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六甲道駅南地区は、 今回の震災で大きな被害を受け、 多くの建物が全壊又はそれに近い状態となり、 9割以上の住民が避難所や親族・知人の家等に避難していた。 そのような状況の中で、 市街地再開発事業の計画案が公表された。 地区内にわずかに50世帯ほどの住民が建ち残った住宅に住み続けており、 その住民達が集まり、 性急な都市計画決定を待って欲しいという署名を集め、 避難している人にも呼びかけて数百通の意見書を提出したが、 結果的には声が届かず決定された。
都市計画決定はされたものの、 住民としてどのようなまちにしたいのかを具体的な計画としてまとめることが、 今後、 市と住民が話し合い、 計画を詰めていく上で重要だという認識のもとに、 住民による計画案づくりの取り組みがはじめられた。
都市計画決定直後の3月21日から4月6日という短期間に住民50人程度の参加した2回のワークッショップを行い、 神戸大学支援チームのボランティアにより計画案をまとめた。
計画案の特徴は以下の4点にまとめられる。
24)地元案−六甲道駅南地区
神戸大学 児玉 善郎
「きんもくせい」8号
第1回ワークショップ−各グループの計画案を全体に発表
第2回ワークショップ−計画模型をもとにディスカッション
住民による計画案(模型写真)
(1)地震前の低層の住宅市街地の雰囲気を残す、 低・中層住宅中心のまちとする。
現在、 地元の自治会を中心として、 避難している住民も含めたまちづくり協議会づくりを進めており、 具体的な計画の内容を詰めていこうとしている。 この住民計画案づくりに参加した50世帯の住民も協議会の中に参加し、 この計画案を参考にしながら、 住民全体の意見が反映した計画内容を詰めていこうとしている。 今後、 まちづくり協議会において、 住民の意見の反映した計画内容についての合意形成が図られれば、 市としても都市計画決定した内容を含めて、 柔軟に考えていくことが求められるだろう。
(2)JR六甲道駅周辺の街区は、 副都心の機能として、 商業・業務だけでなく、 病院、 区役所出張所、 デイサービスセンターなどの公共的な機能を整備する。
(3)1haの防災公園をまとめてとるのではなく、 日常生活に潤いを生み出し、 災害時にも有効に機能する水や緑を住宅街区に分散させて配置する。
(4)借家人や単身世帯も地区内に住み続けられるように、 多様な供給主体、 多様な規模・形態の住戸を整備する。
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