住宅時事往来No.10
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いまの住まいにとても満足
生活は便利だし友達も仲良し

Oさん

プロフィール:モンゴル出身、 23歳、 男性。
1995年4月に国費留学生として来日。
日本語学校で1年間学んだ後、 現在、 電子専門学校で勉学中。
1年後に卒業したら、 日本の大学に進学希望。

 

―来日の経緯と居住歴を聞かせてください

 首都ウランバートル大学で電子工学を専攻していたが3年生のとき、 日本に留学を希望して来日した。

家族が住んでいたのは、 ウランバートルの西 300キロにあるダルハンという町で、 モンゴルには大きな町はこの二つしかない。

町の住宅は、 社会主義国家の時代に建設された集合住宅で、 5・9・12階建ての 3種類しかなく、 部屋のスタイルも全部同じだ。

ここで7・9・15畳の3部屋に両親、 兄姉、 弟2人と住んでいた。

来日してすぐ、 文部省が指定した横浜の日吉近くにある学生寮に住んだ。

男子専用の 8階建ての寮で、 1000人ほどが居住していた。

約 5畳ほどの個室でホテル形式、 浴室・キッチンが共用、 それに食堂が利用できた。

生活上、 とくに困ったことはなかったが、 ここから約1年間、 新宿にある日本語学校に通ったので通学時の電車のラッシュにはたまげたし、 共同で風呂に入るのにもまごついた。

けれども、 どちらもモンゴルでは経験したことのないおもしろい体験だった。

その後、 級友のトンガの留学生の先輩が紹介してくれて、 2人とも1998年の4月にいまの住まいに移った。

その先輩は、 留学後帰国して、 現在、 トンガの大臣になっている。

自分の場合、 住まいについては恵まれていて、 日本に来てからまったく苦労していない。

―いまの住まいと生活について聞かせてください

もとは一つの住宅が 4つの個室と共用部分とに分けら

れていて、 家賃と管理費で約5万円、 入居時の礼金と敷金は1ヵ月ずつ、 2年契約である。

それぞれの個室に、 日本人(建築)、 ドイツ人(デザイン)、 トンガ人(電子工学)、 モンゴル人(電子工学=Oさん)の学生が住んで共同生活をしている。

おなじ学生同士なので、 みんな仲がよい。

週末になると、 それぞれが友だちを連れてきて、 みんなで飲んだり食べたり、 話をしたりして楽しむ。

このあいだは、 ベランダで夜おそくまで話していたら、 隣のビルのだれかが連絡したらしく、 警官がやってきてびっくりした。

文部省から月額15万円の支給があるので、 生活には困らないけれど、 アルバイトはしている。

週3日間 5〜8時まで、 時給 800円で、 とんかつ屋の調理場で揚げ物を手伝っているが、 主人に見込まれ、 週 4日来てほしいと言われて断れなくなった。

―いまの生活にとても満足しているようですね

このマンションの近くには、 スーパーもコンビニエンスストアもあって、 肉、 パン、 野菜、 ビールなど生活に必要なものが何でも安く手にはいるので暮らしやすい。

なによりも、 学校に歩いて通えるのがうれしい。

それに、 アルバイト先から夜帰るときは歌舞伎町を通ってくると、 いろいろな人たちが観察できるので社会勉強になって楽しい。

いまの住まいがとても気に入っているので、 来年、 日本の大学に入学できたら、 ぜひ契約を更新したいと思っている。

(インタビュー:太田多圭子・塩路安紀子 文責:太田多圭子)

プラン
Oさんの個室
RC造民間賃貸マンションの13階、 個室6畳大
共用の444DK・バストイレ、 家賃4万円、 管理費1万円。新宿区大久保

プラン
一世帯用住戸を4個室の学生用アパートに改造

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