瞬間ペン移動マジックグッズ「いどうくん」 

「こども未来 2000年10月号」掲載

以前から玩具としてあった「パタパタ」の原理を用い、両開きの紙を作ると、見せ方次第で十分に簡単手品に使えます。しかもそれがその場で簡単に作れるとなると、子どもは大喜びです。

パタパタをマジック的に見せる工夫は私が作製した「透明パタパタ」でも行ってきましたが,この「瞬間ペン移動」は移動したのが一目でわかるように下の写真左のように色を変えた帯状のものをずっと使っていました。それを見た職場(京都市青少年科学センター)同僚の多那瀬学氏が「同色でも形を変えたらわかりやすいかも」ということで「並行帯」と「×印帯」で試作してくれました。

それをヒントに「1枚のA4用紙に型紙を印刷し,製作方法まで掲載すれば簡単に配布でき,工作教室でも使用しやすいのでは」と考え,1枚の厚紙から切り抜いて作れる「いどうくん」を完成させました。この1枚紙からできる「いどうくん」は1999年頃から工作教室等で使っていますが,その間,型紙はさらに使いやすいものへと進化しています。

「いどうくん」が「たのしい授業2002年12月号」に型紙付きで紹介されました。

【2025年5月追記】

「いどうくん」は2022年以降,愛知淑徳大学の教職課程でも使用しています(全員工作)。また23年ぶりに「たのしい授業2025年5月号」でも紹介され,すぐに作れる付録がついているだけではなく,WEBから私の最新版型紙をもとにしたものがダウンロードできるようにして下さっています。工夫から25年以上も同じ名前で愛され続ける?工作になるとは思ってもいませんでした。

演示用の丈夫なものです。オレンジにはさんだはずのペンが、一旦閉じて、再び開くとブルーの方に移動してしまいます。
生徒工作用のもの。1枚の厚紙から材料を切り取ります。×印の方にはさんだはずのペンが→→→
 →→→閉じて開くと×印から脱出して反対側に移動しています。

 作成シート(以下は開発当時の物で最新版ではありません)

◇作り方1
・シートを黒い線にそって、はさみで切り取ります。黒い部分を残さないように線のやや内側を切ります。
◇作り方2
・図のように×印の紙と、真っ直ぐな紙を糊で貼り付けます。

◇作り方4
・「3」でできたものを図のように折り返します。

◇作り方3
・「2」でできたものの上に「ぜんめんのりづけ」の紙を上から貼り付けます。

◇作り方5
・「4」の上に図のように紙を置きます。

◇作り方6
・「5」を右図のように折り返して糊付けします。
◇作り方7
・さらにその上に「ぜんめんのりづけ」を糊付けして完成します。
◇使い方
 使用法は非常に簡単です。
・ボールペンなどを上の写真のようにどちらかにしっかりはさみます。
・その際、ポケットなどに引っ掛けるフックの部分を紙にしっかりはさむと演示効果は増します。
・客によく見せて、一旦閉じます。
・そのまま開くと当然、ペンは移動していません。
・次にもう一度閉じ、「エイッ!」と気合いを入れます。紙を軽く叩いてもよいでしょう。
・逆向きに開くと、ペンが反対側に移動します。開く向きが逆だとばれないように演技します。
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海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp