アジア太平洋の地域の都市環境デザインの新しい流れ
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5 都市設計審議地区の指定と審議制度


1 審議地区指定の作業

画像ti037 改行マーク都市計画の細部計画図面です。 ここでは都市デザインのガイドラインが記入されています。

画像ti038 改行マークさらにその作業過程を説明します。 たとえばこの地域は以前は蒋介石氏が住んでいたところですが、 今は歴史的官邸(庭園を含む)として公開しようと考えました。 そこでまず、 官邸とその周辺一円の細部計画を変更して特別地域にしました。 その際を利用して、 地域を都市デザイン審議対象地区に指定しました。 この図はその時、 都市デザインガイドラインを検討するため作られた図面です。

改行マーク庭園の周りには、 商業地域をどう付けるとか、 地下鉄の駅とどう連絡するか、 細部計画の中で全部検討されました。 今後、 この地域内の建物や都市空間は全て審議にかけなければなりません。

画像ti039 改行マークその他、 審議地区指定の検討やデザイン審議の時、 模型も必要となっています。

画像ti040 改行マークまた、 地域によっては、 このような住民参加も行ない、住民と専門家と行政が一緒に、 将来の状況を考えて行きます。

画像ti041 改行マークこれは専門家による住民説明会です。


2 審議作業の流れ

画像ti042 改行マークこれは審議の情況です。

改行マーク大規模な建築物についてはこのように模型がつくられます。 図面を説明しているのは建築家です。 こういった図面、 書類等は幹事会を通ってから審議会に持ち込まれます、 その作業の流れについて、 次の表で詳しく説明します。

画像ti043 改行マークこの表は審議作業のフローです。

改行マーク簡単に説明すると、 まず申請に必要な図面、 書類等を揃え、 都市発展局の窓口に申込み、 審議委員会幹事会の初審の時間がセットされます。 次に、 幹事会の初審を受けますが、 ここでは主に図面や書類のチェック、 設計内容の基本条件、 例えばデザインガイドラインや一般法規を守っているかどうかなどの検討を行ないます。 また、 幹事達が自分の所管の業務内容について、 又、 それぞれの専門知識に基づいて、 デザインの内容、 例えば、 公園処の幹事はオープンスペースの植栽に対して意見を出します。 幹事会は関連部局の課長や係長により構成されています。 幹事会の初審が通れば、 審議会に提出し、 委員達の審議を受けます。 もし通らなかったら、 差し戻され、 修正したあと再び申込むこととなっています。

改行マーク当初は幹事会手続きに必要な時間が決められていなかったため、 いろいろと揉めたことがありましたが、 今は2週間と定めています。 そして審議会に持ち込まれると45日間で結論を出さなければなりません。 約1ヶ月に一度審議会を開きますが、 大規模なものや重大な計画に対しては、 半日かけても3つか2つしか審議できません。 そのため、 このような計画については、 先に小委員会を設けて、 予備審議(一回から数回まで)を行っています。 そこで結果を得られてから大会に移し、 全体委員の審議を受けます。 この場合小委員会の意見が多くの場合尊重され、 審議効率が高まっています。

改行マーク一般(大規模なものを含む)の建物は審議会(大会)を通らなければならず、 駄目なものは持ち帰りとなります。 また、 審議対象となるものは都市デザインの審議が通らなければ、 建築の許可がおりない仕組みです。


3 審議委員会の構成

画像ti044 改行マーク審議会のメンバーは、 アーバンデザイン、 建築、 都市計画、 交通工学、 植栽、 造園、 さらに社会学などの学者、 関係部局の局長、 建築業者や民間公益団体の代表などで構成されています。 しかし関係部局の局長委員は、 主に自分の関連職務だけをチェックしています。

改行マークこの委員会のメンバー当初は7人だけでした。 しかし審議対象がどんどん増え、 問題も複雑になり、 既存の委員会で対応できなくなったのです。 例えば再開発の問題に対応するため、 社会学の先生も入ってもらわなければならないといった形で、 いまは21人まで増えてきました。

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