フエガムもどき笛 


 みなさんは「コリスのフエガム」ってご存じですか? 丸いガムの中央に穴が開いていて,それを口にくわえて息を吹くと,「ピー!」と音がなる「遊べるガム」です。実は息を吹くより,吸ったときの方がきれいで大きな音が鳴ることも多いようですが,構造的には非常に簡単な作りをしています。そこで,これと同じ構造のフエを他の素材で作ってみました。過去には王冠2枚や5円玉二枚で作る方法などがあったようですが,王冠に穴を開けるのが難しく,また「金属やお金を口でくわえる」ことに抵抗があったようで,実験教室などではあまり広まっていません。今回開発した手法なら,材料も工具も簡単に入手でき,そういう抵抗もないと思います。いろいろなところでどんどん紹介していこうと思います。

 簡単な作りですが,コリスのフエガムには何と,ガムを粉にする技術,粉ガムをフエの形に成型する技術,2つの部品を貼り合わす技術,の3つの特許があるそうです。

こちらは同じコリスの「フエラムネ」

右写真からもわかるように,フエの中央部分につなぎ目があります。

◆ペットボトルのフタバージョン

(左図) フエが鳴るのは図のように,空気の流れが穴の両側などにカルマン渦を連続して生じ(カルマン渦列),それが振動を起こすため。もちろん息を吸っても音はなります。

(右写真) 工作に必要なもの。5mmドリル刃は安全のため必ずきつめのビニルチューブをかぶせる。

(左写真) ビニルチューブで覆ったドリル刃できれいに穴を開ける。ケガしないように注意!

(写真右) 約5mmの間隔を開けてビニルテープで空気もれしないようにしっかりとめる。

(左写真) 完成!

(右写真)フタを直接くわえて吸っても鳴りますが,写真のように手でしっかり握って,そこに口を当てて息を吸うと唇の開閉が容易になり,音色や音程は変わりませんが音の強弱のバリエーションが広がり,鳥のさえずりのような感じも出せます。

◆ヤクルト2本バージョン

(左写真) ヤクルトの容器をよく洗い,先ほどと同じドリル刃で穴を開け,こちらは隙間を開けずにしっかりビニルテープでくっつけます。

(右写真) アッという間に完成!

(左写真) 片方の容器は写真のように切りとってもOK! この場合もすき間は開けずに2つをくっつけます。 

(右写真) 完成!上のタイプに比べて,音が大きく広がります。

(左写真) 容器の口をくわえます,容器が長いおかげで,息を吸っても吐いても気流の乱れが少なく大きな音が出やすいです。  

◆フィルムケースのフタと5円玉,50円玉バージョン

(左写真) フィルムケースの種類により,50円玉が合うタイプ(上),5円玉が合うタイプ(下)があります。

(右写真) 50円玉はちょっと強めに押し込み,指で押さえておきます。

(左写真) 50円玉が向こう側になるようにして,フタの穴から息を吸い込みます。口をつけますのでフタはよく洗っておきましょう。息は吹くより吸った方が気流の乱れが少なく良く鳴ります。  
(左写真) 今回最強?のフエガムもどき笛の5円玉バージョン。裏に5円玉を押し当てるだけ。

(右写真) 写真のように持ち,フタの方から息を吸い込みます。かなり大きな音が鳴ります。

◆チョコエッグの容器とペットボトルのフタバージョン

(左写真) 楽しい動物のおまけが有名なフルタの卵形チョコレート「チョコエッグ」の容器です。

(右写真) 今回はそのうち写真左側の背の低い方を使います。 右側の背の高い方は今回は使いません。

(左写真) 容器中央に5mmの穴を開けます。また,ペットボトルのフタにも同じ5mmの穴を開けます。

(写真右) ペットボトルのフタはちょうど容器にはさまる大きさです。これで完成!

(左写真) 吸い込んでしまうのが心配なときはこのように手ににぎりこんで息を吸います。息を吹くよりもきれいになります。

(右写真) もちろんこちらから吸ってもきれいな音が鳴ります。吸い込むときはくれぐれも口の中まで吸い込んでしまわないように,軽く唇を当てるだけにします。または左写真のように手で握りましょう。

また,今回使わなかった方の容器にも相性の良い物があります。探してみましょう。

◇他の材料も探してみよう!

 今回の実験のために,片っ端から身近な材料を試しました。上の物以外にも,いくつでも鳴るものはありそうです。ぜひ探してみて下さい。その際,小さい子が誤って飲み込んでしまう危険があるような小さすぎる物や,口にくわえられない毒物や不衛生な物などは絶対に使わないように注意しましょう。

戻る

ホーム
開発実験・器具 トピックス プロフィール? 活動記録と予定 出動依頼 HANDMADE リンク集

海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp