若者のための都市環境デザイン入門(土木編)
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具体例−道路の土木デザイン

画像skl021 〈写真21〉

改行マーク土木の重要なテーマの一つに道路、 あるいは街路があります。

改行マーク右側の御堂筋にしても、 建築が主役で都市景観が作られているとは感じます。

しかし、 道路がなければ成立しない景観です。

そういう意味で、 道が景観にとってのインフラストラクチャーになっていることが、 よく分かるかと思います。

改行マーク左側は、 東京の神宮絵画館のところです。

この並木自体がビスタを作っている風景です。

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画像skl022 〈写真22〉

改行マーク左側の京都・石塀小路に着目してください。

建築物の外溝、 擁壁自体が小さな都市景観の基調を作っているわけで、 こういったところからも、 小さな土木の重要性が分かっていただけるかと思います。

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画像skl023 〈写真23〉

改行マークフランスがもっとも典型的なのですが、 都市軸といわれる道路があります。

その代表がシャンデリゼ通りです。

凱旋門があって、 反対側を向くとコンコルド広場があります。

ギーディオンの『空間、 時間、 建築』という本がありますが、 その中には、 フランス人は都市軸が好きだと書かれています。

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画像skl024 〈写真24〉

改行マークシャンデリゼをまっすぐ行くと、 右の写真のラ・デファンスに突き当たって、 グランダルシェのところに行きます。

非常に長い都市軸です。

改行マーク左の写真は、 パリの郊外にあるニュータウンの1つであるセルジー・ポントワーズです。

アックス・マジャール(大都市軸)といって、 幅が160mぐらいある都市軸を作っています。

改行マーク写真の奥の方をよく見るとちょっと高くなっています。

その高くなっているあたりがラ・デファンスの超高層ビルです。

ですから、 シャンデリゼの延長の都市軸が、 左側の写真でいきますと、 右の方へ、 セーヌ川のところまでいく。

アックス・マジャールの方も、 ずっとまっすぐセーヌ川まで行って、 セーヌ川の中の島の上で交わるように作られているのです。

改行マークですから、 非常に壮大な都市景観、 スーパー都市スケールの景観を、 この都市軸、 つまり道路によって作っているわけです。

そういう形で、 土木が都市環境づくりに貢献しています。

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画像skl025 〈写真25〉

改行マークラ・デファンスのグランダルシェも、 都市軸があるからいいのです(右)。

大阪の梅田にも、 真ん中の空いた建物があって、 一見非常によく似ています(左)。

似て非なるところはどこかといえば、 都市軸があるかどうかです。

改行マークつまり、 新梅田シティにの長軸方向には都市軸となる街路がないため、 都市のごちゃごちゃとした雑踏の中を、 この建物がさまよっているかのようにしか私には見えないのです。

改行マーク建築と、 基盤をなす土木が、 協調して都市環境づくりをしていかなければ、 変なことになるといった一例です。

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画像skl026 〈写真26〉

改行マークエッフェル塔も右の写真のように都市軸を作っています。

そのためには下を空けないといけませんから、 左の写真のように斜行エレベータを作っています。

これに対して、 日本のテレビ塔とか東京タワーとかは、 真ん中にエレベータータワーを作るといったことを平気でするわけです。

構造物の方で都市へのつながりを拒否しているというか、 まるで考えていないという状況です。

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画像skl027 〈写真27〉

改行マーク壮大な風景の中にこういう橋があることによって、 両者が引き立てあうということがあります。

私は、 こういったものを風景土木と呼んでいますが、 一方で、 風景を台無しにするようなことを土木は平気でしています。

 

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