阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワーク
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5 まちづくりコンサルタント/プランナー

復興市民まちづくりにおける、
まちづくりコンサルタント/プランナーの役割

 まちづくりコンサルタント/プランナーは、 震災直後から復興市民まちづくりを推進していく重要な役割を果たしてきた。 震災後いち早く、 コンサルタント/プランナーネットワークを結成し、 市民の復興まちづくりを支援する体制を整えてきた。

 区画整理や再開発等の都市計画事業地区では、 行政の方針によりまちづくり協議会がすべての地区でつくられたが、 まちづくりコンサルタント/プランナーは、 これらの地区組織に対して派遣コンサルタントとしてまちづくり構想・計画づくりなど専門的・技術的なまちづくりの支援を行うとともに、 住民と行政との間に立って、 様々な調整役を行ってきている。 事業地区以外においても、 建物の共同化・協調化事業、 マンション再建事業などに対して住民の支援を行ってきている。


まちづくりコンサルタント/プランナー、 住民、 行政の関係

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まちづくりコンサルタント/プランナー、 住民、 行政の関係
 こういった、 まちづくりコンサルタント/プランナーの役割を理解するためには、 利害が対立しているどちらかの利益を守るといった単純な構図では理解しにくい(下図右)。 下図左に示すように、 住民・行政・まちづくりコンサルタント/プランナーの三者がそれぞれの役割を果たしながら進めてきたのが、 多くの例に見られる復興まちづくりの経緯であり、 この関係がうまく作用しないと、 復興が立ち後れるというのがこの間の教訓である。 こういった関係において、 まちづくりプランナー/コンサルタントは、 復興まちづくりを進めていく“コーディネーター”の役割を果たしているところが多い。


まちづくりコンサルタント/プランナーの
おかれている現状と今後の課題

 これまで、 まちづくりコンサルタント/プランナーは、 自らの専門性を生かした自主的な活動を行ってきているとともに、 まちづくり協議会の支援や建物の共同化・協調化等の事業に関しては行政の支援制度及び阪神・淡路大震災復興基金に支えられて活動してきた。 これらは、 いまのところ震災という時限的なものであり、 復興まちづくりを通じて得た多くの蓄積・資産を、 平時のまちづくりに生かした体制・制度を確立していく必要がある。

 また、 多く放置されたままになっている白地区域の支援の強化や、 現在多く結成されたまちづくり協議会を今後どう維持し発展させていくか、 “コーディネーター”としてのまちづくりコンサルタント/プランナーの力量が問われているところである。

 しかし一方で、 被災地におけるまちづくりコンサルタント/プランナーの数が足らないことも事実である。 特に次代を担う若い力が、 この事業を受け継ぎ、 発展させていくことが求められている。

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