2000科学の祭典京都大会,サイエンスフェスタ2000大阪 「対決! 科学マジックバトル!」 など多数実演
ペットボトルを握ると浮き沈みする「浮沈子(ふちんし)」は,いろいろなところで紹介され,ずいぶん広まってきました。(まだご存じない方は「浮沈子」のページをご覧下さい。)
ここで紹介するのは,「浮沈子を知っているという人たち」または「普通の浮沈子の原理説明を聞いたばかりの人たち」に見せるとビックリするものです。それはなんと「フタの部分をギュッと握りしめると沈む浮沈子」です。いろいろなところで実演して大ウケ(?)しました。
※この技をやられる方は,種明かしの代わりにこのページのURLを教えていただけると嬉しいです。
写真のようにフタを下にして持ち,ギュッと握ると浮沈子が沈みます。横で見ているのは,たった今,普通の浮沈子の原理を勉強して,普通に握ると沈むことがわかったばかりの子どもです。 子どもは真似して沈めようとしますが,ビクともしません・・・(当然です・・・) 同じように会場の大人の方(特に理科の先生方)は目が点に・・・ (この写真は「Onsen kidsラボ」の当銀美奈子さんの撮影です。) |
では,種明かしです。(本当はステージ以外での種明かしはしたくないのですが・・・)
「実は私は科学センター勤務の前はプロレスラーをしていたので,本当にフタを握りつぶすことができるのです!」
・・・なんて言っても誰も信じてくれないだろうな・・・でも,ステージでは必ずそう言います。(ウケません・・・)
実は以下のようなトリックがあります。
フタにはドリルで穴を開け,それよりちょっと大きな径のビニルチューブを差し込みます。 |
水漏れしないようにややきつめのものを差し込むのがポイントです。 |
それにやはりややきつめの乳ゴム(スポイトの先端のゴム)を差し込みます。 |
(写真左) これで完成です。あとは普通に金魚の醤油差しとナットで作った浮沈子を入れて水を注ぎ,フタをします。 見せ方のコツは,とにかくフタの部分を客に見せないことです。また,以下の一連の動作や言葉に不審点を見せないようにすることが大切です。(これが難しい! 練習あるのみ。) 1.まず普通の浮沈子をマジックのように実演し,その種明かしをしておく。子どもを一人ステージに上げると効果的。 2.次にフタの部分を手で握り隠した浮沈子を持ってきて「では,次に逆さまにしてみよう。」と言う。 3.「フタをギュッと握って沈めてみよう!」と無茶な注文をする・・・ |
普通の浮沈子は,ペットボトルを握ると水が押され,醤油差しの口から中に入るために,浮沈子が重くなって沈みます。この装置はペットボトルの代わりに乳ゴムを押しているだけです。(ビニルチューブを隠して伸ばし,ピストンの遠隔操作で浮き沈みさせたこともあります。)
その部分が見えないように演示すると,たいへん不思議に見えます。ポイントはフタの部分がいかにも怪しいと思われないように,その前に普通の浮沈子を演示し,原理説明をして,一旦,「ちゃんとした科学の話」に戻すことです。これで客の不審感をなくすと,次の演示が楽に行えます。
※注意 乳ゴムは小さい方がバレにくいですが,あまりに小さいと沈みません。またペットボトルも500mlより大きい物は,乳ゴム程度の圧縮では沈みません。大きなペットボトルでやるときは,それなりの大きさの乳ゴムが必要です。
なお,写真右(こちらも当銀さん撮影)は最後の技「手のひらで沈んだままになる浮沈子」にチャレンジする子どもです。(この種明かしは別の所で・・・)