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17)シューズギャラリータウン構想
−新長田駅北地区(東部)

久保都市計画事務所 久保光弘

「論集きんもくせい」第4号

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シューズギャラリーのイメージ(小規模の場合)
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地域産業と生活と生活環境の善循環システム
 新長田駅北地区(東部)では、 土地区画整理事業におけるまちづくりが進められ、 仮換地が進むにつれて、 まちづくりのビジョンを共有化していく必要が認識されてきた。 そして、 そのまちづくりのコンセプトとして、 (1)エスニックタウン構想、 (2)シューズギャラリータウン構想、 (3)快適居住構想が提案された。 長田は、 住工商混在地であり、 ケミカルシューズ産業を中心とする地域産業復興は、 地域文化振興につながり、 魅力あるまちづくりの大きな資源となる。 エスニックタウン構想と連携したケミカルシューズ産業の新しい展開が、 来街者の増加や地域の活性化につながる。

 シューズギャラリータウン構想は、 くつのまち長田の中堅企業を中心にしたイノベーション・ニーズを広げ、 新しいマーケティング・システムの開発によるまちづくりを目指すものである。 既にシューズ・パイロットショップ実験事業が動き出している。 付加価値の高い商品づくり、 産地ブランドのPR、 消費者との直接チャネルの開発を狙う。 外部資本の参加を得て、 長田だけでなく全国主要都市にパイロットショップを展開する。 長田の機械金属メーカーが開発したフットスキャナー(足型測定器)をパイロットショップに設置し、 その人に最適の靴型を参加シューズメーカーの登録靴型から選び、 製造販売する。 メーカーに参加を呼びかければ、 長田全体では、 3,000〜4,000の靴型の確保が可能と考えられている。 これにより、 通信販売も可能になる。 また、 既成品の値段でオーダーメイド並の商品を提供することもできる。 これにより、 長田独自の流通チャネルを持つことができるのである。

 地域産業活性化は、 まちづくりと一体的に考えていくことが必要である。 靴は、 ファッション商品としての価値だけでなく、 スポーツ、 福祉、 健康、 医療など多様な分野と連携していくことができる生活商品でもある。 スポーツ都市づくりや福祉のまちづくりと連携していくことが考えられる。

 新長田北地区(東部)では、 まちづくり提案の中で、 基盤整備計画や土地利用計画とあわせて、 シューズギャラリー先導地区や業務サービス育成街区をまちの中心となるコミュニティ道路沿道に位置づけている。 複合的機能が相互に作用する中で、 新しいまちづくりが試みられている。

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