし、そんな中で広島ではオープンカフェ運動をけっこう古くからやっています。写真は最近の様子ですが、市民にも歓迎されているようです。その装置が「オクト・カフェ」です。可動のキッチンです。「オクト」という名称は八角堂(オクタゴン)に由来しますが、同時にオクト(置くと)カフェになるというしゃれでもあるんですね。 オープンカフェ
■ヨーロッパのオープンカフェ
ヨーロッパのオープンカフェ
ヨーロッパの都市では、オープンカフェをよく見かけます。日本にもこういうカフェがあったらいいなあと思うのですが。
■広島のオープンカフェ運動
広島のオープンカフェ運動
日本では道路や公園などの公的な場所での商業利用が極めて厳しく制限されています。だから、日本にもオープンカフェがあったらいいと思うのですが、ないのが現状です。ヨーロッパではそこら中にあるオープンカフェが、なぜ日本では実現できないのかが、私たちの考えるべき課題です。
なお、このリバーカフェやオープンカフェの実験については、2004年2月の都市環境デザインセミナーミニ社会実験:リバーカフェ」、2007年4月の都市環境デザインセミナー「魅力ある都市の特質とその魅了アップ」で報告しております。また『都市の魅力アップ』という本にも書きましたのでご覧ください。
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北浜テラス |
河川法によって河川上の商業利用は禁止されていますが、鴨川の納涼床に限っては認められています。それは以下の理由があるからです。
■鴨川の納涼床
鴨川の納涼床(京都市)
納涼床が成立している背景
私は鴨川の納涼床は日本の文化遺産と言ってもいい都市環境の宝物だと思っているのですが、大阪の河川でのオープンカフェの成功は京都の納涼床が成立している状況とよく似ています。
(1)昔から続く伝統的な行いであること
(2)地元の人が地元のために組織化して取り組んでいること
(3)自らルールを定めてそれに従って行っていること
(4)それが公共的な利益にかなうものであると行政が認めたこと
このように、都市大阪創生研究会がリバーカフェの実験で発見したことととてもよく似ています。ですから空間の使い方を提案するだけではダメで、許可を出す相手を説得しないといけないのです。デザインするだけでなく、状況を組み立てることが大事です。冒頭で言ったように、「魅力的な自由空間を作り出すためには社会的文化的な現象として組み立てる観点が必要」というのは、こういうことです。
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