手づくりエレキギター 


身近な部品でエレキギターを作りました。そのノウハウを一気に大公開します。参考にした文献等は全くありません。市販ギターを分解して、同じ仕組みを科学センターにあった部品だけで作ったものです。(新たに購入したのはネック反り防止のためのアルミフレームだけです。) したがって、ギターの仕様などは全くのオリジナルになっているはずです。 (一例・フレットにアクリル三角コーナーを使用したこと,それをアクリル指板に薬品で接着または木版に超薄両面テープで接着し両端をドレッサーで一気に整形することにより高低差のほとんどないフレットを作る手法。) これら細部の手法はその後,他の実験本や教科書会社関係の小冊子などに多く取り入れられています。
 
NHKハイビジョン出演,サイエンスチャンネル「実験の鉄人」出演,H9青少年のための科学の祭典冊子多数掲載、H9京都市中学校理科研究会夏季研修講座冊子掲載、京都市青少年科学センター報告H10掲載
左から6弦スケルトンモデル、6弦エレキギター、4弦エレキベース
 
どれも、十分に演奏に使えます。手づくり楽器バンド「HANDMADE」の演奏に用います。
 
この他にも1弦、2弦、3弦ギターなどを数多く作りました。
 
(エレキベースの詳細はベースのページをご覧下さい。)
◆エレキギターの仕組み
 
 エレキギターは本体にマイクが仕込んであり、それで音を拾っていると思っている方が多いと思います。確かにそういうタイプのギターや、アコースティックギターに取り付けるマイクもありますが、多くのエレキギターは「ピックアップ」を用いて、金属弦の振動のみを電気信号に変えています。つまり、エレキギターにクラシックギター用などの非金属の弦を張っても音は拾わないのです。
ピックアップの仕組みについては「ピックアップ原理説明装置」のページをご覧下さい。
◇簡単にできるピックアップ
 
・丸形フェライト磁石
(または円柱形アルニコ磁石。その時は直接ホルマル線を巻く)
・鉄芯(軟鉄)
・ホルマル線(細い方がよいが切れやすいので0.2mmを100回程度巻く)
・接着剤(アラルダイト)

 

(写真左)
1弦エレキギターのピックアップ部分。着脱式でピックアップの作りがわかるようにしています。
 
(写真右)
1弦エレキギターと3弦エレキギターのピックアップ部分と糸巻き部分です。
(写真左)
6弦エレキギターの糸巻き部分。穴開け加工した蝶ボルトと蝶ナットの組み合わせです。
 
(写真右)
ピックアップ部分。
6弦一度にコイルを巻いても、3弦ずつ巻いても同じ効果があります。
(写真左)
6弦エレキギターのピックアップ部分。ここだけ透明仕様です。
 
(写真右)
スケルトンモデルのピックアップ部分。
6弦分の鉄芯に一度にホルマル線を巻いています。
(写真左)
6弦エレキギターの先端部分。弦のゆるみを抑えるため必ず金属部品を用います。
 
(写真右)
6弦エレキギターの糸巻き部分(裏)
蝶ナットで締めつけています。
(写真左)
6弦エレキギターの裏側。ネック反り防止用アルミフレーム。雑音防止のためのアース線をつないでいます。
 
(写真右)
先端部(裏)です。下のギターはネックに丸みを持たすためパフ板を貼っています。
(写真左)
6弦エレキギターのフレット。アクリル指板にアクリルの三角コーナー材をジクロロエタンで溶着。その後,ドレッサーで一気に端を斜めに整形します。
(写真右)
「HANDMADE」の活動時はギターやベースのすべてをこの中に詰めて宅急便で全国に送ります。丈夫な木製で外側に段ボールを2重に貼り付けています。移動用キャスター付き板も箱の中に入ります。
(写真左)
市販のエレキギターのピックアップ部分。強力な磁石が使われているのがわかります。
 
(写真右)
市販のエレキギターは、アルニコ磁石に0.1mmのホルマル線をたくさん巻きつけていました。
 なお、部品加工法など,ここには書ききれない細かいノウハウもたくさんありますが,それはみなさんが独自の工夫をしてみてください。

 私見ですが、1弦エレキギターは小学校高学年で、3弦エレキギターは中学生で、6弦エレキギターは根性がある大人なら何とか作れると思います。

 しかしきちんとした指導者がおられると、「中学生でもここまで作れる!」という例があります。

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海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp