けん玉の玉を回転させると剣先に入れやすいことはよく知られています。本装置は玉の内部で回転体を回転させることで,玉自体は回転しなくても,内部の回転体のジャイロ効果により,簡単にけん玉の剣先に玉を入れられるようにした装置です。しかも,押しボタンを押している間だけ玉の中に隠れた回転体が回転し,ジャイロ効果がはたらくようにしているので,ジャイロ効果の有る無しで,剣先への玉入れの難易度が変わるのがわかります。子供から大人まで楽しく科学の原理を学べる装置です。
◆工夫点,装置の特徴など
特に回転体の形状等は試行錯誤を繰り返しました。回転体自身の質量が大きいと,それ自体の慣性により玉が安定しやすくなり,剣先に入りやすくなってしまいます。そこで考えたのは以下の点です。
1.回転体の質量や形状は回転させてはじめて剣先に入りやすくなるものにする。そのためにアクリルの軽い円盤に金属製ナットを最適な質量になるように貼り付けていく手法で製作した。
2.回転体が回転していないときは入りにくくするために,玉の重心が中央より上側になるように回転体を設置した。
それ以外の特徴は以下の通りです。
3.外観はふつうの大型けん玉と同じであり,特殊な装置が入っているとはわかりにくい。
4.ひも部分は組み紐内部に柔らかい導線を2本通してある。
5.握り部分のスイッチを押すと玉の中の回転体がモーターにより高速回転するようになっている。
6.モーターの回転音は注意して聞かないとほとんど聞こえないレベルである。
7.スイッチは指を離すとすぐに通電が切れるタイプを用いており,スイッチのオンオフが簡単である。
8.玉内部の回転体のしくみを見ることができるように,玉はビニルテープで止めて容易に分割できるようにした。
9.メンテナンスは握り底部を引き外して,単3電池1本を入れ替えるだけである。
製作に使用した大型プラスチック剣玉は玩具店などで1000円〜1500円で売られているものです。 |